奇跡の確率

カザハナ

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 受け渡し所で、金から一般レベルのさまざまな仕事内容を聞き出す。

 魔物だの賊だのいるから、期限付きの物はないと言っていいけど、速く確実に届けるには特級の金に指定依頼するのが一番だろう。金に依頼状を出し、依頼人と特級が顔を合わせ依頼内容を再確認の上、配達となる。もちろん金指定で依頼をすれば依頼料が跳ね上がるが。まあ、僕みたいに金が一般の仕事をしてたりしても、こっちの都合だから依頼料金が上がるということはない。

 ちなみに金指定だと、たまに王族からの依頼があったりする。親交のある国同士なら兵士やら何やら使ってやり取りできるけど、敵国やら親交のない国だと僕達金に依頼した方が安全確実性が増すのだ。なぜなら僕達金は、どこの国にも属さない、まさに地霊族であるケイド様の使い人だからだ。銀以下の等級だと本部以外の場所にある支部は、その地の所有者や国に属するけど、本部があるここヴェネックは、ケイド様が作ったとされる街であるため、どの国も不可侵が前提だったりする。

 元々精霊族は、自身の領域が荒らされることを嫌う性質があり、地霊族とて例外ではない。大地は地霊族のものであり、人間はそれを間借りしているだけなのだ。そして、木や石といった本体を持つ動物型ではない地霊族は絶対領域と呼ばれる空間があり、ケイド様だとこのヴェネック全域がそれに当てはまる。絶対領域以外なら人も動物も関与しないが、その中で荒らすような行動に出たらその者は二度とその場に入ることはできないだろう。それだけで済むならいいけど、加護や恵みを弱らせる可能性も高い。それこそ近隣の大地に力を送ることすらしなくなるかも知れない。

 それは地霊族がいないことと同義。

 地霊族のいない地は荒れに荒れ、草木一本も生えず動物すら近付かない呪われた地と成り果てる。つまり国が地霊族を敵に回すということは、その国が滅亡することに他ならない。何せその地の加護が丸っとなくなり不毛の地と成り果てるのだから。

 この世界には、砂漠や永久雪山といった過酷な場所もあるが、地霊族がいない地という訳ではない。地霊族がいるからこそ、動植物が生き残れるのだ。
 だからこそ王族は、地霊族であるケイド様の信頼ある金の腕輪の持ち主をむげにできない。

 ちなみに、過去何度か特級のいない空白の期間という時期があったそうだ。金がいなかった時期はケイド様が銀に一筆を持たせ、銀でも良ければと交渉する。それ程までに特級は精鋭で信頼のおける厳選された者達ばかりなのだ。

 ただし、僕とルー兄に限り、ケイド様から直で同族宛の配達もあったりするけどね。
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