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~地球動乱編~
第25話 真紅の辛苦
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どこだ……ここ……
俺は…………
そうだ。火事の現場に飛び込んで――
煙を吸って倒れてしまったんだっけ。という事は病院か?
だんだん意識がはっきりしてきたコウイチロウは立ちあがって周りを見回した。どうやら、火事の被害者が一斉に大部屋に詰め込まれた様だ。見覚えのある会社員が二人、ベッドに寝かされている。
二人はコウイチロウ(の分身)が救った最後の脱出者の様で、その内の一人がテレビに文句を言っている。どうやらテレビでは今日の火事のニュースがとりあげられているようだ。
『本日16時頃、D地区のビルから火が出ているとの通報があり…………現場に消防士が駆け付けたところ、既に逃げ遅れた人々はスターレッドによって救出されており、現在までのところ死者・行方不明者は確認されておりません』
「スターレッドは役員優先で救助しやがったんだ! 後からまた来てくれたけど……。本当にヒーローかよ!」
「それ、本当ですか?」
「ああ! 助かったからよかったようなものの……」
とするとあのインタビューを受けていたスターレッド(偽)は戻る気はなかったってことか……。こいつはいよいよほっとけなくなってきたぞ。どうにかしてソウイチさんと連絡を取らないと……。こうなったら多少強引でも『操作』を使ってビル内に潜り込むか。
その時、コウイチロウの様子を見に来た看護師が、彼がベッドから抜け出しているのを見て注意した。
「目を覚まされていたんですか? でしたらすぐに起き上がらないでしばらく安静にしてくださらないと! 意識ははっきりしているようですね。さ、ベッドに横になって!」
「あ、ハイ。スイマセン……」
「見たところ外傷もないようですし、検査を済ませていただければ退院していただいて構いませんので」
「わかりました! スイマセン!」
コウイチロウは目一杯頭を下げ、ベッドに横たわった。
しばらくすると医師が現れ、脳波の測定やレントゲンなどの検査を一通り終えた。特に問題が無いようなので、何かあったらすぐ病院に来てくださいとだけ付け加えて医師はコウイチロウを帰した。
さて、今日は色々あって疲れたから明日の朝、ビルに侵入してみるか……。
翌日、三度、天川重工業のビルを訪れたコウイチロウは受付の女性を『操作』し、入館許可証を手に入れた。余り派手に動き回ると受付の女性が責任を取らされそうなので、コウイチロウはなるべく目立たないようにビル内を進んだ。
「ここだ……」
以前会談した時に案内された副社長室にたどり着いたコウイチロウは律儀にドアをノックした。
「すいません、俺です! ホシザキです! 申し訳ありませんが訳あってビルの中に入らせてもらいました!」
…………
中から人の気配はしない、か……。
ええい。ここまで来たら手ぶらでは帰らんぞ!
コウイチロウは少しヤケ気味に副社長室のドアを開けた。しかし、予想通り中には誰も居なかった。
やってることが泥棒じみて来たな。ん? まずい! 誰か来るっ!
「副社長? お戻りになられたんですか?」
「副社長はご不在ですか?」
コウイチロウは秘書らしき女性と目を合わせた。
「はい。三週間ほど前から休暇をとられております」
「休暇!? 家には帰ってないそうですけど?」
「仕事のし過ぎは良くないのでしばらく休暇をとる。プロジェクトは社長直属で進めてくれとメールがございましたので」
「どうなっているんだ……」
そうこうしているうちに副社長室に警備の人間が集まりだした。
「すいません、留守中の副社長室に立ち入りがあったようなんですが……」
「問題ありません。こちらはホシザキ コウイチロウ様です」
「アポイントは取られておられますか? と言っても取れるはずがないんですがね」
まずいことになってきた……。どうにかして切り抜けないとこの人数相手に『操作』はかけられない……!
すると警備員の後ろから現れたのはなんと、スターレッドだった。
「お知り合いとの事ですが、申し訳ありません、一旦ご同行願えますか?」
「あ、あれ!? ソウイチさん!!」
「え?」
「今だっ!」
全員の視線が後方に集まった隙にコウイチロウは全速力で駆けだした。そして、防火扉の裏に隠れると、スターレッドに変身し、三人に分かれた。
とりあえずこれでしばらくかく乱できるだろう。ビルの外に逃げたら変身を解いて逃げよう。
ん? ここは社長室……。確か社長はソウイチさんのお父さんだったな。ワンマンでやり手だとか……。
「ホシザキ コウイチロウがビルに現れただと!?」
!?
「必ず捕らえろ! 多少痛めつけても構わん! スターレッドを集結させろ!」
どういうことだ? 訳が分からない。ここはいっちょカマをかけてみるか。
「お呼びですか! 社長!」
コウイチロウはスターレッド(偽)の振りをして社長室に入った。
「おお! ホシザキがビル内に現れたらしい。君達スターレッド隊の力で奴をとらえてくれ!」
「ホシザキの奴は一体何をやったんですか!?」
「君達は捕らえさえしてくれればいい。余計な口は挟むな。プロだろ?」
プロ? なんのプロだ……。『操作』は……。マスク越しじゃ無理か。
「社長! プロとして対象の素性は知っておきたい!」
「奴はな。本物のスターレッドだ」
偽物を使って何か企んでいるのか? クソッ、『操作』さえ使えれば……。
とにかく一旦この場所から離れよう。
「なるほど。わかりました! 必ずひっ捕らえてきます!」
「うむ。くれぐれも大事《おおごと》にせぬように」
痛めつけろとか大事にするなとか無茶なこと言う人だ。
コウイチロウは心の中でツッコむと回れ右をして退散した。
「ふぅ、ここまでくれば大丈夫だろう」
「しかし、偽物のスターレッド隊か……何人いるんだ?」
今日の事は一応カレンにも報告しておこう。ソウイチさんが気がかりだ。
「もしもし? カレンか?」
「もしもし? コウイチロウ? どうしたの? 会社はあなたの事探してるみたいだけど」
「やっぱりか。こっちはソウイチさんの事なんだけど」
「何かあったの!?」
「3週間くらい前から休暇を取ってるって」
「家にも寄らずに休暇!? あり得ないわよ!」
「俺もそう思う。それと、ソウイチさんの親父さん」
「コウゾウさんの事?」
「そう。何かスターレッドを使ってよからぬことを考えているかもしれない」
「思ってた以上にヘビーな事態みたいね」
「ああ」
コウイチロウは考えていた。
スター装備……ソウイチさんの失踪……社長の企み……
またしても地球に危機が訪れようとしている。
俺が、俺がみんなを守るんだ。調星業は一旦休業だ。
スターレンジャー星の危機に再び参上!
俺は…………
そうだ。火事の現場に飛び込んで――
煙を吸って倒れてしまったんだっけ。という事は病院か?
だんだん意識がはっきりしてきたコウイチロウは立ちあがって周りを見回した。どうやら、火事の被害者が一斉に大部屋に詰め込まれた様だ。見覚えのある会社員が二人、ベッドに寝かされている。
二人はコウイチロウ(の分身)が救った最後の脱出者の様で、その内の一人がテレビに文句を言っている。どうやらテレビでは今日の火事のニュースがとりあげられているようだ。
『本日16時頃、D地区のビルから火が出ているとの通報があり…………現場に消防士が駆け付けたところ、既に逃げ遅れた人々はスターレッドによって救出されており、現在までのところ死者・行方不明者は確認されておりません』
「スターレッドは役員優先で救助しやがったんだ! 後からまた来てくれたけど……。本当にヒーローかよ!」
「それ、本当ですか?」
「ああ! 助かったからよかったようなものの……」
とするとあのインタビューを受けていたスターレッド(偽)は戻る気はなかったってことか……。こいつはいよいよほっとけなくなってきたぞ。どうにかしてソウイチさんと連絡を取らないと……。こうなったら多少強引でも『操作』を使ってビル内に潜り込むか。
その時、コウイチロウの様子を見に来た看護師が、彼がベッドから抜け出しているのを見て注意した。
「目を覚まされていたんですか? でしたらすぐに起き上がらないでしばらく安静にしてくださらないと! 意識ははっきりしているようですね。さ、ベッドに横になって!」
「あ、ハイ。スイマセン……」
「見たところ外傷もないようですし、検査を済ませていただければ退院していただいて構いませんので」
「わかりました! スイマセン!」
コウイチロウは目一杯頭を下げ、ベッドに横たわった。
しばらくすると医師が現れ、脳波の測定やレントゲンなどの検査を一通り終えた。特に問題が無いようなので、何かあったらすぐ病院に来てくださいとだけ付け加えて医師はコウイチロウを帰した。
さて、今日は色々あって疲れたから明日の朝、ビルに侵入してみるか……。
翌日、三度、天川重工業のビルを訪れたコウイチロウは受付の女性を『操作』し、入館許可証を手に入れた。余り派手に動き回ると受付の女性が責任を取らされそうなので、コウイチロウはなるべく目立たないようにビル内を進んだ。
「ここだ……」
以前会談した時に案内された副社長室にたどり着いたコウイチロウは律儀にドアをノックした。
「すいません、俺です! ホシザキです! 申し訳ありませんが訳あってビルの中に入らせてもらいました!」
…………
中から人の気配はしない、か……。
ええい。ここまで来たら手ぶらでは帰らんぞ!
コウイチロウは少しヤケ気味に副社長室のドアを開けた。しかし、予想通り中には誰も居なかった。
やってることが泥棒じみて来たな。ん? まずい! 誰か来るっ!
「副社長? お戻りになられたんですか?」
「副社長はご不在ですか?」
コウイチロウは秘書らしき女性と目を合わせた。
「はい。三週間ほど前から休暇をとられております」
「休暇!? 家には帰ってないそうですけど?」
「仕事のし過ぎは良くないのでしばらく休暇をとる。プロジェクトは社長直属で進めてくれとメールがございましたので」
「どうなっているんだ……」
そうこうしているうちに副社長室に警備の人間が集まりだした。
「すいません、留守中の副社長室に立ち入りがあったようなんですが……」
「問題ありません。こちらはホシザキ コウイチロウ様です」
「アポイントは取られておられますか? と言っても取れるはずがないんですがね」
まずいことになってきた……。どうにかして切り抜けないとこの人数相手に『操作』はかけられない……!
すると警備員の後ろから現れたのはなんと、スターレッドだった。
「お知り合いとの事ですが、申し訳ありません、一旦ご同行願えますか?」
「あ、あれ!? ソウイチさん!!」
「え?」
「今だっ!」
全員の視線が後方に集まった隙にコウイチロウは全速力で駆けだした。そして、防火扉の裏に隠れると、スターレッドに変身し、三人に分かれた。
とりあえずこれでしばらくかく乱できるだろう。ビルの外に逃げたら変身を解いて逃げよう。
ん? ここは社長室……。確か社長はソウイチさんのお父さんだったな。ワンマンでやり手だとか……。
「ホシザキ コウイチロウがビルに現れただと!?」
!?
「必ず捕らえろ! 多少痛めつけても構わん! スターレッドを集結させろ!」
どういうことだ? 訳が分からない。ここはいっちょカマをかけてみるか。
「お呼びですか! 社長!」
コウイチロウはスターレッド(偽)の振りをして社長室に入った。
「おお! ホシザキがビル内に現れたらしい。君達スターレッド隊の力で奴をとらえてくれ!」
「ホシザキの奴は一体何をやったんですか!?」
「君達は捕らえさえしてくれればいい。余計な口は挟むな。プロだろ?」
プロ? なんのプロだ……。『操作』は……。マスク越しじゃ無理か。
「社長! プロとして対象の素性は知っておきたい!」
「奴はな。本物のスターレッドだ」
偽物を使って何か企んでいるのか? クソッ、『操作』さえ使えれば……。
とにかく一旦この場所から離れよう。
「なるほど。わかりました! 必ずひっ捕らえてきます!」
「うむ。くれぐれも大事《おおごと》にせぬように」
痛めつけろとか大事にするなとか無茶なこと言う人だ。
コウイチロウは心の中でツッコむと回れ右をして退散した。
「ふぅ、ここまでくれば大丈夫だろう」
「しかし、偽物のスターレッド隊か……何人いるんだ?」
今日の事は一応カレンにも報告しておこう。ソウイチさんが気がかりだ。
「もしもし? カレンか?」
「もしもし? コウイチロウ? どうしたの? 会社はあなたの事探してるみたいだけど」
「やっぱりか。こっちはソウイチさんの事なんだけど」
「何かあったの!?」
「3週間くらい前から休暇を取ってるって」
「家にも寄らずに休暇!? あり得ないわよ!」
「俺もそう思う。それと、ソウイチさんの親父さん」
「コウゾウさんの事?」
「そう。何かスターレッドを使ってよからぬことを考えているかもしれない」
「思ってた以上にヘビーな事態みたいね」
「ああ」
コウイチロウは考えていた。
スター装備……ソウイチさんの失踪……社長の企み……
またしても地球に危機が訪れようとしている。
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