神なのか?

モモん

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第一章

第11話 パパと呼ばないで

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 新規事業プロジェクト主任のオルドーという男に彼は応えた。

「ああ、冒険者ギルドに迎えに来た奴か。」

「答えは!」

「何のだ?」

「貴様!立ち退き以外に用はないと分かっているだろう!」

「お前、今回の事業がどんなものなのか理解してるのか?」

「なにぃ?」

「新規事業の構想に最適なのは東門付近だ。この辺りに影響はない。」

「それはお前には関係のない話しだ。南都として北部が最適と判断し、決定された事項だ。」

「誰が決定したんだ?プロジェクト責任者とかいう侯爵……いや伯爵だったか?」

「お前が知る必要はない!」

「いや、俺は帝都側でその事業の企画に加わる予定なんだ。少なくともお前らよりは内容を知っているぞ。」

「バカな。そんな事があるハズはない。」

「元々が具体的な計画ではなかったからな。帝都としても、予備調査という指示しか出していないんだよ。」

「ええい、戯言は不要だ。立ち退くのかどうか返事をしろ!」

「拒否するが、立ち退きを要求するなら都の指示書が必要だよな。それを見せてくれ。」

「都の決定に逆らうというなら実力行使をするまで、撃て!」

「オルドー様、今回は威嚇だけと聞いていますが……」

「煩い!俺の命令は伯爵の命令と同じだぞ!」

 そういってオルドーは兵士から小銃を奪って引き金をひいた。
 パーンと大きな音がして、玉は彼の1mくらい右上で弾けた。
 勿論、結界で弾かれたのだ。

「あらら、城壁内での不用意な発砲は違法だよな。禁固5年だったか……」

「な、何故だ……」

「お前らの武器じゃ、ここの護りは突破できないんだよね。さて、兵隊さん、そこの犯罪者を拘束してくれないかな?」

「い、いや、しかし……」

「お、お前たち、何をしている!犯罪者を捕らえろ!」

「犯罪者はお前だって。オルドーとか言ったな。今回の事は誰の許可を得てやっているんだ?」

「俺の言う事を聞け!」

「さて、兵士諸君。責任者は誰かな?」

「……」

「聞き方が悪かったか。ここに行けと指示したのは誰かな?」

「……バッタン小隊長です。」

 彼はオルドーの意識を乗っ取った。

「オルドー、お前に指示を出したのは誰だ?」

「……ラグレー課長。」

「元はエキュルバー伯爵の指示じゃないのか?」

「……分からない……」

 彼は手錠を作り、オルドーの手を後ろに組ませて手錠を嵌めた。
 そのうえで、都庁に向かう。
 ちなみに、大砲は訓練で使う木製のハリボテだった。

「それで、小隊長ってのはどこにいるんだ?」

「西門の外側にある訓練場です。」

「面倒だな……」

 彼は自分が地球で乗っていた四駆ランクレ250を創造した。
 黒ボディーで3列シート7人乗りのランクレなら、この世界でも使えると判断したのだろう。
 追加の機能としてエンジン始動と同時に全方向の結界を発生させ、飛行機能も付与する。
 上昇と下降はハンドルに付けたボタンで操作するのだ。

 オルドーを後部座席、直前に応じてくれた兵士が助手席に乗る。

「こ、これは何でしょうか?」

「蒸気機関で走る馬車みたいなものだ、気にするな。」

「はあ……」

 彼がブオーンとエンジンをかけると、兵士はビクッと反応した。
 シフトレバーをドライブにしてアクセルを軽く踏む。
 ランクレはオートマチック車だった。
 町中ではせいぜい時速20km程度だ。

 西門を出て兵士の誘導で訓練場へ到着。
 兵士を使って小隊長というのを呼び出して精神を支配する。

「オルドーの指示に従ったのは誰の命令だ?」

「……俺の判断だ。」

「何か見返りがあるのか?」

「……金貨3枚だ。」

「エキュルバー伯爵は関係してるのか?」

「……関係ない。」

 どうやら、この小隊長とやらの独断だったようだ。
 彼はこの小隊長も後部座席に押し込んで都庁に向かう。

 都庁でドノバン課長を呼び出し、事情を説明して一緒にプロジェクトのラグレー課長を呼び出す。

「初めまして。冒険者ロビンと言います。」

「オルドー、これはどういう事だ!」

「彼は町中で俺に対して発砲しました。これは犯罪行為ですよね。」

「……俺は知らん!」

「オルドー、お前はラグレーから何と指示されたんだ?」

「……兵士を連れて行き、冒険者ロビンを立ち退きさせろと。言う事を聞かなければ始末しろと言われた。」

「バ、バカなことを!」

「さて、具体的な計画もないのに、何で俺の立ち退きが決まったんだ?」

「そ、それはプロジェクト内で決まったからだ!」

「俺を始末するというのも?」

「い、いや、そんな指示は出していない。オルドーの独断だ!」

 結局、その課長に共謀した全員の名前を白状させて、総括局長経由で伯爵を拘束してもらい、立ち退きは取り消しとなった。
 ついでに彼から総括局長に帝都の事業概要が説明され、承認され次第具体的に動くよう根回しされる。

 そして1カ月後、無事に計画が承認され彼は正式に帝都側のプロジェクトメンバーになった。
 この鉄道計画には一部変更があり、工事は帝都と南都の両側から工事を進めていき、5年で全線開通を目指す事になる。
 既に何度も下見を行っているため、川などには鉄筋コンクリートで橋がかけられている。
 ここから先は両方の行政が工事を進めていく。

 彼は機関車の設計と製造にも加わり、1年で試作品が完成した。

 次のステップとして、彼ロビンは発電の原理を帝都と南都に持ち込んだ。
 蒸気機関で発電機を回して電気を得るのだ。
 これが発展し、明るい照明が開発されれば夜間の鉄道運行も可能となる。


「えっと、ミケとリズが12才でポチが13才。大きくなったな。」

「私も49才になりました。」

「はいはい。マリーさんも大きくなりましたね。」

「そうなんです。特に胸のあたりが。」

「やめろ!揉むな!」

 子供たちはマリーの教育により、読み書きと計算、それに家事スキルも相当あがっている。
 ミケとポチは、本人たちの希望があって冒険者登録し、時々だが彼と一緒に依頼をこなしていた。
 元々の身体能力の高さに加えて、身体強化を覚えた二人はとんでもない力を見せてくれた。
 
 ミケはチタン製のかぎ爪を装備し、ポチはメリケンサック装備で打撃に特化している。
 二人ともBクラスモンスターのサイクロプス程度なら余裕で倒せてしまう。

「二人とも、もう独り立ちできるな。」

「まあね。」

「ロビンさんのおかげだね。」

「もし、産まれた里に帰りたければそうしていいんだぞ。奴隷の契約書はもう破り捨てたしな。」

「何で?」

「ミケ達の事……嫌いになった……の?」

「そうじゃないよ。お前たち二人は家族だと思っている。でも……」

「どこにもいかないよ。」

「うん。……ミケは……パパの子供になった……思ってる。」

 二人の目がウルウルしていた。
 それで、彼は自分が二人に残酷なことを言ったのだと理解した。

「ごめん。二人とも俺の娘だよな……」

 ウンと頷いて二人が彼に抱きつく。
 イヤイヤ、二人ともそろそろ女のこっぽい体つきになっており、柔らかいものが彼の体に当たっている。
 彼は17才の少年なのだ……中身は30才を超えたオッサンなのだが。
 彼は思い返す。ロビンの体に入ってから、そういう性的感情は起きないし、体の変化もない。
 49才とはいえ、マリーだって十分魅力的な女性なのだが、性的衝動は起きない。
 まあ、彼に子供を作る気はないので問題ないが……


【あとがき】
 ロビンファミリー

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