英雄王の末裔 ~青のラファール~

カザハナ

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~王都への道中と王都エルム~

訓練場と顔見知りの騎士達

 ウィルヴァルおじさんの部下との面識率は高い。
 何せ王都でウィルヴァルおじさんに遭遇する度誘われるからだ。
 ラファス兄もウィルヴァルおじさんを嫌ってないし、断ると、ウィルヴァルおじさんが食い下がってきて面倒っぽくなるから急ぎの用がない限りは付き合う事にしてる。僕達としても、一般人の目を気にせず身体を動かせる場所としては最適だしね。
 ラファス兄は騎士と関わるより陛下と話す時間を取るけど、僕は政治の話や経済とか全く興味ないから、陛下に顔を見せてからウィルヴァルおじさんの部下である騎士の人達と遊んでる事が多い。
 ただし、遊びと侮る事なかれ。僕にとっては遊びでも、騎士の人達にとってはハードな訓練だからね?
 単に僕を捕まえる遊びでも僕はひょいひょい避けて逃げるから、普段使わない筋肉使って筋肉痛になる人も多いそうだ。
 僕と遊んだ人は大概動きが良くなったって言われるから、僕と遊びたがる人が増えて、ウィルヴァルおじさんもご満悦。ハードだけど日々の訓練とは違うやり方で気晴らしにもなるから、ウィルヴァルおじさんの部下の騎士達には好評なんだよ。
 他の隊の人達は、ウィルヴァルおじさんの隊だけ何で個々の能力が上がるのかを不思議に思っているみたい。
 中には知ってる隊長もいるけど、遊びで上がるかと思う人やウィルヴァルおじさんに頼んで僕が来た時仲間入りする隊もある。気晴らしになるならと参加した人やその隊長は僕を捕まえるのに躍起になるし、捕まらないにも関わらず、思わぬ効果に吃驚するしで再戦参加を希望する。
 僕相手にどう攻略するかを互いの騎士達が話し合ったりするから交流や結束が強まるし、思わぬ副作用にウィルヴァルおじさん含む隊長格の人は笑いが止まらないらしい。
 ウィルヴァルおじさんは今日もそのつもりだし、僕も身体を動かせるしたまに想定外の動きをされて面白いから楽しめるしで互いに損はない。
 遊びが終了した時に僕がその時間の一番良い動きをした人を今日の優秀者~♪って教えるから、参加者はそれを目指して頑張るのさ♪
 隊長は参加者に一杯奢り、優秀者には食事も奢る事にしてるらしい。ウィルヴァルおじさん曰くこれでやる気も動きも上がるなら上出来だとの事。
 見てるだけじゃつまらないからって、隊長格の人達は隊長格の人達だけで僕と勝負をする。勿論僕も負けてやる気はないからちょっとだけ気合いを入れるけどね。



 そんな訳で、やって来ました訓練場!
 既に他の仲間入りする隊にも伝言してたのだろう。ウィルヴァルおじさんの隊だけではない多くの人数が広い訓練場に集まり訓練をおこなっていた。
 騎士の訓練場はとてつもなく広い。隊によって訓練場は別にあるが、共同演習や魔法の訓練も想定してる為、周りに被害を及ぼさないよう広い場所を確保してるのだ。
 といっても単純に土地を確保するのではなく、半永久継続的空間魔法と魔石や魔道具による空間拡張や強化等を施された特殊な場所だ。城の裏の外壁にある専用の扉を使って行く事が出来、それぞれの隊長が与えられた扉の鍵を持ち、訓練に励む。
 ウィルヴァルおじさんと僕が入って直ぐ、他の隊長格とウィルヴァルおじさんの副隊長が集まり他の騎士達も僕達に気付く。

「よく来たラファール、待ってたぞ!」
「今日も宜しく頼む」
「よくぞ来た!歓迎するぞ、ラファール!」
「宜しく~♪後で人数増えるかもだけど、早速僕と遊んで貰うよ~!あんまり人数多いと僕はともかくもそっちの身動きが鈍くなるから、いつも通り十人前後で1ゼティルムずつしようね♪参加者は決めてあるの?」

 この場を仕切ってるであろうウィルヴァルおじさんの副隊長、クウェドさんに聞いてみるとあっさり頷いた。

「時間を有効に使う為に、最初と次は決めてある。参加者が増えるかもというのは隊長から連絡が来ているから、それ以降はまだ決めていない。未定だとは聞いているが、何かあったのか?」
「誰だか知らないけど、陛下の騎士を蔑ろにする馬鹿な隊長がいたから陛下に報告したの。ウィルヴァルおじさんはその隊長の尻拭いでその隊の騎士達を預からなきゃならないんだ。陛下は物凄~く怒ってたから、1ゼティルムもしない内にウィルヴァルおじさんの呼び出しが来ると思う。因みにその中に四人僕がちょっとだけ指導した見処ある兄さん達がいるよ♪」

 それを聞いていた他の隊長も興味津々。ウィルヴァルおじさんに後で詳しく聞かせろと言って、取り敢えず最初に参加する騎士を呼びにいった。

「俺ぁ先ず飯食ってくらぁ。クウェド、暫く頼むぞ~。呼び出し掛かる前には戻るつもりだが、何かあったら呼びに来い」
「分かりました。俺も後で詳しく聞かせて貰いますからね」

 クウェドさんが溜め息一つ。ウィルヴァルおじさんに振り回されるのはいつもの事と諦めているようだ。

「さてと、そろそろ集まったようだし、僕はあっちで遊んで来るね♪」
「ああ、行って来い。頑張ってな」

 クウェドさんの言葉を背に、僕は参加者集う場所へと向かった。
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