奇跡の確率

カザハナ

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 エルが落ち込んでる間に、ルー兄がエルの首根っこを持つ。


「そもそも、金でモテないのは日頃の生活態度が悪いと言う事だよね?エルはもう少し鍛え直さなきゃいけないよ。僕が相手をしてあげるから、頑張ろうね?」

「しっ……」

「し?」

「仕事行ってきます!!」


 エルが逃げようとするけど、首根っこ掴まれてるからね?


「ぐえぇっ……」

「うん、馬鹿だよね。ルーから逃げようなんて、出来る訳ないじゃん。学習能力は身に付けなよ」

「そうそう。これも立派な仕事だからね?さぁ、奥に行くよ」


 結局ルー兄に引き摺られて行くエル。これこそ御愁傷様かな?まあ、自業自得だしね。


「コーディー、さっきの技、教えて」

「さっき?って、どれのこと?」

「んと、こうして、こう?なった時の技」


 アランが身振り手振りで説明するけど、これ、アランのファンの女性達が見たら、悶え喜ぶんだろうなぁ。僕にはよく分かんないけど。


「これのこと?」


 アランに技を掛けると、アランが大きく頷く。


「そう、これ。ボクの技と掛け合わせる、良さそう」

「じゃあ、これとこれの応用編。アンバー、ラズ、協力よろしく~」

「はいはい」

「コーディーの技は参考になるから喜んで」


 僕の技は基本、力のない女性や子供でも使える技が多い。

 これはお母さんが物心付く前から、お母さんの子供と言って狙って来る輩がいるかも知れないからと、お母さんの知り行く全ての技を、コツコツと教えてくれてたのと同時に、自身が何かあった時の為にと父様に書き記したノートを預けてたみたい。

 技だけでなく、僕に役立つだろう知識の数々が書かれたたくさんのノートは、今でも僕の大切な宝物だ。

 それ程時間も掛からずに、アランが技を何度も試す。


「うん、覚えた」


 それまでのやり取りを見ていたクリスが、僕に聞いてくる。


「それ程簡単に出来る物なのか?」


 その疑問に僕は、クリス自身に実践してもらうことにした。


「やってみれば分かるよ。アンバー、クリスの相手してあげて。最初は型としてゆっくりね。二回目は普通の速さで」




「……こんなに簡単に出来るとは思わなかった」


 クリスが驚いた様子で呟いている。


「あ、うん。よく言われるけど、僕が使う技は、元々子供や女の人でも簡単にできる護身術が多いから、やり方さえ解れば誰でも直ぐ使えるよ。パッと見は何をやってるのか解り難いから難しそうに見えちゃうけどね」


 アンバーが次いでとばかりにクリスに話す。


「コーディーが使ってると、スピードが速いから特に解り難いんだよね。でも、使える物が多いから、配達人でも絡まれ易い女性配達人達に定期的に指導したりしてるんだよ。だから僕達も時間が合えば補佐役として参加し、その時に教える技も使わせてもらうんだ」
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