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~デ・フォン領域~
幽霊の正体を確認しに行きましょう!
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「これが目撃情報のある場所だ」
「一応その、幽霊擬きに会った団員にも会わせてくれる?詳しい話が聞きたいし」
ないと思うけど、万一あいつの幽霊なら、この世に出てきた事を激しく後悔させた上で、想いも魂も欠片すら残せないような消滅をくれてやるさ。
幽霊なんて、ディール魔物の魔物化前みたいな物だ。普通の物理は効かないかもだけど、魔法や魔力を纏わせたら武器でも効くし、ラファス兄から貰った家宝の剣は特別製。幽霊だろうと悪落ちした精霊だろうと難なく斬れる。あいつなら、遠慮なんて欠片も抱けないからね。
地図を確認し、場所を把握する。
幽霊擬きに出会った団員に会い、話を聞いた。
容姿は、ウェーブ掛かった金髪で、膝程まである長い髪を緩く一纏め。長身で眼鏡を掛け、白衣を羽織った20才前後の男。
……結論、完全なる人違い。絶対違う、あいつじゃない。あいつはそこまで若くないし、何より髪が金じゃない。その上肩程の長さだった。
う~ん、残念。あいつの幽霊だったら恐怖のドン底まで叩き落としてやったのに。
角を曲がったら、姿がどこにもない、ねぇ。追い付く前に扉の中に入っただけだろうなぁ。あの辺かなり入り組んでたしなぁ。
元々あそこは古代の治療施設みたいだったから、ああいった空間があちこちあるんだよね。用途別ではあるけど。
あの男が使っていた空間は精霊や精獣の回復場所で、本来は魔石の魔力を傷付いた精霊や精獣に取り込ませて回復させる場所だ。古代は今より多くの精霊や精獣がいたから、大きな街だとそういった場所が一つはあったらしい。でも、本来魔石の魔力だけを取り込む筈なのに、補助の台座にある古代語表記が所々罅割れたりして、元々の古代語の意味と違う文章になってたのが原因の一つっぽかったけど、ああいった場所は悪用しようとする奴等の為に、使用者制限とか、魔石のみの魔力摘出とか、色々対策されてた筈なんだけど、どうもそういった対策が、様々な要因が積み重なり働かなかったっぽいんだよね。
あの後念の為に、ラファス兄が周辺をざっと確認してくれたっぽいから、悪用される事はないだろうけど、魔力が豊富にあった時代の古代施設なだけあって、設備は今より数段上をいくから、研究者にとっては垂涎物。
幽霊だと騒がれてるその男も医学関連か錬金術かの研究者だと思うんだけど、一応確認しといた方が良いに越した事はない。古代語をある程度でも精通してるなら尚更だからね。
どっちにしろ、古代設備を使えるなら、腕は相当良い筈だ。本には載ってない、専門の面白知識が手に入るかもだし、少しは期待が出来るかな?
その日、宿屋に帰ってアーヤと二人になってから、特部からの依頼で古代遺跡に潜る事になったから、帰って来るつもりだけど、泊まり込むかも知れない事を報告。大丈夫だとは思うけど、心配するだろうから一応ね。
因みに今、日課のトレーニングは聖騎士団本部にいる時間に特部の訓練場を借りて継続中。たまに特部の兄さん達が顔を出し、書類ばっかだと身体が鈍るからって僕の相手をしてくれるんだ♪
翌朝、お迎えの団員と本部に向かい、特部に顔を出してから件の古代遺跡に向かう。入口は中心地から外れ、北部にある。街中ではあるが閑静な住宅街だ。その内の一軒家と地下通路が繋がっている。
多分、他にもいくつか出入口はあるんだろうけど、僕が連れて来られたのはここだから、聖騎士団が家その物を買い取り管理してるんだって。
ここは正規の出入口じゃなく、床が崩れたか、地下を拡張しようとしてぶち抜いたか、そんな感じで出来た穴っぽい。
僕ん家も地下に遺跡があるけど、元々精霊達が人間を真似て建築した棲みかで、英雄王が近くに家を建てても良いか聞いたら、出入口に建てて管理して欲しいって言われたんだって。他の人間に荒らされるのは嫌だからって。
なので、僕ん家の地下遺跡にはたまに精霊が出入りする。精霊達は専用の出入り口みたいな物で出入りしてるから、僕ん家の中は通らないけどね。
団員に挨拶して中に入り、地下に降りた僕は、目撃談の多かった場所に向かい、通路を歩く。
そして、扉を確認した直後、その扉が開いた。
「うわっ?!」
そこには僕にぶつかり掛けて、思わず飛び退き声を発する幽霊擬きの男がいた。まぁ僕も避けられるけどね、あれぐらい。
「ビビった~。……って、子供?」
うん、まぁ、子供だね。
「初めまして、幽霊さん。僕とお話しませんか?」
「幽霊?俺が?」
「うん。だって、騎士団では幽霊だって噂されてるよ。まぁ、どこからどう見ても生身の人間だけどね」
「悪いが子供に付き合う気は……ってお前、何者だ?」
「それをお兄さんが言うの?」
「……分かった。話し相手になってやる。だが、ここでじゃない。付いて来られるか?」
僕を試すような物言いだが、乗らない理由は僕にない。なので間を空けずに即答する。
「うん!勿論。僕はラファール。ラファール=フォーゼ。お兄さんは?」
「リウリク。リウリク=ウィルクだ」
*****
※三つ前の『幻の~』の内容で祖先同士の知り合いを先祖同士、精霊王の末裔を英雄王の末裔に訂正しました。祖先同士はファーグ家にとっては祖先だけど、ラル達には祖先ではなかった為。精霊王は赤の血族なら、精霊王と口に出すより英雄王と言う為です。たまに何度か読み返し、気付いた場所は訂正していますが、内容はほぼ変更されていません。
「一応その、幽霊擬きに会った団員にも会わせてくれる?詳しい話が聞きたいし」
ないと思うけど、万一あいつの幽霊なら、この世に出てきた事を激しく後悔させた上で、想いも魂も欠片すら残せないような消滅をくれてやるさ。
幽霊なんて、ディール魔物の魔物化前みたいな物だ。普通の物理は効かないかもだけど、魔法や魔力を纏わせたら武器でも効くし、ラファス兄から貰った家宝の剣は特別製。幽霊だろうと悪落ちした精霊だろうと難なく斬れる。あいつなら、遠慮なんて欠片も抱けないからね。
地図を確認し、場所を把握する。
幽霊擬きに出会った団員に会い、話を聞いた。
容姿は、ウェーブ掛かった金髪で、膝程まである長い髪を緩く一纏め。長身で眼鏡を掛け、白衣を羽織った20才前後の男。
……結論、完全なる人違い。絶対違う、あいつじゃない。あいつはそこまで若くないし、何より髪が金じゃない。その上肩程の長さだった。
う~ん、残念。あいつの幽霊だったら恐怖のドン底まで叩き落としてやったのに。
角を曲がったら、姿がどこにもない、ねぇ。追い付く前に扉の中に入っただけだろうなぁ。あの辺かなり入り組んでたしなぁ。
元々あそこは古代の治療施設みたいだったから、ああいった空間があちこちあるんだよね。用途別ではあるけど。
あの男が使っていた空間は精霊や精獣の回復場所で、本来は魔石の魔力を傷付いた精霊や精獣に取り込ませて回復させる場所だ。古代は今より多くの精霊や精獣がいたから、大きな街だとそういった場所が一つはあったらしい。でも、本来魔石の魔力だけを取り込む筈なのに、補助の台座にある古代語表記が所々罅割れたりして、元々の古代語の意味と違う文章になってたのが原因の一つっぽかったけど、ああいった場所は悪用しようとする奴等の為に、使用者制限とか、魔石のみの魔力摘出とか、色々対策されてた筈なんだけど、どうもそういった対策が、様々な要因が積み重なり働かなかったっぽいんだよね。
あの後念の為に、ラファス兄が周辺をざっと確認してくれたっぽいから、悪用される事はないだろうけど、魔力が豊富にあった時代の古代施設なだけあって、設備は今より数段上をいくから、研究者にとっては垂涎物。
幽霊だと騒がれてるその男も医学関連か錬金術かの研究者だと思うんだけど、一応確認しといた方が良いに越した事はない。古代語をある程度でも精通してるなら尚更だからね。
どっちにしろ、古代設備を使えるなら、腕は相当良い筈だ。本には載ってない、専門の面白知識が手に入るかもだし、少しは期待が出来るかな?
その日、宿屋に帰ってアーヤと二人になってから、特部からの依頼で古代遺跡に潜る事になったから、帰って来るつもりだけど、泊まり込むかも知れない事を報告。大丈夫だとは思うけど、心配するだろうから一応ね。
因みに今、日課のトレーニングは聖騎士団本部にいる時間に特部の訓練場を借りて継続中。たまに特部の兄さん達が顔を出し、書類ばっかだと身体が鈍るからって僕の相手をしてくれるんだ♪
翌朝、お迎えの団員と本部に向かい、特部に顔を出してから件の古代遺跡に向かう。入口は中心地から外れ、北部にある。街中ではあるが閑静な住宅街だ。その内の一軒家と地下通路が繋がっている。
多分、他にもいくつか出入口はあるんだろうけど、僕が連れて来られたのはここだから、聖騎士団が家その物を買い取り管理してるんだって。
ここは正規の出入口じゃなく、床が崩れたか、地下を拡張しようとしてぶち抜いたか、そんな感じで出来た穴っぽい。
僕ん家も地下に遺跡があるけど、元々精霊達が人間を真似て建築した棲みかで、英雄王が近くに家を建てても良いか聞いたら、出入口に建てて管理して欲しいって言われたんだって。他の人間に荒らされるのは嫌だからって。
なので、僕ん家の地下遺跡にはたまに精霊が出入りする。精霊達は専用の出入り口みたいな物で出入りしてるから、僕ん家の中は通らないけどね。
団員に挨拶して中に入り、地下に降りた僕は、目撃談の多かった場所に向かい、通路を歩く。
そして、扉を確認した直後、その扉が開いた。
「うわっ?!」
そこには僕にぶつかり掛けて、思わず飛び退き声を発する幽霊擬きの男がいた。まぁ僕も避けられるけどね、あれぐらい。
「ビビった~。……って、子供?」
うん、まぁ、子供だね。
「初めまして、幽霊さん。僕とお話しませんか?」
「幽霊?俺が?」
「うん。だって、騎士団では幽霊だって噂されてるよ。まぁ、どこからどう見ても生身の人間だけどね」
「悪いが子供に付き合う気は……ってお前、何者だ?」
「それをお兄さんが言うの?」
「……分かった。話し相手になってやる。だが、ここでじゃない。付いて来られるか?」
僕を試すような物言いだが、乗らない理由は僕にない。なので間を空けずに即答する。
「うん!勿論。僕はラファール。ラファール=フォーゼ。お兄さんは?」
「リウリク。リウリク=ウィルクだ」
*****
※三つ前の『幻の~』の内容で祖先同士の知り合いを先祖同士、精霊王の末裔を英雄王の末裔に訂正しました。祖先同士はファーグ家にとっては祖先だけど、ラル達には祖先ではなかった為。精霊王は赤の血族なら、精霊王と口に出すより英雄王と言う為です。たまに何度か読み返し、気付いた場所は訂正していますが、内容はほぼ変更されていません。
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