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聖騎士団特殊部隊隊長レヴァーノとの再会 (中編)
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ここ暫く、ラファスと行動を共にしていた為、少しはラファスの扱いを分かりつつあるアーヴェルが、薬名を言えば答えてくれるのではと思い、ラファスに聞いてみる事にした。
「じゃあ、魔力回復薬は?」
「無理だ」
即答で返すラファス。
「無理ですか」
「無茶を言うな、アーヴェル=デフォルト。あれと姿変えとを一緒にするな」
「魔力回復薬を作るには、材料が二種足りん」
ラファスの補足に驚くレヴァーノ。
「……ちょっと待て。……材料が揃えば作れるのか?」
「そこそこの腕さえあれば誰だって作れるだろうが」
「誰もが作れるなら入手に困らん!」
「単に知らんだけだろ」
材料も見付かり難いのが多いしなとぼやくラファス。
「そう言うのなら、作り方を事細かに書き記せ」
「断る」
「理由を聞かせろ」
「面倒臭い」
そんな理由かよ!?と誰もが突っ込みたくなる理由だが、ラファスからすればこの言葉以外の理由はない。
「俺は、音にしろ知識にしろ力にしろ、安売りはしない」
ラル相手なら未だしも……。と心の中でぼやいてる。
「……では、貴方にメリットがあれば良いんですよね?」
アーヴェルがラファスに聞き返す。
「……俺にどんなメリットがあると?」
「風の情報を提供します」
「質にもよるな」
その場がザワッと騒がしくなる。
「風の長と契約するアーヴェル様に何て事を!!」
「何たる侮辱!!」
そのざわめきをアーヴェルが手で制する。
「分かりました。長自らに動いていただく情報なら確かです」
「「「アーヴェル様!!」」」
話を聞いていて、抗議をしようとしている観衆にアーヴェルは笑顔のまま告げる。
「これは彼と私の取り引きです。部外者が口を挟まないでいただけますか?」
「――で?」
ラファスがアーヴェルに話し掛ける。
「お前は俺から何を買う気だ?」
「腕を。私の剣の練習相手になって下さい。私は自分より強い人と戦って、もっと強くなりたいんです!」
それを聞いたラファスはでっかい溜め息を吐く。
「……はぁ~。……弟子は一人で充分だがな……」
ラファスの呟きは、思いの外周りに聞こえた。
(えっ?!弟子いるの?!)
(これが師って……)
(どんな弟子だよ)
皆が皆驚き、色々思ってるがラファスは念押しみたいにアーヴェルへと問う。
「練習相手で良いんだな?」
ラファスの言葉に暫し考え笑顔で返すアーヴェル。
「……出来れば、ご指導も願いたいです」
「そんな奴に学ぶ必要はありません!」
「そうですよアーヴェル様!それこそ殺されてしまいます!!」
必死にアーヴェルを引き止めようとするからか、その者達は気付いていない。口出しされて、ラファスとの話が進まず、アーヴェルが苛立ち、笑顔のまま怒っている事に。
「では、貴方方が本気の私を相手に、死ぬ覚悟で戦って下さいますか?」
アーヴェルの言葉に、その場にいた誰もが口を閉ざす。
「言っておきますが、私は彼相手に一切手加減する気はありません。その彼の代わりをして下さる気なら、私の攻撃を凌ぎ、尚且つ攻撃を仕掛けて来て下さいね?一振りなんかで倒れられたら練習にすらなりませんから」
この時ラファスは外野が五月蝿くてちょっと面倒臭くなってきていたのでさらっと言い切る。
「俺からすればどっちでも構わん。有っても無くてもいいようなメリットだしな」
実際ラファスは精霊から情報収集する事自体、大して難しい事ではない。
アーヴェルはラファスの機嫌を損ねたなと更に怒るし外野は外野でアーヴェルを侮辱しまくるなんてと腹を立ててる状態に。見兼ねたレヴァーノがラファスに向けて提案する。
「煽るな。……アーヴェル=デフォルトが今以上に強くなるなら特殊部隊にもメリットがある。俺に出来る事があるなら言ってみろ。出来るだけ協力してやる」
レヴァーノのその言葉に分かってはいるが、駄目元で一言ラファスが言う。
「脱退」
「……却下だ」
「まだ諦めてなかったんですか?貴方ぐらいですよ、入隊を嫌がったのは……」
アーヴェルの言葉に誰もが耳を疑う。普通に考えたら入隊出来る事自体名誉な事だし、ラファスの発言は出来ないからこそ見せ付ける為に自慢していると思っていただけに、理由は?!と思っているとアーヴェルが続きを語る。
「しかも、理由が面倒臭いって……。挙げ句、私は貴方に私の命を取るか入隊をするかの二択に賭けたんですよ。それなのに、本部に着いて早々脱退されたら堪りませんからね」
「入った事には変わりない」
「そう来ますか……」
周りが、恐ろしい賭けをして殺されなくて本当に良かった、奇跡だとか思っている。
「でも、入ったからには簡単に脱退なんてさせませんから」
にこにことアーヴェルが言い切る。
ラファスはでっかい溜め息を吐きつつもレヴァーノに向かい言う。
「……道具含む遺跡関連の仕事を全て寄越せ。調べた場所も物も、それに纏わる話も全てだ。無駄かどうかは俺が決める」
「分かった」
「それと、俺の事は“ラファス”でいい。俺もお前等を“アル”、“レノ”と呼ぶからな」
そう言ってラファスは外野に視線を向ける。
「間違っても貴様等が言うな。俺は名を呼ばれるのが嫌いでな、死にたくなければ略すな呼ぶな」
外野を黙らせ部屋に入り扉を閉める。
「じゃあ、魔力回復薬は?」
「無理だ」
即答で返すラファス。
「無理ですか」
「無茶を言うな、アーヴェル=デフォルト。あれと姿変えとを一緒にするな」
「魔力回復薬を作るには、材料が二種足りん」
ラファスの補足に驚くレヴァーノ。
「……ちょっと待て。……材料が揃えば作れるのか?」
「そこそこの腕さえあれば誰だって作れるだろうが」
「誰もが作れるなら入手に困らん!」
「単に知らんだけだろ」
材料も見付かり難いのが多いしなとぼやくラファス。
「そう言うのなら、作り方を事細かに書き記せ」
「断る」
「理由を聞かせろ」
「面倒臭い」
そんな理由かよ!?と誰もが突っ込みたくなる理由だが、ラファスからすればこの言葉以外の理由はない。
「俺は、音にしろ知識にしろ力にしろ、安売りはしない」
ラル相手なら未だしも……。と心の中でぼやいてる。
「……では、貴方にメリットがあれば良いんですよね?」
アーヴェルがラファスに聞き返す。
「……俺にどんなメリットがあると?」
「風の情報を提供します」
「質にもよるな」
その場がザワッと騒がしくなる。
「風の長と契約するアーヴェル様に何て事を!!」
「何たる侮辱!!」
そのざわめきをアーヴェルが手で制する。
「分かりました。長自らに動いていただく情報なら確かです」
「「「アーヴェル様!!」」」
話を聞いていて、抗議をしようとしている観衆にアーヴェルは笑顔のまま告げる。
「これは彼と私の取り引きです。部外者が口を挟まないでいただけますか?」
「――で?」
ラファスがアーヴェルに話し掛ける。
「お前は俺から何を買う気だ?」
「腕を。私の剣の練習相手になって下さい。私は自分より強い人と戦って、もっと強くなりたいんです!」
それを聞いたラファスはでっかい溜め息を吐く。
「……はぁ~。……弟子は一人で充分だがな……」
ラファスの呟きは、思いの外周りに聞こえた。
(えっ?!弟子いるの?!)
(これが師って……)
(どんな弟子だよ)
皆が皆驚き、色々思ってるがラファスは念押しみたいにアーヴェルへと問う。
「練習相手で良いんだな?」
ラファスの言葉に暫し考え笑顔で返すアーヴェル。
「……出来れば、ご指導も願いたいです」
「そんな奴に学ぶ必要はありません!」
「そうですよアーヴェル様!それこそ殺されてしまいます!!」
必死にアーヴェルを引き止めようとするからか、その者達は気付いていない。口出しされて、ラファスとの話が進まず、アーヴェルが苛立ち、笑顔のまま怒っている事に。
「では、貴方方が本気の私を相手に、死ぬ覚悟で戦って下さいますか?」
アーヴェルの言葉に、その場にいた誰もが口を閉ざす。
「言っておきますが、私は彼相手に一切手加減する気はありません。その彼の代わりをして下さる気なら、私の攻撃を凌ぎ、尚且つ攻撃を仕掛けて来て下さいね?一振りなんかで倒れられたら練習にすらなりませんから」
この時ラファスは外野が五月蝿くてちょっと面倒臭くなってきていたのでさらっと言い切る。
「俺からすればどっちでも構わん。有っても無くてもいいようなメリットだしな」
実際ラファスは精霊から情報収集する事自体、大して難しい事ではない。
アーヴェルはラファスの機嫌を損ねたなと更に怒るし外野は外野でアーヴェルを侮辱しまくるなんてと腹を立ててる状態に。見兼ねたレヴァーノがラファスに向けて提案する。
「煽るな。……アーヴェル=デフォルトが今以上に強くなるなら特殊部隊にもメリットがある。俺に出来る事があるなら言ってみろ。出来るだけ協力してやる」
レヴァーノのその言葉に分かってはいるが、駄目元で一言ラファスが言う。
「脱退」
「……却下だ」
「まだ諦めてなかったんですか?貴方ぐらいですよ、入隊を嫌がったのは……」
アーヴェルの言葉に誰もが耳を疑う。普通に考えたら入隊出来る事自体名誉な事だし、ラファスの発言は出来ないからこそ見せ付ける為に自慢していると思っていただけに、理由は?!と思っているとアーヴェルが続きを語る。
「しかも、理由が面倒臭いって……。挙げ句、私は貴方に私の命を取るか入隊をするかの二択に賭けたんですよ。それなのに、本部に着いて早々脱退されたら堪りませんからね」
「入った事には変わりない」
「そう来ますか……」
周りが、恐ろしい賭けをして殺されなくて本当に良かった、奇跡だとか思っている。
「でも、入ったからには簡単に脱退なんてさせませんから」
にこにことアーヴェルが言い切る。
ラファスはでっかい溜め息を吐きつつもレヴァーノに向かい言う。
「……道具含む遺跡関連の仕事を全て寄越せ。調べた場所も物も、それに纏わる話も全てだ。無駄かどうかは俺が決める」
「分かった」
「それと、俺の事は“ラファス”でいい。俺もお前等を“アル”、“レノ”と呼ぶからな」
そう言ってラファスは外野に視線を向ける。
「間違っても貴様等が言うな。俺は名を呼ばれるのが嫌いでな、死にたくなければ略すな呼ぶな」
外野を黙らせ部屋に入り扉を閉める。
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