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50 (クリス視点 2)
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「僕の場合は、と言ったが、コーディーの母親は避けられた以外に何があったんだ?それにコーディーも避けられただけではないのだろう?」
私の問いにコーディーの顔が曇る。ああ、私はそんな顔をさせたいのではないのに。
「言いたくなければ言わなくていい。私はコーディーを責めている訳でも傷付けたい訳でもないのだから。コーディーの聞きたいこと、聞かせたいことだけを言えばいい」
コーディーは俯きしがみついて、私の背に回した手を私の服ごと握りしめ、囁くような震える声で呟いた。
「僕……お母さんもお父さんも大好きだから、クリスに悪く思われたくない。他の誰が何を言おうとも、クリスの言葉には敵わないから。だからクリスは僕の両親を悪く言わないで。僕を、否定しないで……」
「私はコーディーの両親に感謝する事はあっても悪く思う事はない。今、こうしてコーディーが私の腕の中にいるのは、コーディーの両親がコーディーを産み育ててくれたお陰だ。それなのに悪く言う筈がないだろう?それに何故、私がコーディーを否定しなければならない?私にとってコーディーは、掛け替えのない大切な存在なんだぞ」
私がコーディーに言い聞かせるよう背を擦る。
「この先、クリスが僕と一緒にいてくれるなら……もしかしたら、お母さんを知る人と会うかも知れない。僕は会いたいとも思わないけど、見ただけでそうだと分かる訳ないだろうけど、中にはお母さんを快く思わない人もいるから。だけど、もし、その中でもお母さんの両親だと分かる人が僕の前に現れたら、僕は多分他の誰よりもその人達を蔑〈さげす〉むから。そして向こうも多分、僕の存在が疎ましくなるだろうから」
実の娘を快く思わない?皆が皆、仲の良い家族な訳ではないし、冷めきった家族もいるだろう。だが、これ程家族を愛し、義父の一族ですら大好きだと宣言しまくるコーディーが、祖父母を蔑み向こうも疎む?
コーディーが蔑むなら、それなりの理由があるのだろう。私が聞いて、その答えが聞けるかどうかは分からないが、一応聞いてみるのもいいだろう。
「言いたくなければ言わなくていいが……その祖父母は何をした?」
私はこの後のコーディーの言葉に、人間の愚かさを吐き気がする程思い知らされることになる。
「……僕は、祖父母なんて呼びたくない……。だって、お母さんが魔力持ちだと知っただけで、お母さんを殺そうとした人達だもの」
私の問いにコーディーの顔が曇る。ああ、私はそんな顔をさせたいのではないのに。
「言いたくなければ言わなくていい。私はコーディーを責めている訳でも傷付けたい訳でもないのだから。コーディーの聞きたいこと、聞かせたいことだけを言えばいい」
コーディーは俯きしがみついて、私の背に回した手を私の服ごと握りしめ、囁くような震える声で呟いた。
「僕……お母さんもお父さんも大好きだから、クリスに悪く思われたくない。他の誰が何を言おうとも、クリスの言葉には敵わないから。だからクリスは僕の両親を悪く言わないで。僕を、否定しないで……」
「私はコーディーの両親に感謝する事はあっても悪く思う事はない。今、こうしてコーディーが私の腕の中にいるのは、コーディーの両親がコーディーを産み育ててくれたお陰だ。それなのに悪く言う筈がないだろう?それに何故、私がコーディーを否定しなければならない?私にとってコーディーは、掛け替えのない大切な存在なんだぞ」
私がコーディーに言い聞かせるよう背を擦る。
「この先、クリスが僕と一緒にいてくれるなら……もしかしたら、お母さんを知る人と会うかも知れない。僕は会いたいとも思わないけど、見ただけでそうだと分かる訳ないだろうけど、中にはお母さんを快く思わない人もいるから。だけど、もし、その中でもお母さんの両親だと分かる人が僕の前に現れたら、僕は多分他の誰よりもその人達を蔑〈さげす〉むから。そして向こうも多分、僕の存在が疎ましくなるだろうから」
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コーディーが蔑むなら、それなりの理由があるのだろう。私が聞いて、その答えが聞けるかどうかは分からないが、一応聞いてみるのもいいだろう。
「言いたくなければ言わなくていいが……その祖父母は何をした?」
私はこの後のコーディーの言葉に、人間の愚かさを吐き気がする程思い知らされることになる。
「……僕は、祖父母なんて呼びたくない……。だって、お母さんが魔力持ちだと知っただけで、お母さんを殺そうとした人達だもの」
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