奇跡の確率

カザハナ

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 金に挑戦できるのは、各等級の上位三名。

 見習いはサクサク進んで決まるのが比較的に速いけど、等級が上がれば上がる程、決着に時間が掛かる時の方が多い。そして、見習いや初出場者に多いのが、金の挑戦相手に僕を選ぶこと。

 普通に考えて、見た目で勝てそうとでも思ってるんだろうけど、僕は金の中でも上位なんだけどなぁ。しかもスタミナがあるから、挑戦者全員に指名されてもどうってことないんだよねぇ。多分、一遍〈いっぺん〉に相手しても、楽勝だと思うよ。

 まあ、一度僕を指名した人は大概次に出場したとしても、僕以外の金を選ぶことが多いけどね。多分負けたあと、他の観戦者に散々言われるんじゃないかな?もっと頑張れよとか、情けないとか、相手が悪かったなとか。

 二年に一度の金の演武を見たことある人は、僕が見かけ倒しじゃないって理解できるだろうし、一度でも見たことある人は、わざわざ僕を指名しようとする気になれないそうだよ。

 ただ、本音を言うなら、僕の実力を理解した上で、挑戦してくる根性と気概を見せてくれると嬉しいんだけどなぁ。

 多分金の皆もそう思ってると思うよ。

 今回はトーナメント形式だから、三十分ではなく最終日の大半を使うだろうけど、金の本格的な手合わせなんて、滅多に観れる物じゃないから、相当盛り上がると思う。そもそも金のトーナメント戦なんて、金の人数がある程度揃わなきゃできないし、こういった大会ですること自体が珍しいからね。

 今回は特に、カーネルが金を軽んじてるようだから、ケイド様が信頼する金が実際どれ程の物か見せ付けるためと、誰に喧嘩売ったのか解らせるため、あとはカーネルみたいな考えしたら後々怖いよってことを皆に知らしめるためって所かな?何せ、僕の逆指名の次に、このトーナメント戦を持ってきてするんだから。金に目を付けられるというのがどういうことか、身をもって知ってもらわなきゃって意味合いもあるよね。

 僕個人のみを笑い者にしてたなら、その場での教育的指導だけで、ここまで大事にはならなかったんだけど、実力以外でも金になれるなんて勘違いされてるのにはちゃんと正さないと、他の金にも迷惑だからね。

 お父さんと似た声で、スッゴク嬉しかったけど、中身があれじゃあ親しみもなくなるよ。

 僕のお父さんはあんな風に人を笑い者にしたりしないし、ヘタレでもなければ怒鳴って人を威嚇するようなこともしない。僕にとって自慢のお父さんだ。だからこそ、そのお父さんと似た声の人が、あんなのなんて残念でしかないけどね。
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