奇跡の確率

カザハナ

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 一日目は見習いの試合が主で、試合自体はサクサク進む。

 さすがに見習いで、金の目を惹くという者は殆どいない。本部を受ける人は大概自信がある者達だけど、遠方から受けにくる者もいて、本部で落ちたけど諦めきれなくて支部を受け直す人も少なくない。

 ただ、中には腕に自信はあるけど本部にまで行くことができない事情がある人もいるわけで、そういった人達の中に、僕達金が育てたいと思える人が稀にいる場合もある。


「う~ん。悪くはないけど、粘りがないな」

「根性が見られない。相手の出方を伺〈うかが〉い過ぎ」

「退屈」

「言うな」

「うわっ、こいつ、黒っ」

「フェイントばかりだけど、それだけじゃなぁ」

「ジルと気が合うんじゃない?」

「あー、無理無理。動きが単調で面白くない」


 ……うん。いつものことだけど、様々な意見が出てくるなぁ。

 数試合を見ながら、皆言いたい放題口にする。まあ、ちゃんと見ての意見だし、見てないよりは良いよね。


「コーディーみたいなのが来れば面白いのになぁ」

「何で僕?ってか、ジルの面白度合いって僕を基準にしてないよね?」

「コーディーは規格外だからな。普通見習いが、金の訓練参加する気力や胆力なんて出ないぞ。しかもちゃんと付いてこれた事の方が驚きだ」

「あれはショックだったよ。見習いに同等の訓練クリアされるんだから。プライドがズタズタ」


 そう言う割りには頬が緩んでるよアンバー。


「ルーが早々回収してくれて助かった。もしコーディーが武術大会に出場して、ルー以外の金が選ばれたなら、負ける可能性が大いにあったからな」


 ジェイの言葉に他の金が頷く。

 まあ、僕は地霊を遊び相手にしてたからねぇ。ルー兄以外なら勝算はあっただろうけど、多分ルー兄がいなかったとしても、ケイド様が早々金のペアに推薦したと思うよ。


「ほらほら、お喋りはいいけれど、試合もちゃんと見なきゃ駄目だよ?僕はコーディーがいるから今の所ペアを育てる気はないけど、君達はちゃんと探さなくちゃ。次世代の金が見付かるかどうかは君達に委〈ゆだ〉ねられているんだから」


 見付からない時はとことん見付からないらしいからね。金が全くいないという時期もあったそうだけど、それはそれで大変だったみたい。主にケイド様が。

 でも、ケイド様は金に妥協する気はないって言ってたなぁ。ノルマもだけど、ケイド様が信頼できるかどうかも重要だからね。

 ジルなんてよく、何であの人が金?って言われたりするけど、やる時はとことんやる人だ。普段は面白がり屋で気分屋でもあるけど、やると決めたら絶対やるし、口や態度は軽いけど、金であることにちゃんと誇りを持ってるからね。

 まあ僕もよく、見た目で似たようなこと言われるけど、ケイド様は見た目や態度ではなく、中身をちゃんと知った上での判断だから、金をもらった時は本当に嬉しかったよ。
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