英雄王の末裔 ~青のラファール~

カザハナ

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中央〈デ・トルト〉大陸   ~ルカタ近辺~

次なる旅の目的地

 やって来ました中央デ・トルト大陸~!ここは中央大陸の東の国セーラン国ルカタ領域の港町、リストワ。
 ジムじいちゃんとはここでお別れ。でも、また会おうねと僕はジムじいちゃんに腕輪型の通信機を渡した。箱型の方が性能良いけど、箱型は他の腕輪型や箱型ともリンクしてるから渡せないのだ。
 腕輪型は対の共鳴石を入れてる物、一つにしか通信出来ないけど、箱型は複数の共鳴石を入れてる為、通信したい共鳴石のボタンを押せば相手に伝わり、相手もボタンを押せばこっちと通話出来る。
 どっちも通話出来るけど、箱型を通話機、腕輪型を通信機と僕は呼び分けてるんだ。
 取り敢えず、中央大陸に来て真っ先にする事は、兄さんのヘグルス変換機器の購入。
 身体が軽い、疲れない、と喜んでるけど、それは普通の事だし、そうなった原因は明らかにやっちゃいけない事をした兄さんが原因だから、自業自得だって事忘れんな?そもそもヘグルス変換機器壊すなんて、前代未聞だからね?

「ねえねえラファール、次はどこに行くの?」

 兄さんが僕に問い掛けてきたけど、他の大陸に行きたいとか言う気か?この兄さん?

「暫くはこの大陸にいる気だけど?他の大陸行きたいなら一人でどうぞ?」
「ちょっ……何でそうなるのさ!」
「だって兄さん港の方見てるし……。兄さんは中央出身だけど、アーヤとセスは初めてなんだよ?この大陸廻るに決まってんじゃん。中央は世界中から色んな物や人が集まる場所で僕はともかく、旅の初心者がこの大陸すっ飛ばす方がどうかしてるよ」
「えっ、そんな大袈裟な……」

 やっぱ何も分かっちゃないなぁこの兄さん……。

「大袈裟じゃなく事実だからね。ってか、何で出身者の兄さんが知らないのかが不思議なんだけど?普通学校とかで学ばない?」
「そんなの学んだかなぁ?」
「まぁ学んでても、兄さんの場合は聞いてなかったとかが一番ありそうだけどね。だって、ヘグルス変換機器って購入する際は、一応注意事項を教えてくれる筈だし。さっきもちゃんと説明してくれてたけど、兄さんちゃんと聞いてた?」

 僕が兄さんに聞いてみると、案の定聞いてなかったようだ。

「えっと、もうラファールから聞いたし大丈夫だよ!」

 この兄さんの大丈夫って自信はどこから来るんだろう……。ってか僕、いつまでこれの面倒見なきゃならないんだ?ここに捨ててっちゃ駄目かなぁ?兄さんは僕等の保護者だと思ってる節があるけど、僕こんな保護者要らないからね。

「ラル……あー……取り敢えず頑張れ」

 セスがこそっと僕を応援する。やっぱ捨てちゃ駄目か……。僕としては捨てたいんだけどなぁ。そしてアーヤも多分、同じ事思ってるけどね。
 仕方ない。もう暫くこの兄さんと旅するか。ああ、そうだ。

「アーヤ、セス、中央大陸で行きたい場所ってある?一応これから北の、国に属さないデ・フォン領域の中央にある、デ・マームって街を目指すつもりだけど、暫くは中央大陸にいるから、行きたい所や見たい場所、色々言ってくれて構わないよ」
「デ・マームは、聖騎士団の本部がある所だよね。ラファールは聖騎士団に興味があるの?」

 興味というより僕の兄であるラファス兄の所属先が本部の特殊部隊なんだけど、ラファス兄の同僚の人達とも僕、仲が良いから中央大陸来たらデ・フォンのデ・マームに来いと言われるんだよね。

「興味というより知り合いがいる。中央大陸に来たら必ず寄るよう言われてるんだよね」
「えっ、本部の聖騎士団に知り合い?!あそこって、入団するのかなり難しいって聞くよ?!」
「みたいだね」

 ラファス兄は問答無用で入れられたから、脱退したがってるけどね。
 元々僕達“赤”は、組織や国家、権力や地位なんて物にはちっとも興味が湧かないからなぁ。

「凄いじゃん!あそこに入れる知り合いがいるなんて、自慢になるよ!」
「自身が入った訳じゃないのに?」
「知り合いがいるってだけで充分凄いよ!良いなぁ~!聖騎士団!あそこは誰もが憧れ、一度は夢見る場所だよ!」

 何にでも例外ってのがあるからね?僕はラファス兄の同僚の人達は好きだけど、個人的に好きなのであって聖騎士団員だからって訳じゃないよ。あと、その人達の地位とかもどうでもいいし。ってか、聖騎士団員でも質の悪いのいるからね?権力大好きなじっちゃん連中とか、特部と仲が良い僕にいちゃもん付ける馬鹿とか。

「まぁ、夢見るだけなら自由だしね」
「ちょっとラファール、何で君はそんなに冷淡なの?充分自慢出来る事なのに!」
「自身なら良いけど、他の人の威を借りてもなぁ。しかも肩書き。虚しくない?」
「でも知り合いなんでしょ?自慢するのが普通じゃない?」
「知り合い本人を自慢するのは良いけど、聖騎士団員だからはおかしいよね?」

 特部の兄さん達は元々肩書きが王族やら領主やらが多いけど、実力優先主義だし、特部の中では権力行使するなんて人いないよ。そんな事してたらラファス兄が真っ先に根性叩き直してそうだなぁ。
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