英雄王の末裔 ~青のラファール~

カザハナ

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~デ・フォン領域~

僕の日常

 それから暫くは、聖騎士団本部に寄って、特部の兄さんを一人付き添ってもらってリウリクに会いに行く。
 アーヤ達には聖騎士団の依頼で暫く忙しいって言っといた。アーヤだけには特部関連とは言ってるけど、デ・マーム内で退屈するような事は無いだろう。
 くれぐれも遺跡には入らないよう兄さんに言い、日替わりでアーヤとセスが兄さんを見張っとく事になった。
 あの兄さん、散々迷った挙げ句遺跡に入り掛けてたらしい。僕の知り合いが、僕の連れの一人と認識してくれてた為、態々わざわざ宿屋に送り届けて二人にも注意までしてくれてたらしい。僕もお礼はちゃんと言ったけど、兄さんには一応説教しといた。気付け、入るな、迷うなって。
 でも全然分かって無いようだから、脅しといた。奥には精獣もいる場所があるから、出会うと死ぬぞって。
 そもそも、この兄さんなら奥に行かなくても中でループに陥って、餓死するとかもあり得るからなぁ。
 古代ルファールルヴェネ理解しわかってもいないのに入ってた、あのポンコツ学者は運が良かっただけだし、古代語を理解してなかったから、扉とかをスルーしてた可能性が高いんだよね。後、ラファス兄が連れて行かれた場所は、普通の住居地区だったって事もあるみたい。
 一応僕がデ・マームに来てるから、古代語を教えてる人にも連絡を入れてもらい、聖騎士団本部で都合の良い日に(と言ってもほぼ毎日だけど)ちょこちょこ教えてる。
 実は元学生で、あのポンコツ学者の元で学んでたけど、馬が合わなかったらしく、邪見に扱われて辞めさせられたらしく、それでも古代語が学びたくて、ずっと先生になれる人を探してたんだって。
 ラファス兄があのポンコツ学者を罠に掛けて、ちょっとの間、再起不能状態にした時、ラファス兄が講師役をしたんだけど、その時に他の学生からラファス兄の事を聞いて、自分も参加したかったって、他の学生がすっごい羨ましかったんだって話してた。
 ポンコツ学者が聖騎士団の特別顧問を解雇されて、その後聖騎士団本部で正しい古代語の講義、解釈を受講する人を募集するって聞いて、絶対受けてやるって思ったらしい。
 うん、熱意は凄かったよ。本当に。
 ただ、面接とかがあって、更には僕も教える側だって聞いて驚いてたけどね。

「スルーガン、昨日の宿題出来た?」
「ラファール先生!」

 因みに、無理に先生と呼ばせてる訳ではない。と言うか、呼び捨てで良いよと言った所、教えて貰うので、先生と呼びたいです!と言ったのは彼の方だ。なので、講義中だけにしてと言っておいた。子供相手に先生は目立つし、悪い人が寄って来ないとも限らないでしょ?と説明した。
 まぁ、寄って来た所で、普通に撃退出来るけど、不要な争いは避けたいからね。雑魚ザコの相手なんてつまんないし。

「これですが、自信がありません……」
「間違ってても良いよ。その為に僕がいるんだし。どう?古代語楽しい?」
「はいっ!ラファール先生やラルファンス先生の教えはとても面白く、疑問も答えて貰えたり、考えるヒントを教えて貰えるから楽しいです。前の先生は、その……質問しても、自分で考えろとか、疑問も全て納得のいく答えではなかったので……」
「そりゃそうなるよ。僕もあのポンコツ学者のテキスト見た事あるけど、8~9割ぐらい間違ってたもん」
「……えっ?」
「あれを世に出せる自信がどこにあるのか知りたいぐらいだね。最近知り合った腕の良い錬金術師の方が、余程古代語に精通してたよ」
「8~9割が間違い……」

 あ、スルーガンがレノ兄に指摘した時と同じような顔してる。

「古代遺跡や遺物には、古代語で作動する場所や物があるから、遺跡の中ではべらべらと喋らない方が安全だよ。古代語も多種あるから、スルーガンに教えるのは人間が日常的に使ってた基本の言葉だけど、それをマスターしたら、他のも教えてあげる。勿論、スルーガンが興味あればの話だけど」
「あっ、有ります!ぜひとも教えて下さい!」
「じゃあ、先ずは基本をマスターしてね。その後は、龍人のキスト兄と古代語のお喋りしてもらうから。会話が出来なきゃ意味無いからね」
「えっ、龍人?!」
「特部の兄さんの一人だよ。大丈夫。普段は現代ファレルルヴェネを喋ってくれてるけど、頼んだら快く協力してくれるよ♪」

 キスト兄は元々人間に友好的な龍人だし、何代か前の赤の血族とも知り合いだったらしいんだよね。ラファス兄が初対面で古代語で話し掛けられたって言ってたし。

「長寿種族はどの言語も完璧に、暇潰しに覚えたりするらしいから、普通の人間と話すよりかは良いよ。人間だと合ってるか解らない場合は訂正出来ないけど、完璧に覚えてる長寿種族なら指摘も可能だからね」

 勿論、僕達赤の血族は完璧に覚えてるけど、一応古馴染みや特部以外の人には精霊人だと言ってないからね。スーヴェンさんには教えたけど。
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