奇跡の確率

カザハナ

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 休憩を何度か挟み、見習いの一回戦目が終盤に差し掛かる頃。


「ん?こいつ、見習いにしちゃあそこそこ良い腕してるぞ?」

「だね。どこかで武術習ってたのかな?」


 僕がジェイの言葉に応えながら、試合開始の合図を待つ。

 今目の前に立つ見習いの一人は、立ち姿からして他と違う。多分、武術の心得がある人に学んでいたんじゃないかな?独学でだと、中々お目に掛かれない基礎から学んだ無駄のない動きが所々見受けられるように思う。といっても、まだまだではあるが。


「ああ、やっぱり。これはどこかで習ってた口だな」


 もちろんこういった、武術を習ってた人も配達人を目指す人は多いし、実際今目の前にいる彼以外にも、それっぽいのは何人かいた。ただ彼は、その中でも上位に入るだろう動きをしてる。


「キレもあるし、足腰の使い方が良い。ただ、素直なのか真っ直ぐ過ぎて読みやすいな」

「うん。あれだと、変則的な独学系武術とか、相手の力を利用する類いの武術とかに翻弄〈ほんろう〉されまくるんじゃないかな?」

「ああ、コーディーが得意とする系統ね。でも気付いてる?あの子、時々コーディーに熱視線を送ってきてるよ」

「相変わらずだなコーディー。見習いにモッテモテ~♪」

「だから、こんなモテ方いらないよ……」


 アンバーやジルの言葉に僕はガックリ肩を落とし、溜め息を吐く。

 気付いてたよ……。結構敵意剥き出しで見てくるんだもん。気付かない方がどうかしてるって。


「コーディーはパッと見、隙が多いように見えるからな。一般人だと言われても全然違和感がない。俺から見てもそう見える。そこが怖い所だがな」

「ああ、それ解る。コーディーの場合、コーディーが闘志を剥き出しにしたら、威圧が半端なく只者じゃないって気付けるけど、普段は全然そんな事ないから、闘ってる所を見ない限り、実力が全然掴めないんだよね」


 そう言われても、僕的にはこれが普通なんだけど……。そもそも護身術とか武術系は物心付く前からお母さんが教えてくれてたし、たまにお父さんも相手してくれてたけど、二人共、今の僕より強かったと思うよ?

 お母さんは、森人〈エルフ〉に教えてもらったり、過去の武人の闘い方や訓練を見て、できそうな物を真似たりしただけよって言ってたけど、普通真似しようとしてもできないし、森人は戦闘能力が高い種族なんだって父様が言ってたからね。
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