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第四章
ミャイさんの推理
しおりを挟む「うふっ、ヒメちゃんのフィアンセは優しいんですね。
でも、元々私の調査案件ですから、ここで尻込みする訳にもいかないんですよ。
それに、100年も生きていますから、この年になって未知の領域に踏み込むのは新鮮な感じがします。
ワクワクしてきちゃいますよね」
「えっ!」
「いやん……ですわ。
今、神眼を使いましたね。
女性の年齢を見るのはマナー違反ですわよ」
「あっ……すみません。思わず……
ヒメにも、他人に使う時には注意するよう言われていたのに……」
「神眼持ちって、ヒメちゃんも承知しているんですね。
じゃあ許します。
そういうスキルを持っている人って、家族にも内緒にすることが多いんですよね」
「ごめんなさい。でも、神眼を使われたって分かるものなんですか?」
「ほら、私のスキルに”高感度感覚”ってあるでしょ。
これで、何かが使われたのが分かれば、あとは100年積み重ねた経験から予測するだけですよ」
「へえっ……すごいですね」
「さっきも、モンスターからパラメーターを吸収するようなスキルを使っていましたよね。
それも、仲間のモンスター全員が」
「そんな事まで分かっていたんですか……」
「でなければ、モンスターがあんなにプカプカ浮いてきませんよ」
「それ……チャグナさんは、知っているんですか?」
「あんな鈍感な男性に分かるわけないでしょ。
勿論、私も教えていませんよ」
「ありがとうございます。
別に隠すほどの事でもないのですが、話題にされて注目されるのも困りますので、助かります」
「うふふっ、正直なんですね。
じゃあ、もう少し手の内を探らせてもらいましょうか」
「えっ?」
「複数の異なる種族の仲間モンスターが、そんな特殊なスキルを同じように取得するなんて考えられませんわね。
しかも、さっき吸収といった言葉を否定しなかった。
普通なら能力を下げる、もしくは浪費させるスキルが一般的ですが、吸収……つまり、吸い取って自分のものにするスキル。
このキラキラしている子は、タケルさんが捕獲したスター種ですよね。
他にも、新種を発見したという情報は入ってきていますが、この小さな身体で、元々が超級に近いモンスターに対抗できるだけのステータスを宿しているのなら、遭遇時に注意するよう情報が出回る筈。
つまり、発見・テイム後にそれだけ効率よく成長している。しかも種族特性を無視したような、成長ですよね。
ここまでで、私の推測に間違いがありますか?」
「・・・ありません……です」
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