神なのか?

モモん

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第一章

第7話 魔法陣って何でしょう?

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「何でヤケイのタマゴなんて食べるんでしょう?」

「その理由を確かめるために来ているんでしょ。彼がどんなものを食べているのか、興味がないんですか?」

「そりゃあ、興味はありますけど……あれっ、この路地、いつの間に舗装されたんですかね。」

「君が彼を案内した時には未舗装だったんだね。となると、彼がやったと考えるのが妥当だね。」

「そうですね。短期間で城外をあんな風に変えちゃうひとですし、ほら、城壁の向こうに見えるドームあるでしょ。」

「ああ、銀色だが……まさか、鉄なのか?」

「鉄の合金でステンレスという金属だそうです。錆びにくい金属だと聞きました。」

「そんな合金を、どうやって作ったんでしょう。あんな大きいドームを作れるほど……」

「なあ、確かここだったよな。」

「はい。壁や門が奇麗になっていますので、一瞬別物かと思いましたけど、間違いないです。」

「庭に敷き詰めてあるのは焼きレンガで、確か30年以上前の建物だったよな……」

「はい。1カ月前までは……」

「多分、金と時間をかければ改修できると思うが……」

「何で、城壁の向こう側のドームに橋がかかっているんですか?」

「金貨500枚くらい使って、1年かければこれ全部を作れない事もないだろうな。」

「貴族のお屋敷レベルですね。」

「あれっ、門の手前に……なんか、門に触れませんけど……」

「……この先に進めない……どうなっている。」

 そこへ彼が顔を出す。

「あっ、すみません。今、結界を解除しますねっ!」

「け、結界って何でしょう?」

「この感じだと、物理障壁みたいなものかもしれんな……」

「あっ、門が開けられました。そういえば、外の柵も最初は触ることができなったですね。」

「この敷地だけじゃなく、城壁外もカバーする障壁……」

 3人は開けられたドアから建物に入っていく。

「あっ、この建物は土足禁止なので、靴を脱いでこっちのサンダルに履き替えてください。」

「な、なんで?」

「俺、裸足の方が好きなんですよ。こうした方が家の中は汚れないし、食事や寝る時も気持ちいいでしょ。」

「そんな事、考えたこともありませんでした……」

「それで、この床や壁も……新築のように見えるんですが……」

「ああ、全部魔法で作り変えました。」

「ロビンの魔法は凄いの。」

「そう。魔法で、私の指も生えた。」

「えっ?」

「あっ、単なる治癒魔法ですよ。」

「それで、この子供たちは……奴隷でしょうか……」

「そうですね。一応、契約書はありますけど、まあ、奴隷というよりも同居人ですかね。」

「それで、天井で光っているのは何でしょう?」

「ライトの魔法陣を使った魔道具ですよ。」

「ライト?」

「魔法陣って?」

「魔道具?」

「えっと、お答えする前にテーブルにどうぞ。」

 ポチとミケが小さなメイド服姿で案内する先には、マリーとリズがお揃いのメイド服姿で迎える。

「お待ちして堕ちました。どうぞお描けください。」

「こちらのお二人は?」

「一応契約上は奴隷になります。まあ、近いうちに破棄しますけどね。」

「なぜですか?」

「理由はないですよ。例えばマリーは公爵家でメイド長の実績があります。」

「公爵家のメイド長!」

「彼女は優秀ですよ。これから召し上がっていただく料理も、彼女がアレンジしてくれましたし、子供たちの教育も任せきりです。」

「とんでもございません。全てはご主人様のご指導の成果でございます。」

「じゃあ、マリーさん、料理をお願いします。」

「かしこまりました。」

「じゃあ、さっきの質問にお答えします。まず、ライトはモノを光らせる魔法です。こんなふうに”ライト”!」

「フォ、フォークが光った……」

「こんな魔法があったら、ダンジョンの探索でも……」

「ええ、俺はCランク冒険者なので、ダンジョンで使っています。」

「でも、そんな魔法……聞いたことがないですよ。」

「そうですね、最近俺が編み出した魔法ですから。」

「……編み出した?」

「そう、こんな魔法があったらいいなって考えて、自分で詠唱を工夫するんです。まあ、編み出してからは詠唱を省略していますが、魔法の基本は詠唱を構築して実現する事にありますからね。」

「いやいや、魔法の基礎って、魔力を練って詠唱に沿って活性化する事ではないんですか。」

「そうです。受け継がれてきた詠唱を教えてもらって……」

「何で、この詠唱がこういう現象を引き起こすのか。大事なのはそれを分析して理解することですよ。教わった事だけやればいいのなら、この子たちにもできますよね。」

「まさか、この子たちも魔法を使えるんですか?」

「身体強化とライトは無詠唱で使えますね。火が少し苦手みたいですけど、氷系は中級まで無詠唱でいけますよ。」

「それで、魔法陣というのは何ですか?」

「詠唱部分を簡略化して文字にして円陣の中に書き込むんです。その円陣に魔力を流すと、書かれた魔法が発動する。」

「理屈は分かりますが、それなら無詠唱で発動した方が早いですよね。」

「例えば、魔法を知らないマリーのような一般人が、いきなり襲われたらどうしますか?」

「もしかして、魔法陣を使えば私でも魔法が使えるんですか?」

「そういう事です。例えば、この腕輪には物理障壁と魔法障壁の性質をあわせた結界という魔法陣が書き込んであります。ちょっと腕にはめてみてください。」

「わ、私でいいんですか?」

「ええ、お願いします。……はめたら、そこの円盤部分に指をあてて魔力を流してみてください。」

「ま、魔力の流し方なんて……」

「イメージですよ。魔力っぽいものをイメージして、その腕輪に流れていく感じを思い描いて、そう。」

 一瞬、腕輪から淡いエフェクトが立ち昇る。

「今、サリナさんから腕輪に魔力が泣かれて、結界が発動しました。」

「結界って、この家に入ろうとした時に、門に触れなかった……」

「ええ。ここの敷地だけじゃなく、城壁外にも展開してあります。」

「それは、どれくらいの効果が?」

「えっと、大砲は無効化できるし、小銃や剣戟、上級魔法も弾くし、生物も侵入できないですね。」

 そういいながら、ロビンはサリナの手のひらに持っていたフォークを振り下ろした。
 サリナのキャーッという悲鳴が響き渡り、咄嗟に止めようとする職員二人。

 フォークは手のひらに刺さらずに折れ曲がっている。

「こ、これは……」

「魔法を知らないサリナさんでも、魔法の効果を受けられる。これが魔法陣です。まあ、1時間くらいで、効果は切れますけどね。」

「ひ、酷いです……」

「ああ、すみません。お詫びにその腕輪は差し上げますよ。」

「えっ、いいんですか!」

「いいですよ。ちょっと技術が必要なので、複製は難しいでしょうから。」

「こ、これを量産して兵士に持たせれば……」

「そんな面倒くさいのは却下です。」

「ですが……」

「イヤだと言ってるんです。」

「……失礼しました。」

「さあ、料理を召し上がってください。マリー、料理の説明をお願いします。」

「はい。こちらの黄色いものは焼いたもので、チーズオムレツになります。」

「うっ、切ったらチーズがトロっと出てきた。」

「上にかかっているソースは、トマトを煮詰めた感じね。タマゴのフンワリ」感とチー時のコク、トマトの酸味と甘味が際立っています。」

「タマゴにこんな食べ方があったなんて感激です!」

「確かに、公爵家のメイド長が作っただけの事はある。」

 3人は、初めてのオムレツを絶賛していた。


【あとがき】
 商業ギルド職員による家庭訪問
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