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第四章
足つぼマッサージ
しおりを挟む「バカはどっちだい。査定に贔屓があっちゃならないって、今朝もギルド長から言われたばかりだろうに」
「かっ、母ちゃん……だからって、ナイフを投げることはないだろ!
柄の方だったからいいようなものの、刃の方だったら死ぬだろうが!」
「ふん、この鎖鎌のおリュウさんが、そんな無様をさらすわけないだろう」
そのナイフは、女将さんの手に戻っている。
ナイフには黒い鋼糸がつながっており、正確にコントロールされていた。
「うん?珍しいね。
黄色や紫系の魔石が多いってことは、アンテロープかい?」
「行ったことあるんですか?」
「ああ、あそこの景色が好きでね。このバカの父親と一緒に、何度も潜ったよ。
残念ながら、最後はサンドワームの特殊個体みたいな奴にやられちまったけどね。
自分がおとりになるから、お前だけでも逃げてくれってさ……
お腹に、このバカがいなけりゃ、一緒に死んであげたんだけどね……」
「じゃあ、あのサンドワームに……」
「ああ、あんた達もあったんだね、あいつに……
そうかい……敵をうってくれたんだね……
最後の迷宮にするつもりだったんだ……
子供ができたから、冒険者は引退して……得意のマッサージで……癒し系のお店でも始めようかってさ……」
女将さんの目からは、大粒の雫がこぼれていた。
ああ、あれは……そういう事だったのか……
「あれっ、おかしいね……20年間、ひとさまにこんな話をしたことはなかったんだけどね……」
「きっと、この黄色い魔石にご主人の思いが籠っていたんですよ。
ひょっとして、足つぼマッサージとか毛穴洗浄や永久脱毛みたいなスキルを持っていたんじゃありませんか?」
「あたしは”足つぼマッサージ”しかやってもらったことないけど、他にもそんなスキルを覚えたとか言ってたよ」
「やっぱりそうでしたか!
ちょっと、息子さんと一緒にこの魔石を手にしてみてもらえませんか」
「どうしたんだよ、急にそんなこと……」
二人が魔石に触れた瞬間、三つのスキルを二人にコピーした。
「おわっ!なんだ?……スッ、スキルが増えた……」
「なっ、なんだってんだい……」
「きっと、ご主人の想いがしみ込んだ石だったんですよ」
「いや、この魔石は、天山迷宮のスノーラットのドロップ品だぜ。
なんで、アンテロープに?」
「さっ……さあ……?」
「思い出したよ。うちの木偶の坊が取得したスキルは、足つぼマッサージと豊胸マッサージとヒップアップマッサージだよ。
マッサージが得意なんだぜとか言いながら、いやらしい目つきで女性の全身を触りまくるんだ……思い出したら腹が立ってきた。
これは、あいつのスキルじゃない!絶対に違う!」
「えっ?……???」
「それに、触っただけでスキルを取得できるなら、そっちの技術の方がよほど儲かるよ。
さあ、正直に教えてもらおうか、どこでこの魔石を手に入れたんだい?」
「さっ……さあ……?」
「ああ、この情報は、ギルド長に報告しないといけないからね。
正直に答えてもらうよ」
俺たちは、ギルド長の元に連行された……なんでこうなった?
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