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第5章
子ザル
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扉を開けると、鬱蒼としたジャングルだった。
木々を抜けてくる光もない……
「これは、環境整備が先だね」
密集した木々と下草で走ることもできないし、なにより真っ暗だった。
「まず、30mくらい空き地を作ろう。
そのあとは、適当に下草を処分しながら間伐して、光が入るようにしよう」
「タケル君、木材は向こうの迷宮整備で使えるから、収納に保管してください」
「了解。ライム、一緒に来て」
俺は風魔法で木の上部に飛び上がると、枝を収納に取り込みながら木を裸にしていく。
最後は根元で切って収納に保管する。
「タケル、そんなことをしていたら朝になっちゃうわよ。
まとめてやるなら、土毎収納に取り込んで、土だけ戻してやればいいわ」
「細かい結界制御って苦手なんだよね……」
「しようがないわね、よく見ておきなさい」
モアが地面に手をつくと、俺たちの足元だけ残し深さ3m、広さ30mの穴ができた。
光が降り注ぎ、次の瞬間ドサドサドサっと何かが落ちてきた。
主に爬虫類系や虫系みたいだ。
モアはそれらを無視し、その上から土だけを戻す。
うん、何も見なかった……
間髪を入れず、でかいのが降ってきて、できたばかりの地面に激突する。
体調8mほどの蛇型モンスターだった。表示名はグリーンボア。
「タケル、処分!」
超高速異動で蛇の後ろに回り込み、頭を落とす。
すると、茶色い塊が蛇の胴体に突進してきた。
よく見ると子ザルだった。
頭を落としても、胴体は狂ったようにうねりまくる。
子ザルは弾き飛ばされ、また飛びつくのを繰り返した。
よく見ると、蛇の腹が膨らんでいる……そういうことか。
俺は太めの杭を2本作り、蛇の体を固定し腹を裂き、棒のようになった大ザルを引っ張り出した。
動物系モンスターは消滅しない。だが、ステータスが表示できないのは死を意味していた。
子ザルは大ザルの体をゆすり、目をこじ開け、腕や足を持ち上げるが、死は確定している。
それでも、キイキイと呼びかけ、その胸にすがる。
俺は蛇の残骸を埋め、次の作業にむかおうとした。
「おサルさんもモンスターだったのね。
でも、ピクピクって、毒にやられているのかしら?」
「表示はキングコング・グレート、ゴリラ系のモンスターだな」
『解毒!』『回復!』
体の異常が解消されたことを理解したのか、子ザルが立ち上がり自分の手をじっと見つめ、亡骸へと視線を移す。
その目が俺を認識し、テコテコと近づいてきた。直前で立ち止まり、指を咥えておねだりポーズ……
動物の赤ちゃんに共通するのは、黒目が大きくウルウルしている事。
「俺たちと一緒に行きたいのか?」
言葉が通じたとは思えないし、親の死を理解したとも思えないが、子ザルは俺の手を握った。
そのままテイムしてやると、俺の背中によじ登ってしがみついた。
「埋めるぞ」 「キイ」
埋葬した後に、1mほどの石像を作り、墓標代わりとした。
「タケル君、パパみたいですね。
そういえばキングコング・グレートって、絶滅種だったような気がしますけど……」
「えっ、それって……こいつの繁殖まで考えてやらないといけないじゃん……」
「まあ、それはほかの個体がいるかどうか確認してからですね。
カーリー、あとでMRSへ情報だけ入れてください」
「はい、承知いたしました」
木々を抜けてくる光もない……
「これは、環境整備が先だね」
密集した木々と下草で走ることもできないし、なにより真っ暗だった。
「まず、30mくらい空き地を作ろう。
そのあとは、適当に下草を処分しながら間伐して、光が入るようにしよう」
「タケル君、木材は向こうの迷宮整備で使えるから、収納に保管してください」
「了解。ライム、一緒に来て」
俺は風魔法で木の上部に飛び上がると、枝を収納に取り込みながら木を裸にしていく。
最後は根元で切って収納に保管する。
「タケル、そんなことをしていたら朝になっちゃうわよ。
まとめてやるなら、土毎収納に取り込んで、土だけ戻してやればいいわ」
「細かい結界制御って苦手なんだよね……」
「しようがないわね、よく見ておきなさい」
モアが地面に手をつくと、俺たちの足元だけ残し深さ3m、広さ30mの穴ができた。
光が降り注ぎ、次の瞬間ドサドサドサっと何かが落ちてきた。
主に爬虫類系や虫系みたいだ。
モアはそれらを無視し、その上から土だけを戻す。
うん、何も見なかった……
間髪を入れず、でかいのが降ってきて、できたばかりの地面に激突する。
体調8mほどの蛇型モンスターだった。表示名はグリーンボア。
「タケル、処分!」
超高速異動で蛇の後ろに回り込み、頭を落とす。
すると、茶色い塊が蛇の胴体に突進してきた。
よく見ると子ザルだった。
頭を落としても、胴体は狂ったようにうねりまくる。
子ザルは弾き飛ばされ、また飛びつくのを繰り返した。
よく見ると、蛇の腹が膨らんでいる……そういうことか。
俺は太めの杭を2本作り、蛇の体を固定し腹を裂き、棒のようになった大ザルを引っ張り出した。
動物系モンスターは消滅しない。だが、ステータスが表示できないのは死を意味していた。
子ザルは大ザルの体をゆすり、目をこじ開け、腕や足を持ち上げるが、死は確定している。
それでも、キイキイと呼びかけ、その胸にすがる。
俺は蛇の残骸を埋め、次の作業にむかおうとした。
「おサルさんもモンスターだったのね。
でも、ピクピクって、毒にやられているのかしら?」
「表示はキングコング・グレート、ゴリラ系のモンスターだな」
『解毒!』『回復!』
体の異常が解消されたことを理解したのか、子ザルが立ち上がり自分の手をじっと見つめ、亡骸へと視線を移す。
その目が俺を認識し、テコテコと近づいてきた。直前で立ち止まり、指を咥えておねだりポーズ……
動物の赤ちゃんに共通するのは、黒目が大きくウルウルしている事。
「俺たちと一緒に行きたいのか?」
言葉が通じたとは思えないし、親の死を理解したとも思えないが、子ザルは俺の手を握った。
そのままテイムしてやると、俺の背中によじ登ってしがみついた。
「埋めるぞ」 「キイ」
埋葬した後に、1mほどの石像を作り、墓標代わりとした。
「タケル君、パパみたいですね。
そういえばキングコング・グレートって、絶滅種だったような気がしますけど……」
「えっ、それって……こいつの繁殖まで考えてやらないといけないじゃん……」
「まあ、それはほかの個体がいるかどうか確認してからですね。
カーリー、あとでMRSへ情報だけ入れてください」
「はい、承知いたしました」
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