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~デ・フォン領域~
誕生日
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思いの外、デ・マームに長居してるなぁ。
今は14月の月末。10月の末にライトフォーマーを出て、デ・マームに着くまでが、大体1ウィテル半(※1ヶ月半。この世界では大体90日前後)。デ・マームには2ウィテル半程いる事になる。
デ・マーム内は、物流も盛んだし、見る場所も沢山ある。一般人が長期滞在しても飽きるような場所ではない。あの兄さんですら、早く旅に出ようと言い出さないぐらいだからね。
ジオーヌの詰め込み学習も細かな調整のみといった感じだ。
ジオーヌにあげる簡易鎧も出来上がったし、動きに問題ないか試してもらおうっと♪後、リウリクに腕輪型の通信機を渡しておこう。
因みに、渡すのは腕輪型だけど、僕が使用するのは箱型通話機。箱型を渡してもいいんだけど、緊急時とかはこっちの方が使い易いからね。特部の兄さん達に渡してるのは箱型の方だよ。一応、潜入とかの場合は腕輪型の方が使い易いから、レノ兄の箱型と繋がる腕輪型も5個程渡してる。必要なら数を増やす事が出来るし、腕輪じゃなくても作れるからね。とはいえ、一番作り易いのはお揃いの腕輪だけど。指輪とか耳飾りだと、魔石が小さくなっちゃうから性能が落ちるし、首飾りだとラファス兄の血で出来た血の結晶、血石があるからね。勿論、あったら駄目って事はないけど、気持ちの問題だから。
「おはようラル、誕生日おめでとう」
「おはよう、ありがとう~♪」
アーヤがに祝いの言葉をくれた。そして、朝食時にはセスも。
「ラル、お前今日誕生日だったよな。おめでとう」
「おう、ありがとう~♪」
「えぇえ~?!ラファール今日、誕生日なの?!おっおめでとう!何か、贈った方が良いかな?!」
「うん、いらないから。祝いの言葉だけ貰っとく」
「えぇえ、何で?!」
この兄さんから贈られる物ってとことん使えない気がするし。そもそも、僕、欲しい物なら手に入るから。後、ファジスタと違って物を贈り合う風習はない。
「誕生日に贈り物をするって、ファジスタと極一部の地方だけだよ。僕の村もここも、そういった風習はないから。どっちかって言うと、思い立った時に贈る、が基本かな?後、新年は親しい家族や仲間といった人達と乾杯するとか?」
「思い立った時?」
「例えば、道中綺麗な花が咲いてて、アーヤに見せたいと思ったら持って帰ってアーヤに渡すとか、アーヤに似合うなぁって思った時に、物を贈るんだよ。東の場合、村や街の外に出る時って、帰って来るって保証はないから、後悔しないように直ぐ贈るって考えなんだよ。まぁ、僕はそんじょそこらで殺られる程度の腕はしてないし、極度な心配されても困るけど」
「でも、それだと一方的になるんじゃ?」
「なっても良いんだよ。見返り求めてる訳じゃないから。まぁ、あんまり贈り過ぎても相手の迷惑になるから程々にってのはあるけどね」
誕生を祝うのは、言葉だけで充分だ。その言葉が何よりの宝。
ただ、この兄さんの祝いの言葉よりも、ラファス兄の祝いの言葉の方が何倍も嬉しいけどね。
朝食を食べ終わると、丁度良いタイミングで聖騎士団の団員が迎えに来てくれた。って、あれ、姿変えの魔法が掛かってるけどアル兄だ。
「じゃあ僕、お迎え来たし行って来る」
席を立ち、荷物を持ってアル兄の元へ。
「おはようアル兄。お迎えありがとう~」
「おはようございますラル。それと、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう~♪もしかして、その為だけに来てくれた?」
「ええ。私が聖騎士団の団員内で一番に言いたかったので、今日を勝ち取りました」
「勝ち取りって、勝負でもしたの?」
「ええ、まぁ。この日に入れたければ私に勝って下さいと言いました」
「うん、まぁ、勝てる奴いないよね。ラファス兄以外は」
順番なんてどうでもいいんだけどなぁ、祝いの言葉を貰えるなら。
「ラファスからは貰いましたか?祝いの言葉」
「ううん、まだだよ。ラファス兄はいつも、僕が生まれた時間に言葉をくれるから」
「……それも良いですね」
「うん。ラファス兄が祝いの言葉をくれると、この時間に僕が生まれたんだなぁ~って、いつもしみじみしてるよ」
そう言いながら本部に着くと、受付の団員達や、ばったり遭遇した団員達にも祝いの言葉を沢山貰う。勿論、特部の兄さん達からも。
「今年は沢山の祝いの言葉を貰ったなぁ」
「デ・マームで誕生日を過ごしたのは初めてですよね」
にこにことアル兄がご機嫌で言う。
「この時期はいつも家にいたからねぇ。冬は雪に閉じ込められるんだよ。村の中はある程度積もっても大丈夫だけど、隣村との道が雪で分断されるから、出て来るとなると大変なんだ」
出て来れない訳じゃないけど、往き来出来るのは赤の血族だけだし、雪獣と呼ばれる魔物も活発化するし、村の中でも他の村人達は家に籠るのが日常化する。精霊達がいるから、家が雪で潰される事も、扉が凍り付いて出られなくなる事もないけど、いくら祝福を持ってても、無茶をすれば凍死する事だってあるからね。
今は14月の月末。10月の末にライトフォーマーを出て、デ・マームに着くまでが、大体1ウィテル半(※1ヶ月半。この世界では大体90日前後)。デ・マームには2ウィテル半程いる事になる。
デ・マーム内は、物流も盛んだし、見る場所も沢山ある。一般人が長期滞在しても飽きるような場所ではない。あの兄さんですら、早く旅に出ようと言い出さないぐらいだからね。
ジオーヌの詰め込み学習も細かな調整のみといった感じだ。
ジオーヌにあげる簡易鎧も出来上がったし、動きに問題ないか試してもらおうっと♪後、リウリクに腕輪型の通信機を渡しておこう。
因みに、渡すのは腕輪型だけど、僕が使用するのは箱型通話機。箱型を渡してもいいんだけど、緊急時とかはこっちの方が使い易いからね。特部の兄さん達に渡してるのは箱型の方だよ。一応、潜入とかの場合は腕輪型の方が使い易いから、レノ兄の箱型と繋がる腕輪型も5個程渡してる。必要なら数を増やす事が出来るし、腕輪じゃなくても作れるからね。とはいえ、一番作り易いのはお揃いの腕輪だけど。指輪とか耳飾りだと、魔石が小さくなっちゃうから性能が落ちるし、首飾りだとラファス兄の血で出来た血の結晶、血石があるからね。勿論、あったら駄目って事はないけど、気持ちの問題だから。
「おはようラル、誕生日おめでとう」
「おはよう、ありがとう~♪」
アーヤがに祝いの言葉をくれた。そして、朝食時にはセスも。
「ラル、お前今日誕生日だったよな。おめでとう」
「おう、ありがとう~♪」
「えぇえ~?!ラファール今日、誕生日なの?!おっおめでとう!何か、贈った方が良いかな?!」
「うん、いらないから。祝いの言葉だけ貰っとく」
「えぇえ、何で?!」
この兄さんから贈られる物ってとことん使えない気がするし。そもそも、僕、欲しい物なら手に入るから。後、ファジスタと違って物を贈り合う風習はない。
「誕生日に贈り物をするって、ファジスタと極一部の地方だけだよ。僕の村もここも、そういった風習はないから。どっちかって言うと、思い立った時に贈る、が基本かな?後、新年は親しい家族や仲間といった人達と乾杯するとか?」
「思い立った時?」
「例えば、道中綺麗な花が咲いてて、アーヤに見せたいと思ったら持って帰ってアーヤに渡すとか、アーヤに似合うなぁって思った時に、物を贈るんだよ。東の場合、村や街の外に出る時って、帰って来るって保証はないから、後悔しないように直ぐ贈るって考えなんだよ。まぁ、僕はそんじょそこらで殺られる程度の腕はしてないし、極度な心配されても困るけど」
「でも、それだと一方的になるんじゃ?」
「なっても良いんだよ。見返り求めてる訳じゃないから。まぁ、あんまり贈り過ぎても相手の迷惑になるから程々にってのはあるけどね」
誕生を祝うのは、言葉だけで充分だ。その言葉が何よりの宝。
ただ、この兄さんの祝いの言葉よりも、ラファス兄の祝いの言葉の方が何倍も嬉しいけどね。
朝食を食べ終わると、丁度良いタイミングで聖騎士団の団員が迎えに来てくれた。って、あれ、姿変えの魔法が掛かってるけどアル兄だ。
「じゃあ僕、お迎え来たし行って来る」
席を立ち、荷物を持ってアル兄の元へ。
「おはようアル兄。お迎えありがとう~」
「おはようございますラル。それと、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう~♪もしかして、その為だけに来てくれた?」
「ええ。私が聖騎士団の団員内で一番に言いたかったので、今日を勝ち取りました」
「勝ち取りって、勝負でもしたの?」
「ええ、まぁ。この日に入れたければ私に勝って下さいと言いました」
「うん、まぁ、勝てる奴いないよね。ラファス兄以外は」
順番なんてどうでもいいんだけどなぁ、祝いの言葉を貰えるなら。
「ラファスからは貰いましたか?祝いの言葉」
「ううん、まだだよ。ラファス兄はいつも、僕が生まれた時間に言葉をくれるから」
「……それも良いですね」
「うん。ラファス兄が祝いの言葉をくれると、この時間に僕が生まれたんだなぁ~って、いつもしみじみしてるよ」
そう言いながら本部に着くと、受付の団員達や、ばったり遭遇した団員達にも祝いの言葉を沢山貰う。勿論、特部の兄さん達からも。
「今年は沢山の祝いの言葉を貰ったなぁ」
「デ・マームで誕生日を過ごしたのは初めてですよね」
にこにことアル兄がご機嫌で言う。
「この時期はいつも家にいたからねぇ。冬は雪に閉じ込められるんだよ。村の中はある程度積もっても大丈夫だけど、隣村との道が雪で分断されるから、出て来るとなると大変なんだ」
出て来れない訳じゃないけど、往き来出来るのは赤の血族だけだし、雪獣と呼ばれる魔物も活発化するし、村の中でも他の村人達は家に籠るのが日常化する。精霊達がいるから、家が雪で潰される事も、扉が凍り付いて出られなくなる事もないけど、いくら祝福を持ってても、無茶をすれば凍死する事だってあるからね。
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