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プロローグ
二人の娘
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彼女は幼い頃から、人には見えないモノが見えた。
それは、妖精と呼ばれるモノ。
彼女の瞳はオッドアイで、宝石のような瞳。
宝石を好む妖精達が、気に入るだろう事は間違いない。
それに気付いた母親は、母方に代々受け継がれていた、妖精が嫌うと言われている腕輪を常に身に付けさせ、たっぷりの愛情を注ぎ、物心が付く頃、彼女に度々言い聞かせる。
「彼等と喋っては駄目。仲良くなるのも駄目よ。彼等は気に入った人間を、自分達の世界に拐ってしまうの。リリィが拐われたら二度と、母さまと会えなくなるのよ。貴女はそれでも良いの?」
「いやぁ!母さまと一緒がいい!」
「母さまもよ、可愛い娘、リリシアーナ。お願いだから、この腕輪を、肌身離さず持っていて。これは彼等の嫌う物で出来てるの。これを持っていれば、彼等が近付く事は出来ないわ。お願いリリィ、彼等と仲良くしないで。彼等と一緒に行かないで」
苦しそうな、悲しそうな顔の母を見て、母を悲しませてはいけないと、幼いリリシアーナは必死で頷く。
彼等も悲しそうな顔を見せているが、幼いリリシアーナにとっては、他の人には見えない小さなお友達よりも、いつも愛情たっぷりと、可愛がってくれる母の方が大事だった。
だから、リリシアーナは母との約束を守り、彼等との交流を絶ったのだった。
それから数年後、リリシアーナの大好きな母は、妹のフィオナを産んで直ぐに亡くなった。
元々、身体が丈夫とは言えない母親は、一人産めただけでも奇跡に近いと言われていた程で、二人目の命と引き換えに亡くなったようなものだ。
父親は、母を亡くした娘達を、分け隔て無く育てたつもりだった。
ただ、母親を知らない病弱なフィオナを、構ってやる事が多く、甘やかさなかったとは言い難いが、父親からすれば、どちらも自分の血を引く可愛い娘で、リリシアーナを蔑ろにしたつもりは無かった。
侍女の数がリリシアーナよりもフィオナの方が多いのだって、フィオナが病弱だからで、それ以外の理由は無い。
服も装飾品も、同じように買い与えたし、食事に関して言えば、フィオナは病人食と呼ばれるような物ばかりなので、父親と同じ食事のリリシアーナの方が美味しい物を食べている。
姉妹の仲は良いとは言えないが、悪いとも言えなかった。
リリシアーナは自由に家の中を行き来していたが、フィオナは殆ど部屋から出ず、会う事自体少なかったからだ。
しかし、いつからか、リリシアーナはフィオナを拒絶した。
「お父様、あの妹は死んでいます。動いているけれど、喋っているけれど、あの妹からは死臭の臭いがします。フィオナは間違いなく死人です」
と。
それは、妖精と呼ばれるモノ。
彼女の瞳はオッドアイで、宝石のような瞳。
宝石を好む妖精達が、気に入るだろう事は間違いない。
それに気付いた母親は、母方に代々受け継がれていた、妖精が嫌うと言われている腕輪を常に身に付けさせ、たっぷりの愛情を注ぎ、物心が付く頃、彼女に度々言い聞かせる。
「彼等と喋っては駄目。仲良くなるのも駄目よ。彼等は気に入った人間を、自分達の世界に拐ってしまうの。リリィが拐われたら二度と、母さまと会えなくなるのよ。貴女はそれでも良いの?」
「いやぁ!母さまと一緒がいい!」
「母さまもよ、可愛い娘、リリシアーナ。お願いだから、この腕輪を、肌身離さず持っていて。これは彼等の嫌う物で出来てるの。これを持っていれば、彼等が近付く事は出来ないわ。お願いリリィ、彼等と仲良くしないで。彼等と一緒に行かないで」
苦しそうな、悲しそうな顔の母を見て、母を悲しませてはいけないと、幼いリリシアーナは必死で頷く。
彼等も悲しそうな顔を見せているが、幼いリリシアーナにとっては、他の人には見えない小さなお友達よりも、いつも愛情たっぷりと、可愛がってくれる母の方が大事だった。
だから、リリシアーナは母との約束を守り、彼等との交流を絶ったのだった。
それから数年後、リリシアーナの大好きな母は、妹のフィオナを産んで直ぐに亡くなった。
元々、身体が丈夫とは言えない母親は、一人産めただけでも奇跡に近いと言われていた程で、二人目の命と引き換えに亡くなったようなものだ。
父親は、母を亡くした娘達を、分け隔て無く育てたつもりだった。
ただ、母親を知らない病弱なフィオナを、構ってやる事が多く、甘やかさなかったとは言い難いが、父親からすれば、どちらも自分の血を引く可愛い娘で、リリシアーナを蔑ろにしたつもりは無かった。
侍女の数がリリシアーナよりもフィオナの方が多いのだって、フィオナが病弱だからで、それ以外の理由は無い。
服も装飾品も、同じように買い与えたし、食事に関して言えば、フィオナは病人食と呼ばれるような物ばかりなので、父親と同じ食事のリリシアーナの方が美味しい物を食べている。
姉妹の仲は良いとは言えないが、悪いとも言えなかった。
リリシアーナは自由に家の中を行き来していたが、フィオナは殆ど部屋から出ず、会う事自体少なかったからだ。
しかし、いつからか、リリシアーナはフィオナを拒絶した。
「お父様、あの妹は死んでいます。動いているけれど、喋っているけれど、あの妹からは死臭の臭いがします。フィオナは間違いなく死人です」
と。
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