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第一章 なんだよ道具袋って
お肉……
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『さて、どうするかな』
『うちに帰る』
『その前に服を買え。破られて着られねえだろう』
『うん。でも、あのお金、使ってもいいの?』
『服を破られたんだし、痛い思いをしたんだ。当然の権利だ。
だが、この町ではどこからバレるか分からない。
明日の朝いちばんで勤め先に断りを入れて、器の代金も払って引っ越そう。
小さい家を買って、弟と妹が大きくなるまでひっそりと暮らせばいい』
『はい、本当にありがとうございました。
杖を折られた時は、本当に死んじゃおうかって思ったんです…』
『ああ、分かってるさ。
だが、俺がいなくなっても身を守れるように、落ち着いたら特訓だぞ。
この世界って、ダンジョンとか魔物とか冒険者ギルドとかあるのか?』
『聞いたことはありますけど、どんなところかは…』
『よし、冒険者になって、独り立ちするのが目標だ』
『はい』
『おっ、武器屋は開いてるな。あそこで杖を買おう。
できれば、刃物を仕込んだやつがいい』
『女性用の服を売ってるようなら、それも買っておこう』
『はい』
カラン
「いらっしゃいませ」
「仕込み杖ってありますか?」
「はい、ご予算は」
「普通はいくらぐらいのものなの?」
「金貨1枚前後が相場ですね」
「軽くて、刺殺用がいいんだけど」
「こちらなんて如何でしょう」
「もっとシンプルで木の杖に見えるやつ」
「こちらは如何ですか」
「いくら?」
「銀貨50枚です」
「それと、女性用の衣類はあるか?
靴、下着、短パン、シャツ、二組もらいたい」
「お客様でしたらスモールサイズですね。
これとこれと…こちらで如何でしょう」
「あとは、水入れと鍋、火を起こす道具。全部でいくらになりますか?」
「金貨2枚ですね」
「値引きは?」
「そうですね、銀貨2枚では?」
「ではこれで」
金貨2枚を渡しおつりをもらう。
「包みますか?」
「いえ、収納がありますから」
「えっ…品物はどこに行ったんでしょう」
「いくらでも入る袋があるんです」
「そ、そんなものが存在するんですか!」
「迷宮の奥で見つけましたの」
「もし、お譲りいただけるなら、金貨100枚出します!」
「もう一つ見つけたら持ってきますよ」
「ぜひお願いします」
『あと、弟たちに食べるものを買ってもいいですか』
『お前も夕食を食べてないだろう。
好きなだけ買えばいい。
ほら、そこの串焼きなんか旨そうだぞ』
『お肉なんて、食べたことありません…』
「おじさん、串焼き10本でいくら?」
「10本ならおまけして銅貨8枚でいいよ」
「じゃあ、それください」
「ただいま」
「姉ちゃん、どこ行ってたんだよ」
「遅くなってごめんね。
これ、お土産」
「「えっ」」
「お肉だぁ!」
「いっぱい買ってきたから、遠慮しないで食べなさい。
私も食べるから」
「なんで、こんな贅沢を……」
「新しい仕事を見つけたの、あちちっ、お肉って美味しいね」
「あぐっ、うめえ!」
「うん、おいしい……」
「泣かないの……、これから、お姉ちゃんが一生懸命働くから、もっと美味しいもの食べようね……」
「ね、姉ちゃんだって泣いてるじゃないか……」
「ゲフッ、姉ちゃん……買いすぎだよ」
「もう、食べられない……」
「そうね、明日のごはんにしようか」
『クリーン』 『クリーン』
「ね、姉ちゃん、まさか見えてるのか……」
「目を開けてないのに見えるわけないでしょ。
でも、分かるようになったの。さあ、寝ましょ。ろうそく消すよ」
「「おやすみなさい」」
『うちに帰る』
『その前に服を買え。破られて着られねえだろう』
『うん。でも、あのお金、使ってもいいの?』
『服を破られたんだし、痛い思いをしたんだ。当然の権利だ。
だが、この町ではどこからバレるか分からない。
明日の朝いちばんで勤め先に断りを入れて、器の代金も払って引っ越そう。
小さい家を買って、弟と妹が大きくなるまでひっそりと暮らせばいい』
『はい、本当にありがとうございました。
杖を折られた時は、本当に死んじゃおうかって思ったんです…』
『ああ、分かってるさ。
だが、俺がいなくなっても身を守れるように、落ち着いたら特訓だぞ。
この世界って、ダンジョンとか魔物とか冒険者ギルドとかあるのか?』
『聞いたことはありますけど、どんなところかは…』
『よし、冒険者になって、独り立ちするのが目標だ』
『はい』
『おっ、武器屋は開いてるな。あそこで杖を買おう。
できれば、刃物を仕込んだやつがいい』
『女性用の服を売ってるようなら、それも買っておこう』
『はい』
カラン
「いらっしゃいませ」
「仕込み杖ってありますか?」
「はい、ご予算は」
「普通はいくらぐらいのものなの?」
「金貨1枚前後が相場ですね」
「軽くて、刺殺用がいいんだけど」
「こちらなんて如何でしょう」
「もっとシンプルで木の杖に見えるやつ」
「こちらは如何ですか」
「いくら?」
「銀貨50枚です」
「それと、女性用の衣類はあるか?
靴、下着、短パン、シャツ、二組もらいたい」
「お客様でしたらスモールサイズですね。
これとこれと…こちらで如何でしょう」
「あとは、水入れと鍋、火を起こす道具。全部でいくらになりますか?」
「金貨2枚ですね」
「値引きは?」
「そうですね、銀貨2枚では?」
「ではこれで」
金貨2枚を渡しおつりをもらう。
「包みますか?」
「いえ、収納がありますから」
「えっ…品物はどこに行ったんでしょう」
「いくらでも入る袋があるんです」
「そ、そんなものが存在するんですか!」
「迷宮の奥で見つけましたの」
「もし、お譲りいただけるなら、金貨100枚出します!」
「もう一つ見つけたら持ってきますよ」
「ぜひお願いします」
『あと、弟たちに食べるものを買ってもいいですか』
『お前も夕食を食べてないだろう。
好きなだけ買えばいい。
ほら、そこの串焼きなんか旨そうだぞ』
『お肉なんて、食べたことありません…』
「おじさん、串焼き10本でいくら?」
「10本ならおまけして銅貨8枚でいいよ」
「じゃあ、それください」
「ただいま」
「姉ちゃん、どこ行ってたんだよ」
「遅くなってごめんね。
これ、お土産」
「「えっ」」
「お肉だぁ!」
「いっぱい買ってきたから、遠慮しないで食べなさい。
私も食べるから」
「なんで、こんな贅沢を……」
「新しい仕事を見つけたの、あちちっ、お肉って美味しいね」
「あぐっ、うめえ!」
「うん、おいしい……」
「泣かないの……、これから、お姉ちゃんが一生懸命働くから、もっと美味しいもの食べようね……」
「ね、姉ちゃんだって泣いてるじゃないか……」
「ゲフッ、姉ちゃん……買いすぎだよ」
「もう、食べられない……」
「そうね、明日のごはんにしようか」
『クリーン』 『クリーン』
「ね、姉ちゃん、まさか見えてるのか……」
「目を開けてないのに見えるわけないでしょ。
でも、分かるようになったの。さあ、寝ましょ。ろうそく消すよ」
「「おやすみなさい」」
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