奇跡の確率

カザハナ

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58 (クリス視点 1)

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 コーディーが、ジジ様と言う長に会えると言って、物凄く機嫌が良いのが気に食わなかったのだが、どうやらその長に私を恋人として紹介したかったらしいと知り、安堵と同時に顔がにやけそうになった。

 しかもそれを私に言うコーディーは満面の笑顔だ。

 ……本当に、何なんだこの可愛い生き物は!私をどこまで魅了する気だ?!

 ただ、その長の事を大好きなと言っているのは少し引っ掛かるが、コーディーからすれば大事な家族といった所なのだろうと自身を納得させる。

 コーディーの可愛い発言に、抱き締めたい衝動に駆られていると、ルーフェンスが不穏な言葉を言ってくるが、よく聞けば、コーディーは可愛い娘以上の存在だとの事。

 その言葉に安堵していたが、長と呼ばれる本人を見て思ったのは、ルーフェンスの言葉は当てにならない、だ。


「あの人がジジ様だよ♪」


 コーディーが示した先にいたのは、気品のある男。

 ゆったりとした袖口の広い独特な衣装に身を包み、大人の色気が滲〈にじ〉み出ているかのような、端整な顔立ちに、男の私から見ても美しいと思える身の熟〈こな〉し。


「……若いな」


 二十後半から三十前後と言っていたが、これ程顔立ちが整っているとは思っていなかった。そういえば、ルーフェンスも顔立ちが整っているが、本人は頓着していなかったな。という事は、ルーフェンスの親族は美形揃いなのかも知れん。自覚がない分、質〈たち〉が悪いな……。

 その長が私に名乗り、私をじっくり観察した後、本当にコーディーで良いのかと確認してくるが、コーディーで良い訳ない、コーディー良いのであって、コーディーしかいないのだ。

 その思いを乗せ言葉を返せば、何故かルーフェンスまでもが言い返してきたのだが、その直ぐ後に、コーディーへと話し掛ける女の声が響いた。


「姉様!」


 コーディーがその女を姉と呼ぶ。つまりはこの女も親族か……。

 そこには大人の女が醸〈かも〉し出す妖艶なる美女がいた。

 ルーフェンスの親族は、やたらと顔の整っている者が多い。思わずまたかと思ったぐらいだ。髪の色や顔立ち、瞳の色も各々違うし、雰囲気なんかも全く似ていない。だが、これ程似ていないというのに何故か同族だと納得出来てしまえる共通性があるのだ。

 それは得体の知れない胡散臭さ。人間だというのに、逆らってはいけないと本能が囁くのだ。こんな胡散臭い連中に溺愛されるコーディーは凄いなと心底思った。
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