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後日談

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 ジーンの冷たい眼差しに、お友達アピールした女性達は一瞬固まるが、それでも尚言い募り、誤魔化そうとする。


「そう言えば、アシュリー様とはあまり本の話をしていなかったのよ!ねぇ、そうでしょう?皆様」

「ええ、そうでした!」

「そうです、そうです!でも、仲が良いのは本当ですわ!夜会でも、楽しくお喋りしてたもの!」

「楽しくお喋り、ね。アシュリー嬢に嫌味や暴言を言う事が、貴女方にとっての楽しいお喋りですか。数人で一人を囲い、婚約者と別れろだの、不釣り合いだの、散々貶していた癖に、もっと高い身分の男に望まれ、それに似合う家の養女となり、婚約したと知れば、今までの態度を翻しての、仲の良い友達アピール。どれだけ都合の良い頭だ。アシュリー嬢が大人しいからと、図に乗るのも大概にして頂きたいものだな」


 ジーンは解り易いよう子供に言い聞かせる感じで、ハッキリと区切って彼女達に言う。

 ジーンの言葉に女性達は口をあんぐり開けて、少しの間呆然とするが、ハッと我に返るとアシュリーを睨み付けた。

 その為、ジーンがアシュリーよりも少し前に出て、彼女達を嘲笑う。


「どうやら勘違いをしているようだから言って置くが、アシュリー嬢からはどうでもいいお前達の事なんて、一言も聞いていないぞ。アシュリー嬢をお前達と一緒にするな。彼女は陰口を言うような女性とは違うし、徒党を組んでいないと何も出来ない女性でも無い」

「じゃあ、何故そんな、断言が出来るのですか!わたくし達は身に覚えが有りませんわ」

「とんだ誤解です!」

「何度もやっていて、気付かれない訳が無いだろう。複数の家の、複数の使用人達が証言している。序でに言うならば、私の家の使用人達が私の花嫁候補を探している時期、丁度夜会でアシュリー嬢を罵っていた所に出会でくわしたそうだ。お前達を監察していた使用人達は、お前達のような者を花嫁にする男が可哀想だと言っていた。逆に、アシュリー嬢には婚約者と継ぐ家が有るからと嘆いていた程だ」


 嘆いていたとの言葉に、皆悔しそうな顔をするが、その内の一人が嘲笑うかのように、ジーンを見返す。


「それなのに、家も婚約者も捨てさせたなんて、可哀想な事をするのですね、エヴァンス侯爵子息様は」

「可哀想かそうでないかは、アシュリー嬢自身が決める事だ。何も知らない、赤の他人が決める事では無い。それに私は、アシュリー嬢が私を選んで良かったと思うよう、私なりに最大限の努力はするつもりだ。婚約者だから妻だからと、それに甘えて放って置く気は更々無い」


 ジーンは、この話を聞いているだろうマディソンとサラを視界の端に入れながら、女の言葉に否定はせずに言い切った。
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