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第一章
第21話 お兄様!男爵家の再会を演出してみた
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日が沈み、男たちが松明を片手に砂漠へ出ていく。
というか、この村には男しかいなかった。
男たちを見送った彼は、予期していたとおり背後から襲われた。
山賊刀のような一撃をかわして振り返った彼が見たのは、村長と中年の男が二人。
村長は笛のようなもので大きな警笛を鳴らした。
「出ていった男たちを呼び戻す合図か。」
「なぜ分かった……」
そこへ斬りかかる二人目の男は、意識を失って倒れた。
「牛など最初からいないし、この辺りにサンドワームはいない。となれば、ニセの依頼を出した理由など簡単に想像できるさ。」
最初に斬りかかった男も倒れる。
「何をした……」
「お前らこそ、他の住民をどうした。お前の家の床下に骨は埋まっていたようだが。」
「煩い!全てを我らに差し出せば、命は助けてやる……」
「食人族の生き残りか……哀れなもんだな……」
「俺たちだって、国が豊かだったら、普通に暮らせてたんだ!それをドルトの奴らが!」
「この村が捨てられたのは、井戸が枯れたからだろう。骨は老人のものばかりだ。お前らはそんな村を襲って……」
村長も意識を奪っておき、全員をキングアリジゴクの巣に投げ入れていく。
戻ってきた男たちも同様だ。
ギルドに戻った彼は、村は全滅した後だったと報告した。
食人族といっても、絶えず人を喰う訳ではない。
食人に禁忌を持たない一族なのだ。
老人が言っていたように、国が豊かであれば表面化する事はないだろう事件。
やるせない想いだけが残った。
現在のベントは、人口2万人ほどの中央区と、北区・南区に5千人程が住んでいた。
行政は殆ど機能しておらず、物流は途絶え、自給自足の生活に戻っていた。
貨幣の信頼は失われ、市場では物々交換が行われている。
時折ドルトから届く支援物資は一部残った貴族が独占し、民衆に行き渡る事はない。
冒険者も、肉を狩るための狩人に特化し、獲物と交換で酒を飲んでいる始末だ。
彼は規模の小さい南区から手をつける事にした。
畑を作って雇用を生みだし、食料を売る店を作っていく。
こうして、貨幣の価値を復活させるのだ。
報酬はドルトの貨幣で支払い、店はドルトの貨幣しか受け付けない。
畑の作物をドルトの貨幣で買い上げて、店で売り出す。
足りない生活必需品はドルトで買い足してベントで売りさばく。
冒険者から直接獲物を買い上げて、肉を捌ける者を雇い入れて、冷蔵庫を導入して販売していく。
食材を加工する場所と販売する店を作って食料を提供する。
そうすると貴族が接触してくるが無視だ。
こいつらの持っているベントの金貨など、もう価値を持たない。
金を買い取る仕組みがなければ、こいつら貴族など無一文も同然だった。
それでも、自分たちに価値があると思い込んでいる輩は、高圧的に作り上げた全てを略奪しようと近寄っていくのだ。
「ご苦労であった。以後の事は領主様が引き継ぐのでお前は退いて良いぞ。」
「領主?誰だそれ?」
「愚か者め、ジョルエル伯爵様を知らんのか!」
「お前バカだろ。国が存続していないのに、何が領主だよ。」
「貴様、痛い目を見たいのなら見せてやる!」
数人が彼を取り囲むが、勿論一瞬で無力化される。
「領主とやらの元に案内してもらおうか。何を根拠に領主を名乗っているのか確認し、不当に領主を名乗っているのならば、資産を没収させてもらう。」
その男、筆頭書記官に案内させて領主とかの屋敷に乗り込んだ彼は、屋敷に詰めていた兵士とも思えない男たちを無力化していく。
「お前が領主というのは本当か?」
「いきなりやってきて無礼な男だな。おい、ボケっと見てないで始末しろ!」
もちろん、瞬時に十数名が無力化されてしまう。
「なあ、誰がお前を領主に任命したんだ?」
「そ、それは……前領主のエドガー伯爵だ!」
「第1に、伯爵に領主の任命権などない。」
「ぐっ……」
「第2に、ドルトが中央区を占拠した際、全貴族の解任を通達した。」
「お、俺は知らん……」
「第3に、現在、ドルトの皇帝からここの全権を任されているのは俺だ。お前は領主を騙って住民から搾取を続けていたそうだな。」
「し、知らん!」
「不当に領主を名乗った罪で、財産は没収する。お前は国外追放とするので、明日までに国外へ退去せよ。以上だ。」
彼は屋敷中の金属を改修し、宝石も取り上げてしまった。
当然、蝶番も外れドアが倒れて、馬車も解体してしまう。
男たちの手にしていた武器屋防具も外れ、一瞬で無力化されてしまう。
彼は店等を10軒単位でグルーピングし、取りまとめする責任者を決めさせた。
更にグループが10件集まったところでそこの代表を決める。
ある程度集合ができたところで、組織を補佐する団体を作っていく。
当然だが、そこには雇用が発生し、賃金を支払わなければならない。
そこには、各店から彼に上納するハズの収益の20%を充てる。
同じように北区でも団体を作って、まとめ上げていく。
爵位は解除したが、それでも協力的な元貴族は、事業を任せる事にした。
そしていよいよ中央区だ。
最初に、ドルトからの物資を横領していた貴族を一掃する。
中央区には行政の形態が残っていたため、一応それは残しておくが、爵位は全て解除した旨通告する。
当然、これまで支払われていた貴族手当ては廃止だ。
いかに過去の功績があろうと、現在のベントは敗戦国なのだ。
特に貴族は見極めて処分していく。
もし、リズの身内がいたら、そこは配慮してやりたい。
そして、産業課のラーグラ課長と面談した。
彼は聞き覚えのある名前だと思った。
セラン・ラーグラ元男爵、おそらくマリーの兄にあたるハズの男性だ。
「ローズマリーという名前の女性をご存じですか?」
「……確かにローズマリーは侯爵家に務めていた。だが、王族とは無関係の女だ……」
「ですが、おそらくは王族最後の一人、ベアトリス・フォン・ローズベックと一緒にいた女性。」
「そうか……、ご令嬢と最後まで一緒だったのだな……」
「ええ、大火傷を負ったベアトリス嬢を最後まで看取りたいと私に懇願してきました。」
「……確かに王族に非はあったのだろう。だが、年端もいかぬご令嬢に……罪はないハズ……」
「そうですね。ラーク皇帝も、そこは認めています。」
「……それで、ベアトリスはお嬢様を看取って差し上げられたのだろうか?」
「さあ?」
「貴殿が保護したのではないのか!」
「まあ、奴隷として二人を買いましたが……」
「それは……敗戦国の定め……」
「ちょっと待っていてくださいね。」
彼はそういって屋敷に返って、マリーに兄に会いたいか確認をした。
そしてもう一度ベントに瞬間移動し、今度は課長を連れて店の個室に瞬間移動した。
目をパチパチさせて状況を把握しようとしている。
「お兄様……」
「えっ?……ローズマリーなのか!」
「はい……お兄様。」
「ど、どういう事だ!」
「えっ、だから、俺が奴隷として買って、まあ、今は家族みたいなもんです。」
そこにドアがノックされ、リズが入っていく。
「お嬢様、兄のセランになります。」
「ベアトリスでございます。」
「……大火傷……いえ、旧男爵家セラン・ラグーラにございます。よくぞ、よくぞご無事で!」
「おやめください。無事を喜んでくださるのは嬉しいのですが、現在の私はロビン様の娘リズです。ローズベックの名はとっくに捨てています。」
【あとがき】
感動の再会
というか、この村には男しかいなかった。
男たちを見送った彼は、予期していたとおり背後から襲われた。
山賊刀のような一撃をかわして振り返った彼が見たのは、村長と中年の男が二人。
村長は笛のようなもので大きな警笛を鳴らした。
「出ていった男たちを呼び戻す合図か。」
「なぜ分かった……」
そこへ斬りかかる二人目の男は、意識を失って倒れた。
「牛など最初からいないし、この辺りにサンドワームはいない。となれば、ニセの依頼を出した理由など簡単に想像できるさ。」
最初に斬りかかった男も倒れる。
「何をした……」
「お前らこそ、他の住民をどうした。お前の家の床下に骨は埋まっていたようだが。」
「煩い!全てを我らに差し出せば、命は助けてやる……」
「食人族の生き残りか……哀れなもんだな……」
「俺たちだって、国が豊かだったら、普通に暮らせてたんだ!それをドルトの奴らが!」
「この村が捨てられたのは、井戸が枯れたからだろう。骨は老人のものばかりだ。お前らはそんな村を襲って……」
村長も意識を奪っておき、全員をキングアリジゴクの巣に投げ入れていく。
戻ってきた男たちも同様だ。
ギルドに戻った彼は、村は全滅した後だったと報告した。
食人族といっても、絶えず人を喰う訳ではない。
食人に禁忌を持たない一族なのだ。
老人が言っていたように、国が豊かであれば表面化する事はないだろう事件。
やるせない想いだけが残った。
現在のベントは、人口2万人ほどの中央区と、北区・南区に5千人程が住んでいた。
行政は殆ど機能しておらず、物流は途絶え、自給自足の生活に戻っていた。
貨幣の信頼は失われ、市場では物々交換が行われている。
時折ドルトから届く支援物資は一部残った貴族が独占し、民衆に行き渡る事はない。
冒険者も、肉を狩るための狩人に特化し、獲物と交換で酒を飲んでいる始末だ。
彼は規模の小さい南区から手をつける事にした。
畑を作って雇用を生みだし、食料を売る店を作っていく。
こうして、貨幣の価値を復活させるのだ。
報酬はドルトの貨幣で支払い、店はドルトの貨幣しか受け付けない。
畑の作物をドルトの貨幣で買い上げて、店で売り出す。
足りない生活必需品はドルトで買い足してベントで売りさばく。
冒険者から直接獲物を買い上げて、肉を捌ける者を雇い入れて、冷蔵庫を導入して販売していく。
食材を加工する場所と販売する店を作って食料を提供する。
そうすると貴族が接触してくるが無視だ。
こいつらの持っているベントの金貨など、もう価値を持たない。
金を買い取る仕組みがなければ、こいつら貴族など無一文も同然だった。
それでも、自分たちに価値があると思い込んでいる輩は、高圧的に作り上げた全てを略奪しようと近寄っていくのだ。
「ご苦労であった。以後の事は領主様が引き継ぐのでお前は退いて良いぞ。」
「領主?誰だそれ?」
「愚か者め、ジョルエル伯爵様を知らんのか!」
「お前バカだろ。国が存続していないのに、何が領主だよ。」
「貴様、痛い目を見たいのなら見せてやる!」
数人が彼を取り囲むが、勿論一瞬で無力化される。
「領主とやらの元に案内してもらおうか。何を根拠に領主を名乗っているのか確認し、不当に領主を名乗っているのならば、資産を没収させてもらう。」
その男、筆頭書記官に案内させて領主とかの屋敷に乗り込んだ彼は、屋敷に詰めていた兵士とも思えない男たちを無力化していく。
「お前が領主というのは本当か?」
「いきなりやってきて無礼な男だな。おい、ボケっと見てないで始末しろ!」
もちろん、瞬時に十数名が無力化されてしまう。
「なあ、誰がお前を領主に任命したんだ?」
「そ、それは……前領主のエドガー伯爵だ!」
「第1に、伯爵に領主の任命権などない。」
「ぐっ……」
「第2に、ドルトが中央区を占拠した際、全貴族の解任を通達した。」
「お、俺は知らん……」
「第3に、現在、ドルトの皇帝からここの全権を任されているのは俺だ。お前は領主を騙って住民から搾取を続けていたそうだな。」
「し、知らん!」
「不当に領主を名乗った罪で、財産は没収する。お前は国外追放とするので、明日までに国外へ退去せよ。以上だ。」
彼は屋敷中の金属を改修し、宝石も取り上げてしまった。
当然、蝶番も外れドアが倒れて、馬車も解体してしまう。
男たちの手にしていた武器屋防具も外れ、一瞬で無力化されてしまう。
彼は店等を10軒単位でグルーピングし、取りまとめする責任者を決めさせた。
更にグループが10件集まったところでそこの代表を決める。
ある程度集合ができたところで、組織を補佐する団体を作っていく。
当然だが、そこには雇用が発生し、賃金を支払わなければならない。
そこには、各店から彼に上納するハズの収益の20%を充てる。
同じように北区でも団体を作って、まとめ上げていく。
爵位は解除したが、それでも協力的な元貴族は、事業を任せる事にした。
そしていよいよ中央区だ。
最初に、ドルトからの物資を横領していた貴族を一掃する。
中央区には行政の形態が残っていたため、一応それは残しておくが、爵位は全て解除した旨通告する。
当然、これまで支払われていた貴族手当ては廃止だ。
いかに過去の功績があろうと、現在のベントは敗戦国なのだ。
特に貴族は見極めて処分していく。
もし、リズの身内がいたら、そこは配慮してやりたい。
そして、産業課のラーグラ課長と面談した。
彼は聞き覚えのある名前だと思った。
セラン・ラーグラ元男爵、おそらくマリーの兄にあたるハズの男性だ。
「ローズマリーという名前の女性をご存じですか?」
「……確かにローズマリーは侯爵家に務めていた。だが、王族とは無関係の女だ……」
「ですが、おそらくは王族最後の一人、ベアトリス・フォン・ローズベックと一緒にいた女性。」
「そうか……、ご令嬢と最後まで一緒だったのだな……」
「ええ、大火傷を負ったベアトリス嬢を最後まで看取りたいと私に懇願してきました。」
「……確かに王族に非はあったのだろう。だが、年端もいかぬご令嬢に……罪はないハズ……」
「そうですね。ラーク皇帝も、そこは認めています。」
「……それで、ベアトリスはお嬢様を看取って差し上げられたのだろうか?」
「さあ?」
「貴殿が保護したのではないのか!」
「まあ、奴隷として二人を買いましたが……」
「それは……敗戦国の定め……」
「ちょっと待っていてくださいね。」
彼はそういって屋敷に返って、マリーに兄に会いたいか確認をした。
そしてもう一度ベントに瞬間移動し、今度は課長を連れて店の個室に瞬間移動した。
目をパチパチさせて状況を把握しようとしている。
「お兄様……」
「えっ?……ローズマリーなのか!」
「はい……お兄様。」
「ど、どういう事だ!」
「えっ、だから、俺が奴隷として買って、まあ、今は家族みたいなもんです。」
そこにドアがノックされ、リズが入っていく。
「お嬢様、兄のセランになります。」
「ベアトリスでございます。」
「……大火傷……いえ、旧男爵家セラン・ラグーラにございます。よくぞ、よくぞご無事で!」
「おやめください。無事を喜んでくださるのは嬉しいのですが、現在の私はロビン様の娘リズです。ローズベックの名はとっくに捨てています。」
【あとがき】
感動の再会
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※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
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