おっさんはただのおっさんだった

モモん

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第二章

アリス

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 次の瞬間、俺はギルド2階の酒場にいた。
一階に駆け降りると、見慣れたカウンターにいつものお姉さんが座っている。
どうやら、元の場所に戻れたようでホッとする。
俺はカバンからベルトを取り出し、シルビアの家に飛んだ。

 ドアをノックすると、眠そうに目をこすりながらシルビアが現れた

「あれ?どうしたの?」

「あれから何日たった?」

「えっ?」

 どうやら、魔王を討伐したその時間に戻ってこれたようだ。
俺はシルビアに礼を言い、エリスを連れて家に帰った。

「おじさん、魔王は?」

「安心しろ、倒して戻ってきたんだ」

 少ししてゼータも戻ってきた。

「おかえりなさいませ」

「ああ、無事戻ってこられたよ」

 俺は義足をエリスの足に装着して、靴下とスニーカーを履かせた。

「おじさんの世界のものって、かわいい」

「気に入ってもらえたようだな」

 俺は数日かけてモデルガンを魔導銃に改造したのだが……重いので結局元のものを使うことにした。
そのあとは、スイーツ三昧と、エリスのファッションショーだ。

 だが、やがて魔王が復活し、討伐を繰り返す。
そのサイクルが変化したのは5回目の時だった。
日本の部屋に戻って本を確認すると、末尾に完結の2文字が付け加えられており、何日待っても変化はなかった。

「まさか、これで終わりなのか……」

 俺は、最後の手段に出た。
完結の文字の後ろに、「新・ 開かずのダンジョン」と付け加えたのだ。
その瞬間、俺は見慣れたギルドの酒場にいた。
階下に降りると、いつもの受付嬢がいた。

「戻れた……」

 俺は屋敷に帰ったのだが、屋敷は廃屋モードに切り替わっており、初期設定が必要だった。
だが、地下にはモデルガンや工具があったし、何ら変化は見られないのだがエリスはいなかった。
ゼータに聞いても、以前の記憶はなかった。

 俺はシルビアの家に飛んだのだが、住人は別の人だった。
俺のギルドカードは抹消されたらしく、俺は”池袋田吾作”として新規カードを作成した。
何か手がかりが欲しくて、毎日掲示板を確認して、受注して、仕事をこなしていった。
そして、とある日のことだった。

「あのぉ」

「はい」

「正面に立たれると邪魔なのでどいてもらえませんか」

聞き覚えのある声とセリフ……

「エ、エリス……」

「いえ、私アリスですけど……」


完結です。
拙作におつきあいいただき、あろがとうございました。
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