奇跡の確率

カザハナ

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59 (クリス視点 2)

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 コーディーが姉と呼ぶ女は、ルーフェンスに説教をした。あの、地霊族にすら飄々としているルーフェンスにだ。

 その上、リックジィー=ジードと名乗った長にも自身の意見を述べているが、私はコーディーを甘やかす気はあっても害になる気はない。勝手に切り捨てないでもらいたいのだが?

 すると、長が奇妙な事を言い出す。

 コーディーと会わせないように考える?私が?

 確かに私は独占欲も強いし、嫉妬深いと自覚しているが、コーディーが義父の親族をとても大切にしているのを知っているし、家族だと言うコーディーの言葉を疑っている訳ではない。

 コーディーが私だけを頼るようになればと思いはするが、コーディーを孤立させる気はない。そんな事をすればコーディーはきっと笑わなくなる。私は彼女コーディーの笑顔を無くしたくない。だから私は、この先必ずある、コーディーとの別れを何がなんでも受け入れなければならない。コーディーがこの先、奇跡的に私だけを一人の男として受け入れてくれたとしても、人間と翼有人では寿命の長さが違うのだ。そんなコーディーと少しでも長く、嫌われないようにするには、彼女の大切な人や物を無理矢理彼女から引き離さない事。

 ――いくら私の想いが強く深いものでも、押し付け過ぎてはいけない。でなければ、きっと――


「大丈夫だよジジ様。クリスは僕が悲しむことはしないから」


 私はコーディーを失いたくない。だからこそ、コーディーの望みを叶えたい。

 人は変わる。だが、私に向けるその揺るぎない好意と眼差しは、ずっとそのまま変わらずにいて欲しいと心から思う。

 コーディーが姉と呼ぶ女が宴を開きたいと言えば、コーディーが自分の家でと言い、わざわざ私に聞いてくる。


「皆僕の家族だけど、クリス良い?」


 私を見上げ、背の高さから必然性になる上目使いで首を傾げるコーディー。

 自身の可愛さを少しは自覚してもらいたい。私が抱き締めたい衝動に駆られながらも我慢して微笑めば、嬉しそうに頬をピンクに染めて緩やかに微笑むコーディー。

 この姿を見て男や子供と思う奴はいない。現にコーディーが姉と呼ぶ女の妖艶な色気に当てられ遠目でこちらの様子を見ていた男達が、コーディーの子供っぽくない女の顔に、視線をチラチラ向けてくる。

 残念だったな?これは私に向けられたもので、お前達に向けたものじゃない。悔やむなら、自身の見る目のなさを悔やむ事だ。

 コーディーが姉と呼ぶ女が私に名乗る。本当なら興味ないと言いたいが、相手はコーディーが慕う親族。覚えていても損はない。

 コーディーがカバンから一通の手紙みたいな物を差し出し、この地の地霊族の招待状だと言う。そして長達と一緒にいてくれるかと、再び私を見上げ、上目使いで首を傾げる。

 どうでもいい相手ならともかく、そんな可愛いポーズで惚れた女にお願いされて、断れる男はいないと思うぞ?

 ルーフェンスが長の前ではあまりいちゃつかない方が良いと忠告するから我慢はするが、二人になったら存分に堪能させてもらうからな!
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