奇跡の確率

カザハナ

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 事の成り行きを見守っていたルー兄がそれもありだといった言葉を発する。

 その言葉に悩む僕。


「でも、それだと不誠実過ぎない?」

「本人がいいって言っているんだから問題ないよ。ね?クリス君」

「ああ。勿論だ」


 ルー兄の言葉にあっさり頷くクリス。

 本当にいいのか?それで。


「本当にコーディーは真面目だね。逆に友人として付き合ってもいいけど、それだとクリス君の加護目当てにコーディーと恋仲になろうと近付く男女や、コーディーの友人を装いあわよくばとクリス君に近付く男女も出てくると思うよ?ここの配達人はコーディーが金でケイド様のお気に入りだと知っているけれど、一般の人や支部等の余所者だと殆どが知らないから、コーディーをというよりは、翼人に好かれた相手を見ようと来る可能性もある。コーディーは性別も年齢も間違われることが多いけど、別に隠しているわけじゃないから、調べられたら直ぐに分かるしね。
 僕としてはクリス君に帰ってもらうという選択肢があるにはあるけれど、コーディーにはないでしょ?」


 クリスが帰る……。この場合、ほとぼりが冷めるまでかも知れないけど、それがいつになるかは分からない。一年後かも知れないし、十年、二十年過ぎてもまだ冷めてない可能性もある。

 (そんなの、嫌だ)

 魔力が強くても、無敵というわけじゃないから人は死ぬ。いくら寿命が長いといっても人である限り、事故や病気は避けられない。それは魔力を持たない僕だって同じこと。だからこそ今を大事に生きている。それなのに、クリス自身が目当てならまだしも、翼人の加護なんていうあやふやなもの目当てに僕やクリスに近寄ってくるなんて、バカにするにも程がある。そんな奴等にクリスを近付け煩わせるぐらいなら、恋愛かどうかは分からないけれどクリス自身が好きな僕と、僕を好きだと言うクリスとが恋人として一緒にいる方が断然いいに決まってる!


「僕、本当に、ちっとも、そういった経験がなくて、それでもいいなら、こっ、恋人として付き合ってください!」


 力説するように両手を握り締めながらクリスへと向き合いつっかえながらも言い放つ。

 よし!言った、言い切った!

 僕がやりきった達成感を持ちつつクリスの返事を待っていると、クリスがまた、あの惚れ惚れするような破壊力のある笑顔を見せる。

 いや、これ、さっきのよりも格段パワーアップしてるし!

 (しっ……心臓が痛い……)


「宜しく頼む」

「ぼっ、僕こそよろしくです!」
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