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51 (クリス視点 3)
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「……殺そうと、した?実の娘である、お前の母親を?」
魔力持ちという理由だけで?そんな馬鹿な話があるのか?!自身の身を痛めて産んだ我が子だというのに!?
「お母さんが子供の頃の話だって聞いたけどね……。お母さんが僕に話してくれたのは多分、お母さんの両親と同じように思う人がいるからだと思う。実際、僕の家の火事は放火だったから、お母さんの魔力を恐れてやったんだと思う」
放火?コーディーの両親は火事で亡くなったのだと言っていたが、その原因は魔力持ちを恐れた他の人間による物だったのか!
――何て愚かで身勝手な!!!――
「……放火犯は、どうなった?」
私の質問にコーディーが答える。
「家の前で高笑いしてた所を急いで帰って来てたお父さんが殴ったらしくて、失神してた時に捕まったらしい。お父さんは燃え盛る家に飛び込んでお母さんを探しだし、お母さんと重なり合った状態で見付かったって」
コーディーの言葉は推測のみだと気付く。それはそうだろう。もしコーディーがその場にいれば、今ここにはいないだろう。そう思っての質問だった。
「……コーディーは、その時、どこにいたんだ?」
「僕は……家にいた。お母さんは僕を探しだして、煙に巻かれてる僕を助けてくれたんだ。僕だけなら助けられるって言って、魔力を使って家から遠い父様の館に僕を飛ばしてくれた。他の場所だと誰かに見られた場合、僕も魔力持ちだと思われては困るからって。父様なら僕を悪いようにはしないからって」
まさかの言葉に、私の血の気が引いた。
「……いた?燃え盛る家の中に?」
「うん。だから僕、未だに大きな赤い炎はダメ。こうやって野宿する時は、獣避けの木屑を入れるし黄色い炎になるからまだいいけど、赤いと当時を思い出して混乱しちゃうんだよね。だから家でも火を扱う時は獣避けのを混ぜ込むようにってルー兄が。パニくって火を大きくしたら大変だからって」
ゾッとする話だ。
「……ルーフェンスは知っているんだな」
「知っているっていうか、僕と出会って初めてヴェネックに連れ帰った時の途中で、獣避けを入れてない暖炉で僕がパニくって、暖炉に突っ込み掛けたそうです……。ルー兄には本当に申し訳ないことをしたというか……」
「ああ、あの時の話か。あれはさすがに僕も焦ったよ。いきなりコーディーが僕の目の前で暖炉に突っ込もうとしたから慌てて押さえ込んで、宿の人に暖炉の火を消してってお願いしたんだ。あの時はさすがにちょっとアス兄さんを恨んだよ。教えてくれてたらコーディーに火を見せずに済んだのにって。コーディーの両親が亡くなっていたのは知っていたけれど、火事でとは聞いてなかったからね」
魔力持ちという理由だけで?そんな馬鹿な話があるのか?!自身の身を痛めて産んだ我が子だというのに!?
「お母さんが子供の頃の話だって聞いたけどね……。お母さんが僕に話してくれたのは多分、お母さんの両親と同じように思う人がいるからだと思う。実際、僕の家の火事は放火だったから、お母さんの魔力を恐れてやったんだと思う」
放火?コーディーの両親は火事で亡くなったのだと言っていたが、その原因は魔力持ちを恐れた他の人間による物だったのか!
――何て愚かで身勝手な!!!――
「……放火犯は、どうなった?」
私の質問にコーディーが答える。
「家の前で高笑いしてた所を急いで帰って来てたお父さんが殴ったらしくて、失神してた時に捕まったらしい。お父さんは燃え盛る家に飛び込んでお母さんを探しだし、お母さんと重なり合った状態で見付かったって」
コーディーの言葉は推測のみだと気付く。それはそうだろう。もしコーディーがその場にいれば、今ここにはいないだろう。そう思っての質問だった。
「……コーディーは、その時、どこにいたんだ?」
「僕は……家にいた。お母さんは僕を探しだして、煙に巻かれてる僕を助けてくれたんだ。僕だけなら助けられるって言って、魔力を使って家から遠い父様の館に僕を飛ばしてくれた。他の場所だと誰かに見られた場合、僕も魔力持ちだと思われては困るからって。父様なら僕を悪いようにはしないからって」
まさかの言葉に、私の血の気が引いた。
「……いた?燃え盛る家の中に?」
「うん。だから僕、未だに大きな赤い炎はダメ。こうやって野宿する時は、獣避けの木屑を入れるし黄色い炎になるからまだいいけど、赤いと当時を思い出して混乱しちゃうんだよね。だから家でも火を扱う時は獣避けのを混ぜ込むようにってルー兄が。パニくって火を大きくしたら大変だからって」
ゾッとする話だ。
「……ルーフェンスは知っているんだな」
「知っているっていうか、僕と出会って初めてヴェネックに連れ帰った時の途中で、獣避けを入れてない暖炉で僕がパニくって、暖炉に突っ込み掛けたそうです……。ルー兄には本当に申し訳ないことをしたというか……」
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