奇跡の確率

カザハナ

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13 (クリス視点)

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 低めの声で、小さく呟いた彼女の言葉に耳を疑う。

 ――好意?彼女がこの男に?――


「行こう、クリス」


 彼女が赤髪赤目の男の横を通り過ぎようとしたその時。


「――その魔物をけしかけてくる気か?」


 男が彼女に問い、それを聞いた彼女が足をピタッと止める。


「それとも、実はお前自身が魔物だったとか?それならあの強さにも納得がいくよなぁ!」


 くるりと彼女が向きを変え、男と向き合う形で真正面から男を見返す。

 ビクつく男だが、恐怖心にかられてか彼女に対する言葉の暴力が止まらない。


「そんな魔物を連れ歩いてるのがいい証拠じゃないか!瑠璃色の猫だって?!そんなの、この世に存在する筈がない!」


 男の言い分に、彼女は大きな溜め息を吐いて声を出す。


「この世は、人間が知識として知るものだけが全てなの?人間が知らなきゃ、存在し〈ありえ〉ないってわけ?存在しないが魔物なら、この世は魔物だらけだね」


 冷たい視線を男に向け、彼女は更に言葉を続ける。


「僕からしたら、欲や恐怖心に囚われた人間の方がよっぽど怖いよ」

「魔物のくせに……自分は違うって言いたいのかよ?!」

「っていうか、そんな人間になりたくないって話だよ。それに、たかがこれぐらいの事で、いちいち取り乱してたら“金”になんてなれないね」

「子供〈ガキ〉が……偉そうに!!」


 限界だった。男の彼女に対する発言に。

 こんな男に彼女の名誉が傷付けられるなんて。

 ――知ればいい。私が何かを。そして、何に怯えていたのかを――
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