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第一章 異国
コジロのほろ酔い噺
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俺の名はコジロ。
オニ族っていうヒト型モンスターっす。
額にある2cmの二本の角がなければ人間と変わらないっす。
ポジションは、中級ダンジョンのボス部屋前で、ロクサンヨンっていうもう一人のオニ族と二交代でボス部屋を守っているっす。
正直に言うと、ボスよりも二段階くらい強いっす。
中級ダンジョンでネイムドモンスター(名前持ち)は俺とロクサンヨンだけっす。
俺にはオフクロ(マオ様)とオヤジ(リュウジ様)がいるっすけど、まだ本人達の前では呼べないっす。
人前ではグランマとグラマスって呼んでます。
俺たち二人には、中級ダンジョン全体の管理も任されているっす。
あんまり難易度高いと、みんな来なくなっちゃいますから、匙加減が難しいっすね。
ロクサンヨンはパワー特化で、俺は技巧派っす。
身長180cm体重62kgのやせ型、肩までかかる髪は後ろで束ねてるっすよ。
遺伝?なのか、オヤジに似た顔立ちで、結構モテるっす。
俺っちの守る中級ダンジョンのボスを倒すと、エリクサーの入った宝箱が入手できるっす。
これまでエリクサーの入手は一例だけっすけど、オヤジさんからは2・3ヶ月おきに負けるよう言われてるっす。
だけど、わざと負けるのも難しいもんっすよ。
「ギンコさん、あの後どうするつもりだったんすか?」
「あらっ? あそこで死ぬつもりだったのよ。
コジロの手にかかって……ね」
「はあ……。 卑怯っすよあんなの。
5回目でしたっけ?
最初の頃は元気でしたけど、回をおうごとに顔色は悪くなるし、ボロボロになっていくし。
最後は、来るなり倒れるって……あり得ないっしょ」
「6回目よ。
コジロで3回、もう一人に2回。
身体も限界だったし、エリクサーにかけるしかないじゃない。
それに、どうせ死ぬならコジロの腕の中で死にたいって、本気だったのよ。
おかわりは…… どなん でいいのね」
「お願いっす。
他の店にはないんすよね」
「当たり前でしょ。
これはお酒じゃないの。
工業用アルコール!
何人か試したけど、みんな口から火を噴いてたわよ」
「オヤジの世界の酒っすよ。
俺っち、全属性の耐性があるんで、これくらいじゃないと酒って感じがしないっすよ」
「バッカじゃないの。
いいこと。このお酒には、耐性無効の特性がついてるの。
ほら、おとぎ話に出てくる邪龍を酔わせるお酒よ。
だ・か・ら、あんたみたいなウワバミでも酔うのよ。
モンスターの麻酔代わりに用意していたのを分けてもらっているンだから、感謝してほしいもんだわよ」
「感謝してるっすよ。
口に含んだ時に、アルコール特有の突き上げる感じと、仄かな甘みがあるっす。
このお酒と出会えたのはギンコさんのおかげっすから、感謝してるっすよ」
「感謝が足りないわよ!」
冒険者だったギンコさんは、ガンに侵され手の施しようが無い状態だった。
自暴自棄の状態で、エリクサーだけに望みを託しダンジョンに通い詰める。
あの時は、本当に帰る意志もなく、ひたすらに俺の元を目指していたという。
俺の前で倒れて、このまま死なせてと言ってギンコさんは意識を失った。
意識を失ったギンコさんに口移しで回復薬を飲ませ、ボス部屋のドアを開ける。
ボスにはしばらく姿を隠すよう指示し、宝箱からエリクサーを取り出した俺っちはギンコさんを背負ったままオヤジのもとに向かい顛末を報告した。
オヤジの手配で、エリクサーは国で買い取られ、開栓時にギンコさんも恩恵にあずかった。
これが中級ダンジョン攻略の顛末である。
オニ族っていうヒト型モンスターっす。
額にある2cmの二本の角がなければ人間と変わらないっす。
ポジションは、中級ダンジョンのボス部屋前で、ロクサンヨンっていうもう一人のオニ族と二交代でボス部屋を守っているっす。
正直に言うと、ボスよりも二段階くらい強いっす。
中級ダンジョンでネイムドモンスター(名前持ち)は俺とロクサンヨンだけっす。
俺にはオフクロ(マオ様)とオヤジ(リュウジ様)がいるっすけど、まだ本人達の前では呼べないっす。
人前ではグランマとグラマスって呼んでます。
俺たち二人には、中級ダンジョン全体の管理も任されているっす。
あんまり難易度高いと、みんな来なくなっちゃいますから、匙加減が難しいっすね。
ロクサンヨンはパワー特化で、俺は技巧派っす。
身長180cm体重62kgのやせ型、肩までかかる髪は後ろで束ねてるっすよ。
遺伝?なのか、オヤジに似た顔立ちで、結構モテるっす。
俺っちの守る中級ダンジョンのボスを倒すと、エリクサーの入った宝箱が入手できるっす。
これまでエリクサーの入手は一例だけっすけど、オヤジさんからは2・3ヶ月おきに負けるよう言われてるっす。
だけど、わざと負けるのも難しいもんっすよ。
「ギンコさん、あの後どうするつもりだったんすか?」
「あらっ? あそこで死ぬつもりだったのよ。
コジロの手にかかって……ね」
「はあ……。 卑怯っすよあんなの。
5回目でしたっけ?
最初の頃は元気でしたけど、回をおうごとに顔色は悪くなるし、ボロボロになっていくし。
最後は、来るなり倒れるって……あり得ないっしょ」
「6回目よ。
コジロで3回、もう一人に2回。
身体も限界だったし、エリクサーにかけるしかないじゃない。
それに、どうせ死ぬならコジロの腕の中で死にたいって、本気だったのよ。
おかわりは…… どなん でいいのね」
「お願いっす。
他の店にはないんすよね」
「当たり前でしょ。
これはお酒じゃないの。
工業用アルコール!
何人か試したけど、みんな口から火を噴いてたわよ」
「オヤジの世界の酒っすよ。
俺っち、全属性の耐性があるんで、これくらいじゃないと酒って感じがしないっすよ」
「バッカじゃないの。
いいこと。このお酒には、耐性無効の特性がついてるの。
ほら、おとぎ話に出てくる邪龍を酔わせるお酒よ。
だ・か・ら、あんたみたいなウワバミでも酔うのよ。
モンスターの麻酔代わりに用意していたのを分けてもらっているンだから、感謝してほしいもんだわよ」
「感謝してるっすよ。
口に含んだ時に、アルコール特有の突き上げる感じと、仄かな甘みがあるっす。
このお酒と出会えたのはギンコさんのおかげっすから、感謝してるっすよ」
「感謝が足りないわよ!」
冒険者だったギンコさんは、ガンに侵され手の施しようが無い状態だった。
自暴自棄の状態で、エリクサーだけに望みを託しダンジョンに通い詰める。
あの時は、本当に帰る意志もなく、ひたすらに俺の元を目指していたという。
俺の前で倒れて、このまま死なせてと言ってギンコさんは意識を失った。
意識を失ったギンコさんに口移しで回復薬を飲ませ、ボス部屋のドアを開ける。
ボスにはしばらく姿を隠すよう指示し、宝箱からエリクサーを取り出した俺っちはギンコさんを背負ったままオヤジのもとに向かい顛末を報告した。
オヤジの手配で、エリクサーは国で買い取られ、開栓時にギンコさんも恩恵にあずかった。
これが中級ダンジョン攻略の顛末である。
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