奇跡の確率

カザハナ

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「ちょっと遠出をしてみようか」


 大会が終わり、暫く訓練の日々を送っていたある朝、朝食時にルー兄が僕にそう話し掛ける。

 僕的にも、そろそろウズウズしてたから、それには大賛成で返事をする。


「うん!行く行く~♪遠出のお仕事~!」

「遠出と聞いて仕事になるのか。さすが、仕事人間」

「あはは、コーディーはいつもこうだから」


 えっ?僕、変なこと言ってないよね?何で呆れられてるの???


「じゃあ、早く食べて行こうか。クリス君はどういった場所が見たい?海、草原、砂漠、雪原、人の集まる王都……は嫌がりそうだね。川や山、湖も場所によって風景が全然違うし、ケイド様の一筆書きがあるから、猫姿でも問題ないし、配達人が一般人連れて歩く事自体稀だから、猫の姿の方が良いかもね」

「私はどっちでも構わないし、場所と言われてもいまいち分からないから、二人で決めてくれると有り難い」

「じゃあ、コーディーはどこに行きたい?」

「う~ん……」


 クリスに見せたい所、クリスに見せたい所……。うぅっ、候補がありすぎて、ど~こ~に~し~よ~う~……。あっ!


「ルー兄、あそこは?水鏡の地の空!」

「ああ、良いね。じゃあ、そっち方面の仕事を頼んで行ってみよう」

「水鏡の地の空?」

「うん!えっとね、真っ白い大地が延々に続く場所の上に、薄く広い範囲で水が張ってるんだけど、それが空を写してて、地面も空みたいに見えるんだよ♪その地の地霊族と水霊族が生み出した場所らしいけど、すっごくすっごく綺麗な場所なんだよ!」


 その地の地霊族は女性の姿で、僕も一度会ったことがある。ルー兄が呼び掛けて、出てきてくれたんだ♪

 その地霊族が水霊族と仲が良くて、気の合う女性の姿の水霊族と一緒に作った場所が水鏡の地の空なんだって♪彼女の本体は砂のように砕けた透明な石で、パッと見、遠目で見ると白い砂に見える。

 旅人が知らずに彼女の一部を持ち帰ったりするけど、悪さをしなければ普通の砂として持ち歩けるし、危ない目にあった時には彼女が一度だけ助けてくれる。その際に持ち帰った砂も無くなるし、地霊族の一部だと気付くだろうけど、その後に砂を取りに行っても砂は持ち帰れないし、悪さをしてた場合はその地の役人とかに引き渡されるんだよね。『地霊族の私の一部を盗んだだけでなく、悪事を働いて居た』と。

 さすがに地霊族にそう言われて、放置したり疑ったりする人間はいないからね。
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