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カーネルの発言に、さすがにカチンときた僕は声を上げる。
「僕は――」
子供じゃない、とカーネルに言おうとした、まさにその瞬間〈とき〉。
バサッ!!っと翼の羽ばたくような強い音と風圧がその場に生じる。
その風圧は円を描くかのように拡がり、その風圧を受けた人々は皆、その源に目を向ける。
それは、僕と一緒にいたクリスからで、突如、猫の背から生えた瑠璃色の翼により宙に浮き、羽ばたき毎に大きくなるその翼は人間すらも包めるんじゃないかと思える程の大きさになり、瑠璃色の猫を覆い、包み隠す。
何が起きているのか理解できずに事の成り行きを人々が見守る中、大きな翼が広がると、そこには、その翼を背負った青年と見られる薄茶色のくせのある髪の男が現れた。ゆっくりと開く瞳は瑠璃色でとても整った顔立ちをしている。
ザワザワと人が集まり騒がれる中、翼を背負った男が地面に降り立つ。
「……翼人〈つばさびと〉だ……」
「あの、奇跡と幸運の?!」
「まさか……そんな……」
人々が驚く中、翼を持つ青年が僕へと声を掛けてくる。
「コーディー……」
もちろん僕も驚いている。が、その声には聞き覚えがある。
「クリス?……クリス、だよね?声も一緒だし……ってか、翼人って何?」
僕にとって、それは初めて耳にする言葉だった。
僕の疑問にクリスが答える。
「天空を領域とする翼ある人種だ。ただ、お前達人間とは違い、非常に魔力が強く、寿命も長いがな」
人間の多くは魔力を持たない人が占めている。魔力持ち、と呼ばれる人間は稀な存在と言えよう。
「へぇ~。じゃあ、クリスがその、翼人?なんだ?」
「正確には、翼有人〈よくゆうじん〉という種族だ」
クリスが僕の質問に丁寧に答えてくれている。と、そこにさっきまで僕を魔物発言していたカーネルが、話に割り入る。
「本当に知らないのかよ?!翼人っていやぁ、天空に住む幻に近い種族で、伝説とかにもよく残ってる風霊族の魔力を継ぐ、風霊族の愛し子。その翼人の加護を受けた人間は、幸運と望みを全て手にすることができると言われる程だぞ!!」
幸運と望みを全て……いまいちピンとこないなぁ。
「ふぅ~ん」
僕の反応が気に食わなかったのか、カーネルがうるさい。
「ふぅ~んって、ちゃんと聞いてるのかよ?!コーディー!」
本っっ当うるさい。
「聞いてるけど、どうでもいいし」
「おい!」
抗議するカーネルを無視してクリスへと話し掛ける。
「だって、クリスはクリスでしょ?」
僕の言葉に目を見開くクリス。
えっと……僕、おかしなことは言ってないよね?
そう思っていると、クリスが突如、僕の前で膝を折る。
「コーディー、私はその揺るぎない心と眼差しを持つお前が好きだ。お前でなければ欲しくはない」
跪き、真剣な顔で僕を見るクリス。
……え?何この状況?!何が起きた?!
「私を、只の一人の男として……異性として見てはくれないか?今直ぐとは言わない。少しでも可能性があるのなら、私の手を取ってほしい」
クリスが、真っ直ぐ僕へと手を伸ばす。
「私はお前をもっと知りたいし、私のことをもっと知ってもらいたい」
いままでいただろうか?僕を異性として真剣に向き合ってくれた人が。
他の誰でもなく損得も抜きにして、僕を選び、僕に選ばれることを望む人……。
伸ばされた手をゆっくりと取り、赤い顔で僕は答える。
「かっ……可能性はゼロじゃない。僕もクリスのこと、もっと知りたいし……何より、クリスが僕を想ってくれるのは、すっごく嬉しい……」
たどたどしいかもだけど、恋愛経験ゼロの僕にとってはこれが精一杯。
何とか言葉を伝えた直後、いきなり手を引っ張られて前のめりになり、気付けばクリスの腕の中、全身にクリスの体温が感じられる。
「そうか……なら諦めない。口説き落とすまでだ」
僕の耳元で甘く囁き、そのまま僕を抱き上げる。
って、僕は子供じゃないってば!!……いや、これは女扱いなのか?!
クリスが蕩けるような笑顔で僕を見る。
「いくら人間嫌いでも、私はこんないい女を逃す程、愚かではないからな」
「僕は――」
子供じゃない、とカーネルに言おうとした、まさにその瞬間〈とき〉。
バサッ!!っと翼の羽ばたくような強い音と風圧がその場に生じる。
その風圧は円を描くかのように拡がり、その風圧を受けた人々は皆、その源に目を向ける。
それは、僕と一緒にいたクリスからで、突如、猫の背から生えた瑠璃色の翼により宙に浮き、羽ばたき毎に大きくなるその翼は人間すらも包めるんじゃないかと思える程の大きさになり、瑠璃色の猫を覆い、包み隠す。
何が起きているのか理解できずに事の成り行きを人々が見守る中、大きな翼が広がると、そこには、その翼を背負った青年と見られる薄茶色のくせのある髪の男が現れた。ゆっくりと開く瞳は瑠璃色でとても整った顔立ちをしている。
ザワザワと人が集まり騒がれる中、翼を背負った男が地面に降り立つ。
「……翼人〈つばさびと〉だ……」
「あの、奇跡と幸運の?!」
「まさか……そんな……」
人々が驚く中、翼を持つ青年が僕へと声を掛けてくる。
「コーディー……」
もちろん僕も驚いている。が、その声には聞き覚えがある。
「クリス?……クリス、だよね?声も一緒だし……ってか、翼人って何?」
僕にとって、それは初めて耳にする言葉だった。
僕の疑問にクリスが答える。
「天空を領域とする翼ある人種だ。ただ、お前達人間とは違い、非常に魔力が強く、寿命も長いがな」
人間の多くは魔力を持たない人が占めている。魔力持ち、と呼ばれる人間は稀な存在と言えよう。
「へぇ~。じゃあ、クリスがその、翼人?なんだ?」
「正確には、翼有人〈よくゆうじん〉という種族だ」
クリスが僕の質問に丁寧に答えてくれている。と、そこにさっきまで僕を魔物発言していたカーネルが、話に割り入る。
「本当に知らないのかよ?!翼人っていやぁ、天空に住む幻に近い種族で、伝説とかにもよく残ってる風霊族の魔力を継ぐ、風霊族の愛し子。その翼人の加護を受けた人間は、幸運と望みを全て手にすることができると言われる程だぞ!!」
幸運と望みを全て……いまいちピンとこないなぁ。
「ふぅ~ん」
僕の反応が気に食わなかったのか、カーネルがうるさい。
「ふぅ~んって、ちゃんと聞いてるのかよ?!コーディー!」
本っっ当うるさい。
「聞いてるけど、どうでもいいし」
「おい!」
抗議するカーネルを無視してクリスへと話し掛ける。
「だって、クリスはクリスでしょ?」
僕の言葉に目を見開くクリス。
えっと……僕、おかしなことは言ってないよね?
そう思っていると、クリスが突如、僕の前で膝を折る。
「コーディー、私はその揺るぎない心と眼差しを持つお前が好きだ。お前でなければ欲しくはない」
跪き、真剣な顔で僕を見るクリス。
……え?何この状況?!何が起きた?!
「私を、只の一人の男として……異性として見てはくれないか?今直ぐとは言わない。少しでも可能性があるのなら、私の手を取ってほしい」
クリスが、真っ直ぐ僕へと手を伸ばす。
「私はお前をもっと知りたいし、私のことをもっと知ってもらいたい」
いままでいただろうか?僕を異性として真剣に向き合ってくれた人が。
他の誰でもなく損得も抜きにして、僕を選び、僕に選ばれることを望む人……。
伸ばされた手をゆっくりと取り、赤い顔で僕は答える。
「かっ……可能性はゼロじゃない。僕もクリスのこと、もっと知りたいし……何より、クリスが僕を想ってくれるのは、すっごく嬉しい……」
たどたどしいかもだけど、恋愛経験ゼロの僕にとってはこれが精一杯。
何とか言葉を伝えた直後、いきなり手を引っ張られて前のめりになり、気付けばクリスの腕の中、全身にクリスの体温が感じられる。
「そうか……なら諦めない。口説き落とすまでだ」
僕の耳元で甘く囁き、そのまま僕を抱き上げる。
って、僕は子供じゃないってば!!……いや、これは女扱いなのか?!
クリスが蕩けるような笑顔で僕を見る。
「いくら人間嫌いでも、私はこんないい女を逃す程、愚かではないからな」
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