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本編
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「きっ……気でも狂ったのですか?!公爵様!だって、彼女はあの、氷結のっ!」
「気が狂ったのは君の方じゃないのかな?私は彼女にダンスを申込んでいる。部外者の君が口を挟む権利も無ければ、彼女を、ましてや君よりも家位の高い私を蔑み、発言の許可無く先に上位家位に声を掛けるなんて無礼にも程がある。先程は勘違いをさせてしまったようだから敢えて聞き流したけれど、ラガート侯爵には厳重に抗議をさせてもらう」
この国では社交の場で、紹介されていない者同士は、家位の高い家の者が話し掛けてからでないと挨拶であろうと声を掛けてはならない。そして、相手が同位であっても下位であっても、女性から先に男性へ声を掛ける事はマナー違反となる。
それを彼女は自身よりも上位の男性に、先に声を掛けるという失態をしでかしたのだ。それも大勢いる人前で。
彼女の顔色が見るからに青くなる。やっと己の失態に気付いたのだろう。しかし、彼女はまたしても公爵に声を掛けようとした。
「あっ……あのっ……」
すかさずリラが彼女に言う。
「まだ理解出来ないのかしら?貴女は謝罪すら出来ないのよ」
[訳=声を掛けるなと言われているのだから、話し掛けてはダメよ!謝罪をしろと言われてないでしょう!]
彼女が押し黙り、リラは公爵に向き合う。
「余計な口を挟み、大変失礼を致しました。わたくし、ダンスはデビュー以来なのですが、宜しいのですか?」
[訳=無視をした訳ではありません。わたくしを相手になんて正気ですか?]
上位家位相手にダンスを断るのは得策ではない。パートナーがいたり婚約者がいた場合はそれを理由に断る事も出来るが、リラの場合はどちらもいない。同位家位や下位であれば断る事も簡単なのだが相手は公爵、そうはいかない。
(社交界でダンスを披露するとは思わなかったわ。それも相手がまさかの王弟公爵様なんて……)
リラはダンスが得意な方だ。しかし、公の場ではデビュー時父と踊っただけで誘われる事も無かった為、誘われるとは思っていなかった。
にこりともしないリラに、公爵は微笑み掛ける。
「ええ、勿論です。踊って頂けますか?」
ソッと手を差し出し、リラの手を待つ。
「……喜んで」
ちっとも嬉しそうに見えないリラだが、内心では戸惑いと緊張、夢見心地な気分で公爵の手に自身の手を重ねたのだった。
「気が狂ったのは君の方じゃないのかな?私は彼女にダンスを申込んでいる。部外者の君が口を挟む権利も無ければ、彼女を、ましてや君よりも家位の高い私を蔑み、発言の許可無く先に上位家位に声を掛けるなんて無礼にも程がある。先程は勘違いをさせてしまったようだから敢えて聞き流したけれど、ラガート侯爵には厳重に抗議をさせてもらう」
この国では社交の場で、紹介されていない者同士は、家位の高い家の者が話し掛けてからでないと挨拶であろうと声を掛けてはならない。そして、相手が同位であっても下位であっても、女性から先に男性へ声を掛ける事はマナー違反となる。
それを彼女は自身よりも上位の男性に、先に声を掛けるという失態をしでかしたのだ。それも大勢いる人前で。
彼女の顔色が見るからに青くなる。やっと己の失態に気付いたのだろう。しかし、彼女はまたしても公爵に声を掛けようとした。
「あっ……あのっ……」
すかさずリラが彼女に言う。
「まだ理解出来ないのかしら?貴女は謝罪すら出来ないのよ」
[訳=声を掛けるなと言われているのだから、話し掛けてはダメよ!謝罪をしろと言われてないでしょう!]
彼女が押し黙り、リラは公爵に向き合う。
「余計な口を挟み、大変失礼を致しました。わたくし、ダンスはデビュー以来なのですが、宜しいのですか?」
[訳=無視をした訳ではありません。わたくしを相手になんて正気ですか?]
上位家位相手にダンスを断るのは得策ではない。パートナーがいたり婚約者がいた場合はそれを理由に断る事も出来るが、リラの場合はどちらもいない。同位家位や下位であれば断る事も簡単なのだが相手は公爵、そうはいかない。
(社交界でダンスを披露するとは思わなかったわ。それも相手がまさかの王弟公爵様なんて……)
リラはダンスが得意な方だ。しかし、公の場ではデビュー時父と踊っただけで誘われる事も無かった為、誘われるとは思っていなかった。
にこりともしないリラに、公爵は微笑み掛ける。
「ええ、勿論です。踊って頂けますか?」
ソッと手を差し出し、リラの手を待つ。
「……喜んで」
ちっとも嬉しそうに見えないリラだが、内心では戸惑いと緊張、夢見心地な気分で公爵の手に自身の手を重ねたのだった。
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