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~デ・フォン領域~
エルフは戦闘特化とは限らない。
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スーヴェンさんは擬人化の魔法掛けてる為か、エルフの特徴である超絶美貌が、一般人よりかは多少顔が整ってるかな?程度に見える。
ただ、僕達精霊人から見たら、スーヴェンさんの周りが時々霞んでて、本来の姿がうっすら映って見えるんだ。これは僕達の中に流れる精霊の“視る力”が表立って出ただけの事。精霊は視る事に特化した種族だから、当然といえば当然だね。
エルフといえば、弓を持ち、戦闘に特化してると思う人が多いみたいだけど、この世界のエルフは二通り。戦闘派と頭脳派。前者は攻撃に強いエルフだけど、後者は知識を集める学者みたいなタイプで、戦闘には向かない。但し、防御に関してはとことん強い。
スーヴェンさんは後者のタイプでエルフの森から出てきた変わり者。前者だと冒険者になるエルフもたまにいるみたいだけど、後者で擬人化魔法を使ってまで各地を転々としてるってエルフはほぼいないそうだ。
寿命が長い種族は基本、同族の中で生涯を終える。
寿命が長い代表的な種族は、エルフ、ドワーフ、龍人やドラゴン種。
精霊は意志のある魔力の塊みたいな生態だから、寿命という概念はない。消滅しない限り、生きてられるからね。その為、精霊は別枠扱いになる。
因みに精霊人は人間との混血だから、寿命が人間より長いけど、普通に生きてる状態で千年越えはない為、寿命が長い部類に属さない。
人間は短命の種族で、魔力の強い人でも二百年生きれるかどうかかな?一般人の長寿者で百年ぐらいだね。魔力を持たない人間もいるけど、魔力を持たないから極端に寿命が短いという事はなく、一般人と変わらないぐらいだから、要はどう生きるかって事。冒険者や騎士とかはどうしても危険が伴うから、長生きしたい人は生まれ育った土地から出なければ、まぁ、事故や病と言った突発的な物さえなければだけど、長生き出来るしね。例えば僕ん所の村なんかは、おじいちゃんおばあちゃんと呼ばれる人で、百才近い人もごろごろいるから。ゼノンおばあちゃんもその内の一人だから。
「そういえば、ウボール=コーリン殿はまた何かやらかしたそうですね」
「ああ、うん。僕に指名手配掛けてくれた」
「あの人は……」
スーヴェンさんが飽きれ顔だ。さすがに指名手配はなかったものの、ラファス兄を門前払いしたり、ポンコツな古代語学者に教わったらしい祝福と言う名の呪いをキスト兄に掛けたり……勿論気付いた僕がキスト兄に祝福の歌による解呪をしたけどね、ポンコツ学者とウル兄の二回分を。
本当、数え上げたら切りがないってぐらい色々やらかしてくれたからね、ウル兄は。
「一応今現在、アル兄の監視付きだし、僕は当分顔を見たくない。スーヴェンさんもウル兄には気を付けてね。接点は殆どないと思うけど、関わると碌な事がないから」
バレる事はないと思うけど、万一ウル兄にスーヴェンさんがエルフだって知れたら、確実に絡んでくると思う。団員と手合わせしろとか、攻撃魔法見せろとか。ウル兄辺りだと、エルフ=戦闘特化だと思い込んでそうだしね。
スーヴェンさんと楽しく小声で雑談しながら、司書の仕事のお手伝いもする。
「スーヴェンさんは東に行ったことある?」
「いえ、まだないですね。東と北はまだ足を踏み入れていませんが、南西なら行った事がありますよ」
ヘグルスが7の南西に行った事があるなら、東にそのまま向かっても問題ない。中央から出た事がなかった場合は他の大陸を経由しなくちゃなとは思ってたけど、最低でも東なら5以上で対応出来るから、ヘグルス変換機器が故障する事はない。
5年後だからまだ気にしなくてもいいんだけど、お馬鹿が連れにいるからね。後々分かるより、前以て知ってる方が良いかなって。
まぁ、スーヴェンさんがあの兄さんと同等な訳ないけどね。あれと比べるなんて失礼過ぎるから。っていうか、あの兄さんはエルフにとっても規格外のお馬鹿だと思うよ。
「あっ、もうこんな時間か。そろそろ僕、特部ん所に戻るね。暫くは毎日来てるから、ちょくちょく顔を出すよ♪」
「はい。待ってますねラル」
図書棟を後にして特部の小会議室兼休憩室へと戻ると、アル兄は不在。ウル兄の所に行ったらしい。ウル兄御愁傷様~♪
「宿屋に帰る前に誰か手合わせしてくれると嬉しいんだけど……」
「ああ、ボクとウィオラルが相手になるよ。レノンはまだ仕事が残ってるし、隊長もお疲れみたいだから。ラルは先ずどっちと手合わせしたい?」
おぉ~!トゥー兄とウィル兄の手合わせ久しぶり~♪♪♪
一応特部の皆と手合わせした事はあるけど、いままではラファス兄がいたから相手に困らなかったんだよね~。
「じゃあトゥー兄からよろしく~!ウィル兄は召喚獣との複数戦だから、ある程度身体を解した後の方が闘い易いんだよね♪」
自分より強い人達との手合わせは、教えられる事が多くてとっても楽しかった♪
それと、本日の宿屋近辺までの帰り道は、トゥー兄が送ってくれた。あと帰りの道中、トゥー兄の奢りで買い食いに付き合わされた。
いや、いいんだけどね?ただ、トゥー兄は物凄い大食らいだから、それに付き合うと胃もたれを起こす。確実に。
なので、適度に断り適度に貰う。
……それ程遠くない場所にある宿屋に着く前に、トゥー兄と別れたんだけど、もうお腹いっぱい状態になったよ。
ただ、僕達精霊人から見たら、スーヴェンさんの周りが時々霞んでて、本来の姿がうっすら映って見えるんだ。これは僕達の中に流れる精霊の“視る力”が表立って出ただけの事。精霊は視る事に特化した種族だから、当然といえば当然だね。
エルフといえば、弓を持ち、戦闘に特化してると思う人が多いみたいだけど、この世界のエルフは二通り。戦闘派と頭脳派。前者は攻撃に強いエルフだけど、後者は知識を集める学者みたいなタイプで、戦闘には向かない。但し、防御に関してはとことん強い。
スーヴェンさんは後者のタイプでエルフの森から出てきた変わり者。前者だと冒険者になるエルフもたまにいるみたいだけど、後者で擬人化魔法を使ってまで各地を転々としてるってエルフはほぼいないそうだ。
寿命が長い種族は基本、同族の中で生涯を終える。
寿命が長い代表的な種族は、エルフ、ドワーフ、龍人やドラゴン種。
精霊は意志のある魔力の塊みたいな生態だから、寿命という概念はない。消滅しない限り、生きてられるからね。その為、精霊は別枠扱いになる。
因みに精霊人は人間との混血だから、寿命が人間より長いけど、普通に生きてる状態で千年越えはない為、寿命が長い部類に属さない。
人間は短命の種族で、魔力の強い人でも二百年生きれるかどうかかな?一般人の長寿者で百年ぐらいだね。魔力を持たない人間もいるけど、魔力を持たないから極端に寿命が短いという事はなく、一般人と変わらないぐらいだから、要はどう生きるかって事。冒険者や騎士とかはどうしても危険が伴うから、長生きしたい人は生まれ育った土地から出なければ、まぁ、事故や病と言った突発的な物さえなければだけど、長生き出来るしね。例えば僕ん所の村なんかは、おじいちゃんおばあちゃんと呼ばれる人で、百才近い人もごろごろいるから。ゼノンおばあちゃんもその内の一人だから。
「そういえば、ウボール=コーリン殿はまた何かやらかしたそうですね」
「ああ、うん。僕に指名手配掛けてくれた」
「あの人は……」
スーヴェンさんが飽きれ顔だ。さすがに指名手配はなかったものの、ラファス兄を門前払いしたり、ポンコツな古代語学者に教わったらしい祝福と言う名の呪いをキスト兄に掛けたり……勿論気付いた僕がキスト兄に祝福の歌による解呪をしたけどね、ポンコツ学者とウル兄の二回分を。
本当、数え上げたら切りがないってぐらい色々やらかしてくれたからね、ウル兄は。
「一応今現在、アル兄の監視付きだし、僕は当分顔を見たくない。スーヴェンさんもウル兄には気を付けてね。接点は殆どないと思うけど、関わると碌な事がないから」
バレる事はないと思うけど、万一ウル兄にスーヴェンさんがエルフだって知れたら、確実に絡んでくると思う。団員と手合わせしろとか、攻撃魔法見せろとか。ウル兄辺りだと、エルフ=戦闘特化だと思い込んでそうだしね。
スーヴェンさんと楽しく小声で雑談しながら、司書の仕事のお手伝いもする。
「スーヴェンさんは東に行ったことある?」
「いえ、まだないですね。東と北はまだ足を踏み入れていませんが、南西なら行った事がありますよ」
ヘグルスが7の南西に行った事があるなら、東にそのまま向かっても問題ない。中央から出た事がなかった場合は他の大陸を経由しなくちゃなとは思ってたけど、最低でも東なら5以上で対応出来るから、ヘグルス変換機器が故障する事はない。
5年後だからまだ気にしなくてもいいんだけど、お馬鹿が連れにいるからね。後々分かるより、前以て知ってる方が良いかなって。
まぁ、スーヴェンさんがあの兄さんと同等な訳ないけどね。あれと比べるなんて失礼過ぎるから。っていうか、あの兄さんはエルフにとっても規格外のお馬鹿だと思うよ。
「あっ、もうこんな時間か。そろそろ僕、特部ん所に戻るね。暫くは毎日来てるから、ちょくちょく顔を出すよ♪」
「はい。待ってますねラル」
図書棟を後にして特部の小会議室兼休憩室へと戻ると、アル兄は不在。ウル兄の所に行ったらしい。ウル兄御愁傷様~♪
「宿屋に帰る前に誰か手合わせしてくれると嬉しいんだけど……」
「ああ、ボクとウィオラルが相手になるよ。レノンはまだ仕事が残ってるし、隊長もお疲れみたいだから。ラルは先ずどっちと手合わせしたい?」
おぉ~!トゥー兄とウィル兄の手合わせ久しぶり~♪♪♪
一応特部の皆と手合わせした事はあるけど、いままではラファス兄がいたから相手に困らなかったんだよね~。
「じゃあトゥー兄からよろしく~!ウィル兄は召喚獣との複数戦だから、ある程度身体を解した後の方が闘い易いんだよね♪」
自分より強い人達との手合わせは、教えられる事が多くてとっても楽しかった♪
それと、本日の宿屋近辺までの帰り道は、トゥー兄が送ってくれた。あと帰りの道中、トゥー兄の奢りで買い食いに付き合わされた。
いや、いいんだけどね?ただ、トゥー兄は物凄い大食らいだから、それに付き合うと胃もたれを起こす。確実に。
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