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~デ・フォン領域~
信用出来なきゃ連行します
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ヘグルスが6以上の魔石なら持ってるし、譲渡する事は可能だけど、先ずはリウリクがその人形をどう使うか、だね。
「リウリクは、その人形が動くようになれば、どうするつもり?」
「一応助手にする気だ。売る気は無いし、これからの研究の手伝いをさせる。人間はあまり信用出来ないからな」
「まぁ、古代技術を取り入れた人形は高く売れるだろうし、成果を横取りしたり盗んだりする奴が出て来てもおかしくないよね。そもそも人工魔石を作れるってだけでも充分凄い事だし」
「闇のオークションでもさすがに6以上の魔石が出回る事は無い。入手出来たとしても、動ける程度。レシピ通りにはいかねぇな」
……レシピ、あるの?!あー、でも、どうだろう?レシピが本物とは限らないし、本物でもレシピ通りに造るのはかなり難しいんだよね。オリジナルだと分量は載ってても技量とかは載ってないし、物によっては本人さえ解れば問題ないからと略して書いてあったり、当人は当然でも他からすれば当然ではない工程も省いたり、字が癖字だったり下手くそ過ぎて解読不能という物もあったりする。
闇ルートでも、一応は現物を一部だけ見せてもらえるが、製作してみないと、出来るかどうかが分かんないんだよね~。
「……僕も手伝うのは駄目かな?」
「お前が?っつっても、今ん所大した事は出来ねぇぞ?それともお前がヘグルス6以上の場所で、魔石でも取ってくる気か?」
ジムじいちゃんに分けてあげたとは言え、既にそこそこ持ってるから今更行く意味無いし、アーヤ達を長期間放置する訳にはいかないからね。
「それはちょっと遠慮したいなぁ」
「そもそも公認とは言え、魔物キラーに魔石の判別が出来る訳ねぇしな」
まぁ、普通の魔物キラーならそうだけど、僕はメカエンジニアでもあるからね。魔石の判別だけでなく、種類判別も出来るよ。素人でも使える純度や判別が可能な計測機器も、作って持ってるぐらいだし。
「着いたぞ。ここが俺の使ってる場所だ」
リウリクが連れて来た研究室は、あの男が使っていた空間よりは狭いが、研究室としては充分な広さだ。それに、澱みも歪みもない。ここはちゃんとした用途で使用されてるみたいだ。
「……リウリク、交渉しない?」
「……何と何をだ?」
「僕の持つヘグルス6以上の魔石と、僕及び、聖騎士団特殊部隊の団員一名の付き添いを許可した上での研究製作する事。誓って言うけど、研究を横取りする気も盗む気も無いから。それを承諾してくれるなら、7でも8でも、全大陸中最高級の東産魔石でも出すよ。どうする?闇ルートでも出回る事が無いと言っても良いランクの魔石を、気兼ね無く使用出来るチャンスは今だけかもね」
「……何でそんな魔石お前が持ってんだ?それに、特殊部隊って……」
「僕がここにいるのは特部の隊長からの依頼だし、僕、東の魔物キラーでメカエンジニアでもあるんだよね~♪因みにメカエンジニアの師はドワーフで、混合魔石と呼ばれる魔石合成も可能だよ。僕としては人工魔石の製造や、人形使いの人形がどの様にして造られるのか興味深いから協力してみたいだけなんだけど、特部の兄さん達を巻き込むのは、特部絡みの研究を横取りしたり盗んだりしようとする馬鹿はさすがに少ないかなって。あっ、因みに僕は特部でも聖騎士団員でもないからね。単に僕の実兄が特部だってだけだから」
「……なんだ……その、デタラメ物件は……」
「ええ~、それって僕の事だよね。酷いなデタラメって。お得物件だと思うんだけど?」
「新手の詐欺か、国家機密部類のレベルだろ……。お前の言動、存在自体がおかしい上に、ドワーフを師に持つメカエンジニアだぁ?東の魔物キラーってだけでも有り得ねぇってのに、メカエンジニアと両立だぁ?しかもあの、聖騎士団特殊部隊にコネを持つって、どんだけ盛ってんだ!」
「事実だから仕方ないね。ん~、ここで四の五の言ってても意味無いから、今から特部ん所に行くよ。レノ兄……レヴァーノ=ハイレス様やアーヴェル=デフォルト様に会えれば、さすがに僕の言ってる事が嘘じゃないって解るでしょ?そういう事だから、行くよ、リウリク」
僕がリウリクの手を掴み、元来た道を連れ戻る。
「いや、待て!本気で言ってんのか?お前」
「当たり前じゃん。嘘つき呼ばわりされたくないし。特部の後ろ楯が有れば、リウリクはこそこそする必要もなくなるよ。リウリク程の腕なら特部も協力関係結ぼうと思うだろうからね」
僕はリウリクを連れて、地下から聖騎士団買い取りの家へと入る。と、そこにいた知り合いの団員が僕達に気付く。
「ラファール、何か収穫……って、お前、それっっ!」
「うん。彼が噂の幽霊さん。害意はないし、連行してくよ♪」
「連行って……」
「腕の良い錬金術師だから、特部の兄さん達と面会させるの。僕の言葉だけじゃ信用出来ないみたいだからね」
「ああ、まぁ、普通はそうだろうな……」
「って事で、連れてくから。一応他にもいたら困るから、監視は続けてね」
「ああ、分かってる。ラルも一応気を付けろよ」
「うん。ありがとー!」
「リウリクは、その人形が動くようになれば、どうするつもり?」
「一応助手にする気だ。売る気は無いし、これからの研究の手伝いをさせる。人間はあまり信用出来ないからな」
「まぁ、古代技術を取り入れた人形は高く売れるだろうし、成果を横取りしたり盗んだりする奴が出て来てもおかしくないよね。そもそも人工魔石を作れるってだけでも充分凄い事だし」
「闇のオークションでもさすがに6以上の魔石が出回る事は無い。入手出来たとしても、動ける程度。レシピ通りにはいかねぇな」
……レシピ、あるの?!あー、でも、どうだろう?レシピが本物とは限らないし、本物でもレシピ通りに造るのはかなり難しいんだよね。オリジナルだと分量は載ってても技量とかは載ってないし、物によっては本人さえ解れば問題ないからと略して書いてあったり、当人は当然でも他からすれば当然ではない工程も省いたり、字が癖字だったり下手くそ過ぎて解読不能という物もあったりする。
闇ルートでも、一応は現物を一部だけ見せてもらえるが、製作してみないと、出来るかどうかが分かんないんだよね~。
「……僕も手伝うのは駄目かな?」
「お前が?っつっても、今ん所大した事は出来ねぇぞ?それともお前がヘグルス6以上の場所で、魔石でも取ってくる気か?」
ジムじいちゃんに分けてあげたとは言え、既にそこそこ持ってるから今更行く意味無いし、アーヤ達を長期間放置する訳にはいかないからね。
「それはちょっと遠慮したいなぁ」
「そもそも公認とは言え、魔物キラーに魔石の判別が出来る訳ねぇしな」
まぁ、普通の魔物キラーならそうだけど、僕はメカエンジニアでもあるからね。魔石の判別だけでなく、種類判別も出来るよ。素人でも使える純度や判別が可能な計測機器も、作って持ってるぐらいだし。
「着いたぞ。ここが俺の使ってる場所だ」
リウリクが連れて来た研究室は、あの男が使っていた空間よりは狭いが、研究室としては充分な広さだ。それに、澱みも歪みもない。ここはちゃんとした用途で使用されてるみたいだ。
「……リウリク、交渉しない?」
「……何と何をだ?」
「僕の持つヘグルス6以上の魔石と、僕及び、聖騎士団特殊部隊の団員一名の付き添いを許可した上での研究製作する事。誓って言うけど、研究を横取りする気も盗む気も無いから。それを承諾してくれるなら、7でも8でも、全大陸中最高級の東産魔石でも出すよ。どうする?闇ルートでも出回る事が無いと言っても良いランクの魔石を、気兼ね無く使用出来るチャンスは今だけかもね」
「……何でそんな魔石お前が持ってんだ?それに、特殊部隊って……」
「僕がここにいるのは特部の隊長からの依頼だし、僕、東の魔物キラーでメカエンジニアでもあるんだよね~♪因みにメカエンジニアの師はドワーフで、混合魔石と呼ばれる魔石合成も可能だよ。僕としては人工魔石の製造や、人形使いの人形がどの様にして造られるのか興味深いから協力してみたいだけなんだけど、特部の兄さん達を巻き込むのは、特部絡みの研究を横取りしたり盗んだりしようとする馬鹿はさすがに少ないかなって。あっ、因みに僕は特部でも聖騎士団員でもないからね。単に僕の実兄が特部だってだけだから」
「……なんだ……その、デタラメ物件は……」
「ええ~、それって僕の事だよね。酷いなデタラメって。お得物件だと思うんだけど?」
「新手の詐欺か、国家機密部類のレベルだろ……。お前の言動、存在自体がおかしい上に、ドワーフを師に持つメカエンジニアだぁ?東の魔物キラーってだけでも有り得ねぇってのに、メカエンジニアと両立だぁ?しかもあの、聖騎士団特殊部隊にコネを持つって、どんだけ盛ってんだ!」
「事実だから仕方ないね。ん~、ここで四の五の言ってても意味無いから、今から特部ん所に行くよ。レノ兄……レヴァーノ=ハイレス様やアーヴェル=デフォルト様に会えれば、さすがに僕の言ってる事が嘘じゃないって解るでしょ?そういう事だから、行くよ、リウリク」
僕がリウリクの手を掴み、元来た道を連れ戻る。
「いや、待て!本気で言ってんのか?お前」
「当たり前じゃん。嘘つき呼ばわりされたくないし。特部の後ろ楯が有れば、リウリクはこそこそする必要もなくなるよ。リウリク程の腕なら特部も協力関係結ぼうと思うだろうからね」
僕はリウリクを連れて、地下から聖騎士団買い取りの家へと入る。と、そこにいた知り合いの団員が僕達に気付く。
「ラファール、何か収穫……って、お前、それっっ!」
「うん。彼が噂の幽霊さん。害意はないし、連行してくよ♪」
「連行って……」
「腕の良い錬金術師だから、特部の兄さん達と面会させるの。僕の言葉だけじゃ信用出来ないみたいだからね」
「ああ、まぁ、普通はそうだろうな……」
「って事で、連れてくから。一応他にもいたら困るから、監視は続けてね」
「ああ、分かってる。ラルも一応気を付けろよ」
「うん。ありがとー!」
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