転生したら道具袋だった……おい、責任者出てこい!

モモん

文字の大きさ
2 / 26
第一章 なんだよ道具袋って

買い手のつかない道具袋

しおりを挟む
「時間だ、今日もありがとうな。
今日の手当だ」

「はい、ありがとうございます」

カラン

ガチャ

「目さえ見えれば、人形のように可愛いんだから、働き口なんざいくらでもあるんだろうがな」

俺は、まだ売れていない。

閉店かよ。
一人で過ごす夜は寂しすぎるぜ……
そうだ!魔力はあるんだよな、よく魔力を練るとか聞くけど、できるかな……
魔力ぅ、どこだ……

ポッ

おっ、これかな。なんか人魂みてえだな。
練るっていっても、チャクラとか無さそうだしな……
おにぎりみたいに捏ねて……ポン……って、消えちゃったよ。

もっと優しくしないとダメかな。


おっ、また出てきたな。よーしよーし、ネコを撫でるみたいに……ポン、消えちゃったよ。

一晩中、こんなことをしてました。
眠れないし……

トントントン ガチャ カラン

「ふぁー、おはよう」

「店長さん、おはようございます。
今日も一日、よろしくお願いいたします」

「ああ、がんばってな」

この日、道具袋は売れなかった。
夜になって、魔法の人魂をなで回していたら、一回り大きくなった。

チャラリラリン♪

おっ、レベルアップ来たか!

ステータス!

********************
名前:売れ残った綿の道具袋
職業:道具袋
LV:2
材質:綿100%
HP:13
MP:2
スキル:物理的収納
形状:ひも付き
魔法:なし
特技:思考

********************

何だよ「売れ残った綿の道具袋」って。
HPが増えると耐久性があがるのか?
もしかして……、神さまよう、この名前を見せつけるために、レベルアップさせたんじゃねえのか。
売れ残ったって文字は、ナニゲに心を削ってくれるよな……

はあ、だけどよ、魔力つうのも、こうやってなで回してると、愛着がわいてくるよな。
よし、お前に名前をやろう「ポチ」だ。
うん、早く大きくなるんだぞ。

三日目、四日目が過ぎましたが、相変わらず俺は売れてない。

チャラリラリン♪

おっ、レベルアップ来たか!つっても、あんまり嬉しくないのは何故だ。

ステータス!

********************
名前:買い手のつかない綿の道具袋
職業:道具袋
LV:3
材質:綿100%
HP:15
MP:4
スキル:物理的収納
形状:ひも付き
魔法:なし
特技:思考
    魔力の飼い主
従魔力:ポチ

********************

おいおい、豆腐のメンタルを削ってくるじゃねえか。
四日程度でそれはねえだろうっての。
そんで、魔力の飼い主ってなに?
従魔力:ポチってのは、お前の事だよな。
うん?そういえばイヌっぽくなってきたような……多分気のせいだ。

五日目、俺はついに手にとって貰えた。
いて、引っ張るなよ……

「延びないのか、ちょっと小さいんだよな……」

パサッ

「また来る」 カラン

いや、泣いてないよ。乱暴なヤツに買われなくて良かったよ。

チャラリラリン♪

おい、レベルアップに繋がるような事してねえよ。
これって、絶対名前がらみだよな。
見ねえって、見ませんよ……、ぜってえ見ねえって……

ステータス!

********************
名前:振られた!いまだ買い手のつかない綿の道具袋
職業:道具袋
LV:4
材質:綿100%
HP:18
MP:6
スキル:物理的収納
形状:ひも付き
魔法:なし
特技:思考
    魔力の飼い主
従魔力:ポチ

********************

振られてねえよ、何びっくりマーク付けてんの……
なあ、神さま、俺ホントに何かやったのか?
空の上で笑ってんだろ。
あー、買ってもらえねえのとか笑ってんだろ。
いいんだいいんだ、俺にはポチがいるんだから……

あれっ、ポチ…、赤い色が薄くなってんぞ……
おい、ポチ!消えるな!俺を一人にしないでくれ!

スー 
ポチ……ポチー! 俺は泣いた……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

処理中です...