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~王都への道中と王都エルム~
未来ある陛下の騎士とその対処
ウルファナル陛下の執務室で陛下が愚痴を話したり、僕が旅の話をしたりしていたら、いつの間にか昼を回っていたので、陛下が共に昼食をと誘ってくれた♪
王城の料理も美味しいけど、陛下は大衆が集う宿屋の食堂や酒場の方が好きみたい。王城だと静か過ぎて嫌なんだそうだ。今回は僕を誘えたからか、ご機嫌っぽいけどね。
陛下と食事しながら話がチェリクから王都に来る道中になり、僕が書いた一筆を陛下に渡しておく。
「四人共、腕上げたから試験なり何なりして確認すると良いよ。後はより多くの経験を積ませると馴染むと思うから」
「ラファールが指導したのか、有り難い。騎士の腕の底上げが出来れば、こちらの魔物討伐が楽になる」
「まぁ、僕も仕事として報酬も貰ったから。それにあの四人は僕の言う事でもちゃんと聞いてくれたしね」
中には子供に教わるなんてと反発する人もいるけど、あの四人は真剣に僕の指導を受けてくれたからね。ああいう類いは僕も遠慮なく教えられるから腕の上達が早いんだよね~♪
「あの四人は個別で教えても食らい付いてくるから、腕の良い人が付けば素直に取り組んで吸収しまくるし、教えがいもある。ただし、教え方が悪いのだったり腕の悪いのが付くと変な癖が付いたり上達が遅くなるから気をつけて。ゼルツ兄を教えたの、腕もだけど頭も悪い。ウィルヴァルおじさん、ゼルツ兄の癖気付いてたよね?」
僕が食事を続けながら横に立つウィルヴァルおじさんをチラ見する。
何せウィルヴァルおじさん、二日目の時、ゼルツ兄の動きを見て安堵の表情浮かべてたし。
「ああ、俺ぁ今回の馬車護衛任務であいつ等と初めて組んだんだが、違う隊の奴等だからどうしたもんかと思ってたんだよ。んでそんな時にラファールが馬車に乗るっつったから、これはラッキー♪って思ってな」
「そんなに酷い癖だったんですか?」
話を聞いていたサウザレンさんが聞いてくる。
「酷いっつうか何つうか……」
ウィルヴァルおじさんが僕を見る。
「隊を組んでの討伐なら問題はないよ。だけど、数が逆転したら必ず真っ先に狙われる。あれが元々の癖でも放置する事自体が間違ってるから。問題視して当然。放置なんて生存率下げるだけで使い捨てもいいとこだよ」
ウィルヴァルおじさんに代わって僕が言う。
ただでさえ、強い魔物が多く生息するこの大陸の騎士は、命の危機に晒される事が多く、死亡率も高い。だからこそ王家は、騎士を一人でも多く失わない為に、赤の血族との交流を欠かさず繋がりを保っているというのに、肝心の騎士である上官が、部下である騎士の命を軽んじるなんて、何考えてんだって話だよね。
「隊を組むっつうのは前提でも良いが、バラけた場合の想定も必要だっての。生き残ってこその命だ。一人でも死なせない為の訓練がなきゃ、元も子もないっての」
王家の意志を理解しているウィルヴァルおじさんが溜め息混じりに告げる。
「一応僕が対処の仕方を教えたけど、あれを無駄にさせないでね?ってか、ウィルヴァルおじさんがあの四人引き取りなよ。他の人だと無駄にする可能性もあるからさ」
「あー……そうしたいのは山々だがな~……」
ウィルヴァルおじさんと僕は陛下を見る。
「分かった。私から任命しておく。私も大事な騎士を潰されたくないからな。それとその騎士の上官も降格だな。サウザ、至急書類の準備を。ウィルヴァル、その隊の騎士全員、何とか出来ないか?お前が全員見ろとは言わぬ、一人でも死なずに済むよう教えられる者を付けろ。お前の隊の者なら何人かはいるのだろう?」
陛下の言葉に、サウザレンさんは部屋を退室し、ウィルヴァルおじさんは不敵な笑顔でニタニタ笑う。
「へいへい、承りますよ。俺も貴重な騎士を、無駄死になんざさせたくないですからねぇ」
これは絶対狙ってたな。でも、あれ程の人材をきちんと使わず使い捨てって。勿体無い事仕出かす馬鹿な上官から彼等を救えたので、ここは良しとしよう。
「もし、その馬鹿な上官が抗議してきたら、リ・ガングァを一人で倒してから文句言いに来いって四人を教えた魔物キラーが言ってたって言っといて。勿論リ・ガングァを一人で倒せる腕がある事を知らせた上でね」
普通はどう足掻いても出来ないからね。これ出来るの僕より上を行く人、ラファス兄か聖騎士団でも特殊部隊の兄さん達ぐらいだと思う。まぁ実際はもっと多いだろうけど、僕はこの人達以外とはまだ出会ってないからね。
「未来ある私の騎士を潰そうとする輩は要らん。そんな輩は早々に退出を願おう」
ウルファナル陛下が壮絶な笑みを浮かべる。
あれ、内心めっちゃ怒ってるよ。ウルファナル陛下のこんな顔、久々に見たね。まぁ今回の上官は自業自得だけど。
ウルファナル陛下との食事が終わった後、ウルファナル陛下と別れて僕はウィルヴァルおじさんと共に騎士訓練場へと向かった。
因みにウィルヴァルおじさんの昼食は、この後僕をウィルヴァルおじさんの部下に一時的預けてその間に取るってさ。
王城の料理も美味しいけど、陛下は大衆が集う宿屋の食堂や酒場の方が好きみたい。王城だと静か過ぎて嫌なんだそうだ。今回は僕を誘えたからか、ご機嫌っぽいけどね。
陛下と食事しながら話がチェリクから王都に来る道中になり、僕が書いた一筆を陛下に渡しておく。
「四人共、腕上げたから試験なり何なりして確認すると良いよ。後はより多くの経験を積ませると馴染むと思うから」
「ラファールが指導したのか、有り難い。騎士の腕の底上げが出来れば、こちらの魔物討伐が楽になる」
「まぁ、僕も仕事として報酬も貰ったから。それにあの四人は僕の言う事でもちゃんと聞いてくれたしね」
中には子供に教わるなんてと反発する人もいるけど、あの四人は真剣に僕の指導を受けてくれたからね。ああいう類いは僕も遠慮なく教えられるから腕の上達が早いんだよね~♪
「あの四人は個別で教えても食らい付いてくるから、腕の良い人が付けば素直に取り組んで吸収しまくるし、教えがいもある。ただし、教え方が悪いのだったり腕の悪いのが付くと変な癖が付いたり上達が遅くなるから気をつけて。ゼルツ兄を教えたの、腕もだけど頭も悪い。ウィルヴァルおじさん、ゼルツ兄の癖気付いてたよね?」
僕が食事を続けながら横に立つウィルヴァルおじさんをチラ見する。
何せウィルヴァルおじさん、二日目の時、ゼルツ兄の動きを見て安堵の表情浮かべてたし。
「ああ、俺ぁ今回の馬車護衛任務であいつ等と初めて組んだんだが、違う隊の奴等だからどうしたもんかと思ってたんだよ。んでそんな時にラファールが馬車に乗るっつったから、これはラッキー♪って思ってな」
「そんなに酷い癖だったんですか?」
話を聞いていたサウザレンさんが聞いてくる。
「酷いっつうか何つうか……」
ウィルヴァルおじさんが僕を見る。
「隊を組んでの討伐なら問題はないよ。だけど、数が逆転したら必ず真っ先に狙われる。あれが元々の癖でも放置する事自体が間違ってるから。問題視して当然。放置なんて生存率下げるだけで使い捨てもいいとこだよ」
ウィルヴァルおじさんに代わって僕が言う。
ただでさえ、強い魔物が多く生息するこの大陸の騎士は、命の危機に晒される事が多く、死亡率も高い。だからこそ王家は、騎士を一人でも多く失わない為に、赤の血族との交流を欠かさず繋がりを保っているというのに、肝心の騎士である上官が、部下である騎士の命を軽んじるなんて、何考えてんだって話だよね。
「隊を組むっつうのは前提でも良いが、バラけた場合の想定も必要だっての。生き残ってこその命だ。一人でも死なせない為の訓練がなきゃ、元も子もないっての」
王家の意志を理解しているウィルヴァルおじさんが溜め息混じりに告げる。
「一応僕が対処の仕方を教えたけど、あれを無駄にさせないでね?ってか、ウィルヴァルおじさんがあの四人引き取りなよ。他の人だと無駄にする可能性もあるからさ」
「あー……そうしたいのは山々だがな~……」
ウィルヴァルおじさんと僕は陛下を見る。
「分かった。私から任命しておく。私も大事な騎士を潰されたくないからな。それとその騎士の上官も降格だな。サウザ、至急書類の準備を。ウィルヴァル、その隊の騎士全員、何とか出来ないか?お前が全員見ろとは言わぬ、一人でも死なずに済むよう教えられる者を付けろ。お前の隊の者なら何人かはいるのだろう?」
陛下の言葉に、サウザレンさんは部屋を退室し、ウィルヴァルおじさんは不敵な笑顔でニタニタ笑う。
「へいへい、承りますよ。俺も貴重な騎士を、無駄死になんざさせたくないですからねぇ」
これは絶対狙ってたな。でも、あれ程の人材をきちんと使わず使い捨てって。勿体無い事仕出かす馬鹿な上官から彼等を救えたので、ここは良しとしよう。
「もし、その馬鹿な上官が抗議してきたら、リ・ガングァを一人で倒してから文句言いに来いって四人を教えた魔物キラーが言ってたって言っといて。勿論リ・ガングァを一人で倒せる腕がある事を知らせた上でね」
普通はどう足掻いても出来ないからね。これ出来るの僕より上を行く人、ラファス兄か聖騎士団でも特殊部隊の兄さん達ぐらいだと思う。まぁ実際はもっと多いだろうけど、僕はこの人達以外とはまだ出会ってないからね。
「未来ある私の騎士を潰そうとする輩は要らん。そんな輩は早々に退出を願おう」
ウルファナル陛下が壮絶な笑みを浮かべる。
あれ、内心めっちゃ怒ってるよ。ウルファナル陛下のこんな顔、久々に見たね。まぁ今回の上官は自業自得だけど。
ウルファナル陛下との食事が終わった後、ウルファナル陛下と別れて僕はウィルヴァルおじさんと共に騎士訓練場へと向かった。
因みにウィルヴァルおじさんの昼食は、この後僕をウィルヴァルおじさんの部下に一時的預けてその間に取るってさ。
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