奇跡の確率

カザハナ

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 初めてその人の声を聞いた時は驚いて、思わずその相手を瞳で追った。

 よく聞けば記憶の中の声とは少し違うけど……それでも、大好きだった懐かしい人に会えた気がして、嬉しいような悲しいような、そんな泣きたい気持ちになったことを今でもはっきり覚えてる。





 好意を持つ相手が自分のことを見下げ、他の人達と笑い者にしていたら、あなたはどうする?


「そういや黒髪黒目の……コーディーだっけ?あいつ、やたらとお前になついてないか?」

「ああ、まあそこそこ優しくしてやってるからな」

「何かメリットでもあんのかよ?」


 訝しげに問う同僚達にその男、カーネルは答える。誰が聞いてるかも気付かずに。


「何だ、知らないのか?コーディー<あいつ>に優しくしてりゃ女が寄ってくるし、あいつ特級だろ?どんな手を使ってなったかも探れるし、上からの覚えも良くなる可能性も高いし、メリットだらけじゃん。じゃなきゃ、誰があんな子供相手にするかよ。子供に好かれてもメリットがなけりゃあなぁ……しかも男だろ?女なら育てるのもいいがなぁ」


 大声で捲し立て、肩を竦める男に周りの男達も大声で笑う。


「あはははは!」

「それってロリコンじゃん!」


 僕は――しめる。


「悪かったねぇ、女に見えなくて……」


 彼等の背後へと寄り声を掛けると。


「げっ、コーディー!!……って、女ぁ?!」


 振り向いたカーネルの腹に手加減はするも、拳を一発喰らわす僕。


「ゲフッ?!」


 手加減はした。でも僕だって一応は特級と呼ばれる金の腕輪の持ち主だ。痛くないわけがない。カーネルの胸ぐらを掴み、自分へと引き寄せる。

 子供と間違われる程だ。背はカーネルの方が明らかに高いため、下から上目遣いに彼の顔へと目線を合わせる。


「お飾りかやらせか、まぐれか実力か、今年の武術大会で確かめればいい。僕がカーネル、君を逆指名する。女相手に逃げんなよ?」


 有無を言わせぬ威圧感を掛け、胸ぐらから手を離してやる。

 毎年、数々の挑戦者共から勝ち続けてる負け知らずな僕を相手にどこまでできるか見てやろうじゃないか。

 ってか、あんな奴だったなんて!あんなのに好意持ってた自分にムカつくー!!いままでの優しさ全部損得勘定だったなんて……最悪だ!珍しく仕事を定時で終えれたってのに、よりにもよって何この仕打ち!ああ、もう本当むしゃくしゃする!!こうなれば気分転換に明日からしばらく、遠出の仕事回してもらわなきゃ!
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