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第一章
古き龍
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ドラゴンのタマゴは、確かにスッポリと岩の間にはまっていた。
「これは、確かに取れないよな」
『どうにか出来ぬのか』
「二つ方法がある」
『どうするというのだ』
「よくみておけよ」
俺は脇にあった岩を収納に収めた。
『何をした』
「このカバンを通じて、別の空間に移したんだ。
元に戻すぞ」
カバンから少し離れた場所に岩を取り出す。
「だが、タマゴなんて移したことはないし、どうなるかわからん。
もう一つは、両側の岩を移す方法だ。
だが岩の大きさがわからない。
下手をすれば、タマゴが転がり落ちるかもしれん」
『ふむ、確かにお前のいう通りだな』
「どうする?」
『タマゴを移してほしい』
「リスクは承知しているんだな」
『何かあっても、お前を責めることはない』
「その場合、タマゴをどこに出すかだが」
『ここでなくともよいのか?』
「ああ。人間に影響しない場所まで運んでやろう」
『すまぬ。そうしてもらうと我も助かる』
「よし、じゃあ移すぞ」
俺はタマゴを収納に取り込んだ。
実は鶏のタマゴで試したことがあるのだ。
ちなみに、ゼータも生物外と認識されるので、棺ごと収納が可能だった。
「で、どこに出すんだ」
『我の背に乗れ。人里離れた場所に連れていく』
「こんなに大勢のって大丈夫なのか?」
『問題ない。乗れ人間』
こうして、俺たちはドラゴンの背に乗って空をとんだ。
体長10mほどのドラゴンだが、その割に翼が小さい。
どうやら、羽ばたきによる浮力で飛んでいるわけではなさそうだ。揺れもほとんど感じない。
俺たちが連れていかれたのは、東の山脈の更に奥にある高山だった。
元々は、そこで産むつもりだったのだろう。洞窟の奥に枯れ草が敷き詰められていた。
『ここへ出してくれ』
俺は、ドラゴンが指定した枯れ草の上にタマゴを取り出した。
「これでいいのか?」
『すまぬな。我が人間の助けを乞うなぞ、考えもせなんだぞ』
「おれも、ドラゴンを助けるとは思わなかったよ。
で、俺たちはどうやって帰ればいいんだ」
『少し待て。我の連れに人里まで送らせる故にな。
この礼に、何か欲しいものはないか。
金銀でも我にできることならば叶えようぞ』
「魔石が欲しいんだが、手に入れる方法があったら教えてほしい」
『そんなもの、ドラゴンの墓場にいけばいくらでもとれるぞ。
連れに案内させようぞ。
我ら古き龍の魔石は無理だがドラゴンの魔石ならいくらでも持っていくがいい。
だが、その程度では礼にならん。他にないのか』
「古き龍?」
『なんだ知らんのか。
我らはドラゴンとは違う。永き時代を生きる生きる龍種なのだ。
その分、繁殖期は数百年に一度と極端に少ないのだよ。
それだけに、このタマゴは大切なものなのだ。
まあ、我らが人と関わることなど滅多にないからな。
知らないのも無理はない』
「すまん、知らなかった」
『で、望みは?』
「あー……、俺は魔力量が極端に少ないんだが、増やす方法ってないのか?」
『魔石を体内に取り込めばよかろう。
なに、簡単なことだ。よし、それも連れにやらせるとしよう』
「これは、確かに取れないよな」
『どうにか出来ぬのか』
「二つ方法がある」
『どうするというのだ』
「よくみておけよ」
俺は脇にあった岩を収納に収めた。
『何をした』
「このカバンを通じて、別の空間に移したんだ。
元に戻すぞ」
カバンから少し離れた場所に岩を取り出す。
「だが、タマゴなんて移したことはないし、どうなるかわからん。
もう一つは、両側の岩を移す方法だ。
だが岩の大きさがわからない。
下手をすれば、タマゴが転がり落ちるかもしれん」
『ふむ、確かにお前のいう通りだな』
「どうする?」
『タマゴを移してほしい』
「リスクは承知しているんだな」
『何かあっても、お前を責めることはない』
「その場合、タマゴをどこに出すかだが」
『ここでなくともよいのか?』
「ああ。人間に影響しない場所まで運んでやろう」
『すまぬ。そうしてもらうと我も助かる』
「よし、じゃあ移すぞ」
俺はタマゴを収納に取り込んだ。
実は鶏のタマゴで試したことがあるのだ。
ちなみに、ゼータも生物外と認識されるので、棺ごと収納が可能だった。
「で、どこに出すんだ」
『我の背に乗れ。人里離れた場所に連れていく』
「こんなに大勢のって大丈夫なのか?」
『問題ない。乗れ人間』
こうして、俺たちはドラゴンの背に乗って空をとんだ。
体長10mほどのドラゴンだが、その割に翼が小さい。
どうやら、羽ばたきによる浮力で飛んでいるわけではなさそうだ。揺れもほとんど感じない。
俺たちが連れていかれたのは、東の山脈の更に奥にある高山だった。
元々は、そこで産むつもりだったのだろう。洞窟の奥に枯れ草が敷き詰められていた。
『ここへ出してくれ』
俺は、ドラゴンが指定した枯れ草の上にタマゴを取り出した。
「これでいいのか?」
『すまぬな。我が人間の助けを乞うなぞ、考えもせなんだぞ』
「おれも、ドラゴンを助けるとは思わなかったよ。
で、俺たちはどうやって帰ればいいんだ」
『少し待て。我の連れに人里まで送らせる故にな。
この礼に、何か欲しいものはないか。
金銀でも我にできることならば叶えようぞ』
「魔石が欲しいんだが、手に入れる方法があったら教えてほしい」
『そんなもの、ドラゴンの墓場にいけばいくらでもとれるぞ。
連れに案内させようぞ。
我ら古き龍の魔石は無理だがドラゴンの魔石ならいくらでも持っていくがいい。
だが、その程度では礼にならん。他にないのか』
「古き龍?」
『なんだ知らんのか。
我らはドラゴンとは違う。永き時代を生きる生きる龍種なのだ。
その分、繁殖期は数百年に一度と極端に少ないのだよ。
それだけに、このタマゴは大切なものなのだ。
まあ、我らが人と関わることなど滅多にないからな。
知らないのも無理はない』
「すまん、知らなかった」
『で、望みは?』
「あー……、俺は魔力量が極端に少ないんだが、増やす方法ってないのか?」
『魔石を体内に取り込めばよかろう。
なに、簡単なことだ。よし、それも連れにやらせるとしよう』
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