奇跡の確率

カザハナ

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104 (クリス視点 6)

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「コーディーは当て嵌まらないだろうけど、人間って誘惑に弱い生き物だからね。恋人じゃない相手でも靡〈なび〉く人は靡くから」


 アンバーの言葉に、コーディーが不機嫌になる。


「はあ?!何それモテ自慢?!」

「コーディーもその内体験すると思うよ?世の中馬鹿が多いから」

「いやいや、そんなもん体験させられても靡かないからね僕は!ってか、明らかにクリスの加護目当てになんて欠片も惹かれないよ!そもそも、クリスがいるのに靡ける筈が無いね。クリスがどうしようもないクズで、あちこちに恋人作るとかしたら殴るけど、クリスは僕をスッゴく大切にしてくれてるし、執着されるなら、尚更他には行かないよ」

「まぁ、無いと思うけど、クリス以上に好きな相手が出来たら?」

「無いと思うけど……僕なら正直にクリスに言う、と思う」


 ああ、コーディーならそうだろうな。


「別れないって言われたら?」

「相手の方を諦めると思うよ?だって、僕が悪いんだし、クリスを嫌いになった訳じゃないんでしょ?その人以上にクリスを大事にする努力をするよ」


 相手?……相手の方を諦め、私を選ぶ?


「コーディーはそういう子だよね。……ってクリス、何でそんな呆然としてるのさ?」

「……いや、その……」


 まさか、そんな言葉が返って来るとは思わなかった。

ーーなんだ、この娘は……。どこまで私を溺れさせれば気が済む気だ?!!ーー


「クリス、顔赤いよ?大丈夫?」


 こんな時に上目遣いで見るんじゃない!襲われたいのか?この私に!


「何でも無い……」


 理性を保つ為に、ひたすら私は我慢する。


「コーディー、君が言うの?ごめんねクリス、無自覚天然〈こんな子〉で。まぁ、クリスの見る目は確かだって事だよ」

「……人タラシ〈こん〉な所も愛しいから問題ない。本当に余計な虫が居なくて良かった」


 本当に、これ程の女は探した所で早々見付かる物ではない。見付けた所で既に相手が決まってる事の方が多いだろう。

 だからこそ、私は運が良かったのだろう。


「あはは。まぁ、大きな害虫駆除がいるからね」


 アンバーがルーフェンスに視線を送り、自然とそれに誘導されて皆がルーフェンスを見るが、本人は無言で微笑みを深くするだけだ。

 ルーフェンスは、本当に喰えない男だ。


「じゃあ、俺達はあっちで訓練再開するから。ノゼ、行こう」


 ジェイがノゼを連れて、奥へと向かった。
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