奇跡の確率

カザハナ

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「僕はもう少し薪を集めて来るね」


 ルー兄が気を遣ってか、席を外す。


「思っていたより凄かったし、格好良かった」


 ルー兄と手合わせした時の感想を、クリスが僕に言う。


「まさか、あそこまで綺麗で見事な動きをするとは思わなかった。最初は、あまりの速さに驚き心配したが、見ている内に引き込まれて目が離せなかった。二人共生き生きとして楽しそうで、息もピッタリだったから……思わず嫉妬したぐらいだ」


 いや、嫉妬はいらない。そう思ってくれるのは嬉しいけど、僕はルー兄との関係をクリスに疑われるのは嫌だからね。


「ここ数年はずっとルー兄が手合わせしてくれてるから、それでだよ。僕自身身体を動かすのが好きだし、ルー兄もそう。でも、異性として見るのはクリスだけだから、安心してね!」


 僕がクリスを見上げて宣言すると、クリスは蕩けるような笑顔を見せる。

 それ……本当、反則だから。クリスは僕をどれだけドキドキさせれば気が済むの?!心臓の音が途端に跳ね上がり、自分でも分かるぐらい顔が熱くなるんだから!!

 クリスが僕を抱き寄せ囁く。


「コーディーは本当にいとおしいな。他の男には絶対に言わないでくれ。その言葉を貰えるのは私の特権だからな」

「とっ、当然だよ!僕の恋人はクリスなんだからね!」


 うぅ~……。恥ずかしさに逃げたくなるけど、逃げちゃダメ逃げちゃダメ!ここは僕の特等席なんだからぁ~~!!

 僕もギュウ~ッとクリスを抱き返す。


「ああ、離したくないな。お前の周りにいたのが、見る目のない男達で良かった。お前を他の男に取られていたら、私はこれ程の幸福感を得られなかっただろうからな」

「ぼっ、僕だって、クリスが僕を選んでくれたから、すっごく、すっっごく幸せなんだよ!他の人なんてもう考えられないからね!」


 ああ、お母さんもこんな気持ちだったのかな?お父さんに選ばれて、魔力持ちだとバラしても逃げずに受け入れたお父さん。お母さんとは重みが違うかもだけど、恋人なんて一生できないかもと諦めていたのに、見た目じゃない僕を見てくれる人が現れるなんて……。本当にもう、すっごい奇跡だよね!

 いつか、お母さんの両親に会う日があったら、僕は絶対言うからね。僕はお母さんの子供で良かったって、僕もお父さんもお母さんが大好きだったって、お母さんはすっごく幸せそうだったって。

 ……クリスは、言っても大丈夫だよね?種類が違うだろうけど、同じ魔力持ちだし、お母さんと似た感じだし。お母さんが魔力持ちだからって気にしたりしないよね?
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