8 / 135
閑話 (女性配達人視点)
しおりを挟む
「――ねぇねぇ、あれって――……」
「ルーフェンス様とコーディー君!」
「金の仲良しコンビだわ♥」
本部の前で、仲良く手を繋いだまま出勤する二人を見て、銅の腕輪を持つ若い三人の女性配達人が二人の話題で盛り上がる。
「どっちも強いし優しいし、その上ヴェネック〈ここ〉の街の生き神である配達業の設立者、地霊族のケイドファン様が常に目を掛けているお気に入り!」
「ルーフェンス様とコーディー君だけだものね、あのケイドファン様を仮名とはいえ略式名で呼べるのは」
精霊族は基本、人間に本名を教えない。本名とは別の仮名を名乗り、それで通している。そんな彼等は仮名といえども略されるのを嫌い、略式や愛称で呼べるのは極限られた者のみで、それ以外の者が略して呼ぼうものならば、その者の加護や恵みを弱らせる精霊族もいる、と伝えられている程だ。
心底羨ましがる者もいるが、加護が深まるといったものではないので無駄に頑張る者もいない。逆に畏れ多いと思う者が大半だ。
「そう!しかも、毎年恒例の武術大会♥今年もあの二人は出場するらしいから、二人の勇姿が見れるのよぅ!」
「あの二人は負け知らずだものねぇ。特にコーディー君。彼女が金だと知った時は我が目を疑ったわよ。お飾りなんてありなの?!って」
「でも違った。彼女はとんでもない実力者だった。実力さえあれば、女でも金は可能だと、彼女に教えられたね」
思い浮かぶのは二年前の武術大会。二年に一度ある金同士の組手。大会の最後に見せ付けられる金の実力。その時のコーディー君の勇姿は今でも色鮮やかに目に焼き付いている。あれは是非とも観るべきだ。
目を合わせ、声を揃えて口にする。
「「「目指せ、第二のコーディエ先輩!彼女に続け!!」」」
彼女等にとって、コーディエ=コーズとは憧れであり目標であった。
「でも、彼女が女って知らない人多いよね……」
「ああ~。男の人達は特に多いわねぇ……というか、大半の人は知らないんじゃないかしら」
「え?そうなの?!コーディー君可哀想ぅ~」
「まぁ、皆から君付けされてるし、男服着てるからねぇ」
男服を着てるのは、入社当時男と思われ男物を渡されたため知らずに着てたが、ルーフェンスに突っ込まれ女物をもらうも、最初に男物を着てたために罰ゲームかと思われ笑われまくったため、もう男服でいいと(元々は男女兼用だし)女物は諦めたためであるが、その過去を知る者は少ないし、当時の笑った連中も未だにコーディーは男だと思っていたりする。
「一人称が僕ってのも原因の一つだろうけど、髪も短く中性的だからね……」
「それもあるけど、ちびっこい上童顔だからねぇ……支部では彼女、見習い終了したばかりの鉄(黒)に間違われているそうよ……」
「酷ぉい!コーディー君は金なのに!!」
「でも、そういう人達には、ルーフェンス様が後できっちり教え込んでるって噂……」
「ルーフェンス様さっすがぁ!」
「いや、あの人コーディー君に対してはすっごい過保護だから」
「いつもにこにこしてる分、裏が読めないのよねぇ……」
「ケイドファン様に対しても割りと言いたい放題で、はっきりとした意見を言うのってルーフェンス様ぐらいだって他の金が言ってたぐらいよ」
「「そうなの?!」」
コーディー達二人の去った方向へと目を向け、彼女等は決意する。
「ルーフェンス様だけは敵に回さないようにしよう……」
「そもそも、配達人の中でもトップに立つ人だもの。只者なわけないわ」
「……遠くで見てる分が一番安全よね?……」
心の中でしっかりと自分に言い聞かせる。
できるだけ関わらず、コーディー君には優しくしよう、と。
「ルーフェンス様とコーディー君!」
「金の仲良しコンビだわ♥」
本部の前で、仲良く手を繋いだまま出勤する二人を見て、銅の腕輪を持つ若い三人の女性配達人が二人の話題で盛り上がる。
「どっちも強いし優しいし、その上ヴェネック〈ここ〉の街の生き神である配達業の設立者、地霊族のケイドファン様が常に目を掛けているお気に入り!」
「ルーフェンス様とコーディー君だけだものね、あのケイドファン様を仮名とはいえ略式名で呼べるのは」
精霊族は基本、人間に本名を教えない。本名とは別の仮名を名乗り、それで通している。そんな彼等は仮名といえども略されるのを嫌い、略式や愛称で呼べるのは極限られた者のみで、それ以外の者が略して呼ぼうものならば、その者の加護や恵みを弱らせる精霊族もいる、と伝えられている程だ。
心底羨ましがる者もいるが、加護が深まるといったものではないので無駄に頑張る者もいない。逆に畏れ多いと思う者が大半だ。
「そう!しかも、毎年恒例の武術大会♥今年もあの二人は出場するらしいから、二人の勇姿が見れるのよぅ!」
「あの二人は負け知らずだものねぇ。特にコーディー君。彼女が金だと知った時は我が目を疑ったわよ。お飾りなんてありなの?!って」
「でも違った。彼女はとんでもない実力者だった。実力さえあれば、女でも金は可能だと、彼女に教えられたね」
思い浮かぶのは二年前の武術大会。二年に一度ある金同士の組手。大会の最後に見せ付けられる金の実力。その時のコーディー君の勇姿は今でも色鮮やかに目に焼き付いている。あれは是非とも観るべきだ。
目を合わせ、声を揃えて口にする。
「「「目指せ、第二のコーディエ先輩!彼女に続け!!」」」
彼女等にとって、コーディエ=コーズとは憧れであり目標であった。
「でも、彼女が女って知らない人多いよね……」
「ああ~。男の人達は特に多いわねぇ……というか、大半の人は知らないんじゃないかしら」
「え?そうなの?!コーディー君可哀想ぅ~」
「まぁ、皆から君付けされてるし、男服着てるからねぇ」
男服を着てるのは、入社当時男と思われ男物を渡されたため知らずに着てたが、ルーフェンスに突っ込まれ女物をもらうも、最初に男物を着てたために罰ゲームかと思われ笑われまくったため、もう男服でいいと(元々は男女兼用だし)女物は諦めたためであるが、その過去を知る者は少ないし、当時の笑った連中も未だにコーディーは男だと思っていたりする。
「一人称が僕ってのも原因の一つだろうけど、髪も短く中性的だからね……」
「それもあるけど、ちびっこい上童顔だからねぇ……支部では彼女、見習い終了したばかりの鉄(黒)に間違われているそうよ……」
「酷ぉい!コーディー君は金なのに!!」
「でも、そういう人達には、ルーフェンス様が後できっちり教え込んでるって噂……」
「ルーフェンス様さっすがぁ!」
「いや、あの人コーディー君に対してはすっごい過保護だから」
「いつもにこにこしてる分、裏が読めないのよねぇ……」
「ケイドファン様に対しても割りと言いたい放題で、はっきりとした意見を言うのってルーフェンス様ぐらいだって他の金が言ってたぐらいよ」
「「そうなの?!」」
コーディー達二人の去った方向へと目を向け、彼女等は決意する。
「ルーフェンス様だけは敵に回さないようにしよう……」
「そもそも、配達人の中でもトップに立つ人だもの。只者なわけないわ」
「……遠くで見てる分が一番安全よね?……」
心の中でしっかりと自分に言い聞かせる。
できるだけ関わらず、コーディー君には優しくしよう、と。
0
あなたにおすすめの小説
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
前世で私を捨てた皇太子が、今世ではなぜか執着してきます。でも私は静王妃なので『皇叔母様』と呼ばせます
由香
恋愛
沈薬は前世、皇太子の妃だった。
だが彼の寵愛は側室へ移り、沈薬は罪もなく冷宮へ送られ――孤独の中で死んだ。
そして目を覚ますと、賜婚宴の日に戻っていた。
二度目の人生。
沈薬は迷わず皇太子ではなく、皇帝の弟である静王を選ぶ。
ただしその夫は、戦で重傷を負い昏睡中だった。
「今世は静かに生きられればそれでいい」
そう思っていたのに――
奇跡的に目覚めた静王は、沈薬を誰よりも大切にしてくれた。
さらにある日。
皇太子が前世の記憶を思い出してしまう。
「沈薬は俺の妃だった」
だが沈薬は微笑んで言う。
「殿下、私は静王妃です」
今の関係は――
皇叔母様。
前世で捨てた女を取り戻そうとする皇太子。
それを静かに守る静王。
宮廷を揺るがす執着と溺愛の物語。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界で、自分の幸せを選べるようになるまでの逆ハーレム恋愛ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる