奇跡の確率

カザハナ

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19 (クリス視点 2)

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 コーディーに笑みを見せてから、ルーフェンスと名乗った男に向き直る。


「それで、わざわざ部屋を用意するからには私に話があるのだろう?」

「ああ、うん。コーディーに手を出す気なら、ちゃんと言っておかなきゃって思ってね」


 口元に笑みを浮かべるが、その碧眼の瞳は笑っていない。


「コーディーは、僕にとって大切な、愛すべき妹なんだ。傷付けるなとは言わない。だけど、コーディーの気持ちや考えを無視して一方的に押し付ける男はごめんだよ?何を言っても何をしても許されるなんて思う男は論外だよ?もし、コーディーが僕に助けを求めるようなことになったら、僕は容赦なく君をぶちのめす」


 先程の、カーネルと呼ばれた男に向けた殺気に近い気配を間近で私に放つルーフェンス。

 生きた心地がしないとはこういうことか。あの男に限っては自業自得だが、この男にとって、それだけ彼女〈コーディー〉が大事なのだろう。その妹に手を出すのだから当然の扱いか。


「――承知した」


 私にとっての、あの幼なじみ〈セレス〉のように。とても大切な掛け替えのない存在。

 私と話をしていたルーフェンスが、突如コーディーへと向き直る。


「それと、コーディー。君はもっと僕やケイド様を頼るべきだよ」


 コーディーと視線を合わせるためか、膝に手を置き屈むルーフェンス。その距離はかなり近い。

 ……というか、近すぎやしないか?


「コーディーは自立心が強いから何でも一人でやっちゃうけれど、僕は何があってもコーディーの味方だし、コーディーに頼られたいんだから思う存分甘えてくれてもいいんだよ?」


 ルーフェンスの言葉に少し首を傾げ、キョトンとしているようだが顔が近い。この男、自分の顔が整っているという自覚はないのか?!

 私が心の中でやきもきしている中、コーディーが嬉しそうな笑みを浮かべる。


「僕、ルー兄がそう言ってくれるだけで、もう充分幸せだよ?ってか、今のままでも充分すぎるのに、これ以上なんてバチが当たっちゃうよ」

「コーディー……欲無さすぎだよ……」


 ガックリ項垂れるルーフェンスに対し、コーディーが言葉を重ねる。


「そんなことないと思うよ?僕、結構強欲だと思うし」


 ……絶対嘘だ。お前が強欲なら他の人間はどうなる。皆、強欲どころでは済まなくなるぞ。

 それについてはルーフェンスも同じ意見らしい。


「コーディーのは、強欲とは違うと思うよ?」

「そうかなぁ、分かんないよ?僕、本当に手離したくないものなら誰にも譲らないから」


 にっこりと、不敵な笑みを見せるコーディー。


「コー……」


 ルーフェンスが驚いた顔をする。

 私としては、コーディーにとっての手離したくないものの方が気になるところだ、が?!?

 ルーフェンスがいきなりコーディーを抱き締める。


「おい!?」
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