82 / 113
~デ・フォン領域~
幻のと言われるファーグ商会は古くからの知り合いです♪
次の日から、約束通り僕は聖騎士団本部に毎日顔を出す。無償ではなく日雇いという形で。
最初は仕事として来てる訳じゃないし、特部の兄さん達の貴重な時間を使わせて貰ってるから、仕事になる依頼の時だけでいいよって言ったんだけど、僕がいるだけで仕事が捗るし、訓練にも身が入り、モチベーションが上がる。良い事ずくめだから取っておけって。
評価してくれるのは嬉しいけど、大袈裟じゃないかなぁ?(何せ皆僕より遥か上の実力者だし)と思わなくもないけど、くれるって言うんだから貰っとこう。仕事として通ってるなら、あの兄さんも文句は言えない。
因みに行きのお迎えは、何故か僕と喋った事のある仲の良い知り合いの聖騎士団団員達による、日替わりローテーションになっていた。何がどうしてこうなった……。
「僕の送り迎え……何でこんな大事になってるのさ?」
「ああ、それ。図書棟のスーヴェンさんが他の団員達に声掛けて、ラルの送り迎えを自分達もしたいって言い出したんだよ。ボク達からすれば、ラルとの時間が削られるから嫌だったんだけど、私服の団員なんて特部以外にいないから、送りはともかくも迎えは怪しまれる確率が高まりますよって。それにまた、ラルを目の敵にする団員が出てくる可能性もあるって言われたらねぇ……。前の二の舞は本っ当勘弁してもらいたいし」
……前の僕が本部へ行かなかった時に何があったよ?いや、多少は聞いてるけど、あれ以降、僕を見る団員達の目が明らかにおかしいからね?まぁ大した問題じゃないけど。
「聖騎士団員が子供のお迎えって事自体、あの子供何者だよ?!ってなるんだけどなぁ。まぁ、利用しようと嗅ぎ回った段階で即目を付けられるけどね」
「アーヴェルには確実にマークされるからなぁ。害意の有無に関わらず」
「僕の知り合いの商人にも目を付けられるよ。商売人なら確実にアウトだね」
「ああ、ファーグ商会。昔からの知り合いと言っていたが、よくあんな幻とまで言われる商会と知り合いになれたな」
レン兄は感心するように言う。
「表向きは普通の商会だし、幻でも何でもないけどね」
「いや、あそこの逸話は凄いぞ。全大陸中の有りとあらゆる物の入手経路を持ち、顧客のニーズに応えるが、彼等との接触は顧客を通じ、彼等に認められた者しか客と見なされない。しかも、ファーグ商会にとって害ある客を紹介しようものなら、紹介者も顧客リストから消えるって制約付きだろ?あそことの縁は王族ですら欲しがると聞くぞ」
「そう言うウィオラル達も王族だよね。でも、それ程の商人がいるって凄いよね」
「まぁ、特部の兄さん達なら僕が紹介しても大丈夫だと思うよ。因みにルト兄は紹介済み♪」
ルト兄ことルクト=フェザー様は南大陸の砂漠出身者。中性的な声と顔立ちの美人な兄さんで、盗賊王と呼ばれる義賊だ。因みに聖騎士団に引き込んだのはラファス兄で、魔狼と呼ばれるリックル魔物を連れている。僕はその魔狼、ルウェックとも仲良しだけどね♪
「そういえばあの時、ルクトと手を組み聖騎士団の古狸を追い落としていたらしいな。古狸に至っては自業自得だが」
「ああ、俺とトゥーサーが不在時で、よりによってラファスに喧嘩を売り、ラルを人質にしようとしたお粗末過ぎる阿呆な古狸か。ラルはその時にルクトと初めて会ったと言っていたな?」
ウィル兄の確認に頷く僕。
「うん。その時にファーグ商会と引き合わせたんだよ。指示はラファス兄だけど、あそこは個人情報も扱ってるから」
「……商人だよね?個人情報まで扱ってるの?」
「ウィル兄が言ったじゃん。顧客のニーズに応えるって。あそこは商品だけじゃなく、情報や人員の斡旋まで幅広く扱ってるよ。まぁただし、情報は相手を選ぶし、人身売買とか犯罪になる物は取り扱ってない。それを要求する顧客は徹底的に調べられるよ」
例えば、僕やラファス兄を調べろと依頼があったとしても、ファーグ商会が出すのは東の魔物キラーだって事ぐらいしか出さないし、先ず依頼してきた相手が一体何の為に依頼してきたのかを徹底的に調べ尽くしてから出すし、場合によっては僕やラファス兄に報告がくるという具合だ。
勿論、僕達があいつを調べてって依頼すれば、相手の生まれや環境から近況まで徹底的に調べ尽くしてその情報の全てを相手に気付かれずに報告してくるだろう。
因みにファーグ家は、僕やラファス兄が精霊人である事も、ラファス兄が“赤のラルファンス”である事も勿論知ってる。そもそもファーグ家とは商会を立ち上げた初期の、千年以上前からの先祖同士の知り合いだ。当主以外に英雄王の末裔とまでは知られてないが、赤い容姿の精霊人はファーグ家の大恩人であり、多大なる協力関係者として知られ、古い付き合いがあるのだ。
その為、僕達からの紹介は、優先順位が頗る高い。それ程までに僕達の関係は良好なのだ。
「因みに商会内の人達の絆は物凄く強いから、殆どの人は引き抜きに応じないし、仕事中毒の向上心持ちばっかだから、目を付けられると大変なんだよね」
「……大変で済む話じゃないよね?」
「ラルの基準をそこら辺の王族や領主と一緒にすんな。あのラファスが兄なんだ、規格外を普通と思い込んでるラルの基準が普通な訳ねぇだろ」
レン兄の言葉に納得するトゥー兄。
……特部の面々自体が規格外なのに、何か納得いかないよね。
最初は仕事として来てる訳じゃないし、特部の兄さん達の貴重な時間を使わせて貰ってるから、仕事になる依頼の時だけでいいよって言ったんだけど、僕がいるだけで仕事が捗るし、訓練にも身が入り、モチベーションが上がる。良い事ずくめだから取っておけって。
評価してくれるのは嬉しいけど、大袈裟じゃないかなぁ?(何せ皆僕より遥か上の実力者だし)と思わなくもないけど、くれるって言うんだから貰っとこう。仕事として通ってるなら、あの兄さんも文句は言えない。
因みに行きのお迎えは、何故か僕と喋った事のある仲の良い知り合いの聖騎士団団員達による、日替わりローテーションになっていた。何がどうしてこうなった……。
「僕の送り迎え……何でこんな大事になってるのさ?」
「ああ、それ。図書棟のスーヴェンさんが他の団員達に声掛けて、ラルの送り迎えを自分達もしたいって言い出したんだよ。ボク達からすれば、ラルとの時間が削られるから嫌だったんだけど、私服の団員なんて特部以外にいないから、送りはともかくも迎えは怪しまれる確率が高まりますよって。それにまた、ラルを目の敵にする団員が出てくる可能性もあるって言われたらねぇ……。前の二の舞は本っ当勘弁してもらいたいし」
……前の僕が本部へ行かなかった時に何があったよ?いや、多少は聞いてるけど、あれ以降、僕を見る団員達の目が明らかにおかしいからね?まぁ大した問題じゃないけど。
「聖騎士団員が子供のお迎えって事自体、あの子供何者だよ?!ってなるんだけどなぁ。まぁ、利用しようと嗅ぎ回った段階で即目を付けられるけどね」
「アーヴェルには確実にマークされるからなぁ。害意の有無に関わらず」
「僕の知り合いの商人にも目を付けられるよ。商売人なら確実にアウトだね」
「ああ、ファーグ商会。昔からの知り合いと言っていたが、よくあんな幻とまで言われる商会と知り合いになれたな」
レン兄は感心するように言う。
「表向きは普通の商会だし、幻でも何でもないけどね」
「いや、あそこの逸話は凄いぞ。全大陸中の有りとあらゆる物の入手経路を持ち、顧客のニーズに応えるが、彼等との接触は顧客を通じ、彼等に認められた者しか客と見なされない。しかも、ファーグ商会にとって害ある客を紹介しようものなら、紹介者も顧客リストから消えるって制約付きだろ?あそことの縁は王族ですら欲しがると聞くぞ」
「そう言うウィオラル達も王族だよね。でも、それ程の商人がいるって凄いよね」
「まぁ、特部の兄さん達なら僕が紹介しても大丈夫だと思うよ。因みにルト兄は紹介済み♪」
ルト兄ことルクト=フェザー様は南大陸の砂漠出身者。中性的な声と顔立ちの美人な兄さんで、盗賊王と呼ばれる義賊だ。因みに聖騎士団に引き込んだのはラファス兄で、魔狼と呼ばれるリックル魔物を連れている。僕はその魔狼、ルウェックとも仲良しだけどね♪
「そういえばあの時、ルクトと手を組み聖騎士団の古狸を追い落としていたらしいな。古狸に至っては自業自得だが」
「ああ、俺とトゥーサーが不在時で、よりによってラファスに喧嘩を売り、ラルを人質にしようとしたお粗末過ぎる阿呆な古狸か。ラルはその時にルクトと初めて会ったと言っていたな?」
ウィル兄の確認に頷く僕。
「うん。その時にファーグ商会と引き合わせたんだよ。指示はラファス兄だけど、あそこは個人情報も扱ってるから」
「……商人だよね?個人情報まで扱ってるの?」
「ウィル兄が言ったじゃん。顧客のニーズに応えるって。あそこは商品だけじゃなく、情報や人員の斡旋まで幅広く扱ってるよ。まぁただし、情報は相手を選ぶし、人身売買とか犯罪になる物は取り扱ってない。それを要求する顧客は徹底的に調べられるよ」
例えば、僕やラファス兄を調べろと依頼があったとしても、ファーグ商会が出すのは東の魔物キラーだって事ぐらいしか出さないし、先ず依頼してきた相手が一体何の為に依頼してきたのかを徹底的に調べ尽くしてから出すし、場合によっては僕やラファス兄に報告がくるという具合だ。
勿論、僕達があいつを調べてって依頼すれば、相手の生まれや環境から近況まで徹底的に調べ尽くしてその情報の全てを相手に気付かれずに報告してくるだろう。
因みにファーグ家は、僕やラファス兄が精霊人である事も、ラファス兄が“赤のラルファンス”である事も勿論知ってる。そもそもファーグ家とは商会を立ち上げた初期の、千年以上前からの先祖同士の知り合いだ。当主以外に英雄王の末裔とまでは知られてないが、赤い容姿の精霊人はファーグ家の大恩人であり、多大なる協力関係者として知られ、古い付き合いがあるのだ。
その為、僕達からの紹介は、優先順位が頗る高い。それ程までに僕達の関係は良好なのだ。
「因みに商会内の人達の絆は物凄く強いから、殆どの人は引き抜きに応じないし、仕事中毒の向上心持ちばっかだから、目を付けられると大変なんだよね」
「……大変で済む話じゃないよね?」
「ラルの基準をそこら辺の王族や領主と一緒にすんな。あのラファスが兄なんだ、規格外を普通と思い込んでるラルの基準が普通な訳ねぇだろ」
レン兄の言葉に納得するトゥー兄。
……特部の面々自体が規格外なのに、何か納得いかないよね。
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
弱小スキル【翻訳】が実は神スキルでした。追放されたが最強王国作ります
綾取
ファンタジー
万物の声を聴くスキル【翻訳】が実は【世界干渉】の神スキルでした~追放された俺が辺境を浄化して聖域を作ったら、加護を失った帝国が滅びかけてますがもう遅い。喋る野菜や聖獣たちと最強の王国を築きます
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
異世界で貧乏神を守護神に選ぶのは間違っているのだろうか?
石のやっさん
ファンタジー
異世界への転移、僕にはもう祝福を受けた女神様が居ます!
主人公の黒木翼はクラスでは浮いた存在だった。
黒木はある理由から人との関りを最小限に押さえ生活していた。
そんなある日の事、クラス全員が異世界召喚に巻き込まれる。
全員が女神からジョブやチートを貰うなか、黒木はあえて断り、何も貰わずに異世界に行く事にした。
その理由は、彼にはもう『貧乏神』の守護神が居たからだ。
この物語は、貧乏神に恋する少年と少年を愛する貧乏神が異世界で暮す物語。
貧乏神の解釈が独自解釈ですので、その辺りはお許し下さい。
不要とされた私が、拾われた先で人生を立て直すまで
藤原遊
ファンタジー
精霊魔法を使えない――
その理由だけで「不要」と判断され、家を追われた貴族令嬢セシリア・ローディン。
彼女が送られたのは、魔境に近く、精霊の気配がほとんどない開拓地だった。
形式上は人間の領域だが、住んでいるのは魔族との混血が多く、
これまで領主が実際に住み着いたことはない土地。
「領主が、本当に来たの?」
そんな温度の低い反応の中、
セシリアは使われていなかった屋敷を掃除するところから生活を始める。
精霊に頼らず、自前の魔力と工夫で畑を整え、
少しずつ“ここで生きられる形”を作っていく日々。
やがて、精霊王の機嫌を損ねたことで人間の世界に大飢饉が訪れる。
しかし、精霊に依存しない魔境近くの土地では、作物が普通に育っていた。
「ここは、普通にご飯が食べられるんだね」
行商人の一言で知る、外の世界との温度差。
そして――作物を求めて訪れる、かつてセシリアを不要とした人々。
これは、
精霊に選ばれなかった少女が、
選ばれなかった土地で居場所を築き、
静かに“必要な存在”になっていく物語。
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
勇者の付属品(おまけ)〜Hero's accessories〜爆速成長で神々の領域へ 〜創造神の孫は破壊神と三日三晩戦って親友になった〜
優陽 yûhi
ファンタジー
16歳にして日本最高峰の剣道の大会の優勝者である高校1年の颯斗(りくと)は、
3年生の生徒会長,副会長の佐伯と近藤の勇者召喚に巻き込まれて、
異世界に転移する。
何故か2人とは少しずれた場所と時間に転移した颯斗は、
魔物や魔族との戦いの中で、
人の限界を遥かに越える力を驚く程の速さで付けていく。
自分は勇者の付属品だと言う颯斗だが、
何故これ程までの能力を持っているのか?
勇者のもとに向かう冒険の中で謎が解けていく。