奇跡の確率

カザハナ

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 受け渡し所ではお馴染みの女性、ルビーが僕とルー兄の姿にすぐ気付く。


「コーディー君!あの、今、噂で……」


 戸惑いの瞳を僕達に向けるルビー。

 ああ、もう伝わったんだ。


「一応確認するけど、どう聞いたの?」


 僕がルビーに聞いてみる。

 実はこの受け渡し所は一般人が出入りできない場所で、配達人達の意見交換や情報交換の場であり、ケイド様からの情報も入ってくるためかなり精度の高い情報力を持っている。

 僕が初めてクリスを連れて来た時の件に関して把握できなかったのは、例外中の例外と言えよう。何せその情報を握ってるケイド様が何も言わなかったのと、僕もルー兄もクリスのことは全く話してないからだ。本来ならそんなことにはならなかったんだろうけど、クリスが怪我をして動けなかったことと、ケイド様とルー兄がクリスに興味がなかったことも原因と言っていいだろう。でなければ、一ヶ月も隠し通せたりできないから。


「コーディー君の連れてる猫が翼人だったってことと、コーディー君に手を出すとケイドファン様含む複数の地霊族が敵に回るってことだったわ」


 僕がルー兄をチラ見すればルー兄が返答を返す。


「うん。合っているね。もう一つ追加をしておこうか。僕はコーディーと翼人のお付き合いを容認してはいるけれど、そう簡単にコーディーを任せる気はないし、翼人だろうが何だろうが、ふさわしくなければ全力で……それこそ持ちうる全てを使ってでも近寄らせなくさせる気だって、内勤外勤含め本部の全社員に伝達してくれるかな?勿論、君が話してくれた内容と同時に」


 もの凄くいい笑顔を浮かべながら話すルー兄。

 ……うん。怖いから……。


「ああ、ちゃんと念押しも宜しく。そうだね、一応社外秘扱いだから、あまり外で噂が流れるようなら本人特定して、ケイド様と一緒に半日以上お説教食らわせるから。金の腕輪保持者が一般人に絡まれ仕事しにくいなんて困ったことになったら、ペナルティとしてコーディーの仕事量の半年分ぐらいは上乗せしようかな?」


 僕は主に一般の仕事ばっかしてるけど、量や移動距離は金の中でも上位ランクだ。

 しかし、まさかのお説教?!しかも半日以上って何?!その上ペナルティって……。あと、ルー兄笑ってるけど瞳が全然笑ってないから――!!

 この時受け渡し所にいた人全員がルー兄の発言に対して、背に多量の冷や汗を流したのは言うまでもない。

 僕の今日の教訓として、ルー兄は穏やかで優しい反面、怒らせてはいけない。駄目。絶対。
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