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第二章 新しい町
王女様が飛び込んできた……
しおりを挟む「ふう、調整は手間取るけど、作業は一瞬ね。
ねぇ、うちでお茶でも飲んでいかない」
「あーっ、いいですよ伺いましょう」
「助かるわ、旦那が別の町に転勤になっちゃって、子育てと仕事で掃除してる余裕がないのよ」
「お子さん、おいくつなんですか」
「7歳の男の子なんだけどさ、仕事中は近所で預かってもらえるんだけど、土日はべったり」
ガチャ
「あがって」
「先にやっちゃいましょう。
外側から『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「中も『クリーン!』」
キラキラキラーン☆彡♪
「まいったわ。家の外側も、中もピッカピカよ。
出しっぱなしだった布団なんか、もうフカフカで、食器もピカピカ。
工房の主も、次回3か月後の予約を入れてもらったわ」
「そんな事だろうと思ったわ」
「アキラだって、下着を作ってもらってるんでしょ。
同じじゃない」
「私は……、王女様に言われたらやらざるを得ないでしょ。
そうだアミ、王女様からお礼の花が届いたわ。
シュークリーム届いたって」
「シュークリーム?なにそれ」
「お菓子専門のリンカ堂のお菓子よ。この間アミがサンプルに持ってきたでしょ」
「えっ、私……食べてない……」
「あっ、サヤカさんいなかったので、僕が二ついただきました。
美味しかったです」
「えっ、サヤカさん食べてないんですか。あんなに美味しいもの……」
「えっ、みんな食べたの……私だけ……」
「人数分持ってきたんですが、また今度持ってきますよ」
バン!
「アミ!あれはなんだ!」
「えっ!ジェシカ様、どうされたんですか?」
「どうもこうもあるか、なぜ、あんなものが作れるんだ。
父上も母上も一口食べただけで目を見開いて無言になった。
その様子を見ていた局長どもが、物欲しそうな目をしたんで半分ずつ分けてやったら、女子職員どもが押し掛けてきた。
結局、私は最初の一個しか食べられなかった。
王女という立場がなかったら、5個は食べられただろうが、欲されて分け与えなかったら沽券にかかわる。
お前に、あの口惜しさがわかるか……」
「はあ……」
「毎日とは言わない、二日に一度でいいから、回してほしいぞ」
「でも、明後日は未発表のものを持参する予定ですが」
「なに?未発表……」
「ええ、リンカ堂で作らせています。ジェシカ様に最初に食べていただいて、それから販売ベースに乗せようかと」
「それも美味しいのか」
「多分……」
「コホン、……わかりましたわ、明後日を楽しみにしていましょう。
総務局を通さずに、直接私の元に来てください。
あっ、みなさん、今の話は極秘でお願いしますね。
では、ごきげんよう」
パタン
「ねえねえ、王女様が血相を変えて飛んでくるお菓子ってなに。
王様をあんぐりさせちゃうの……私だけ……、まさか、所長まで」
「ああ、旨かったぞ」
「そうだ、明後日の新作!」
「サヤカ、気持ちはわかるけど、王女様の前に食べるわけにはいかないわよね」
「うっ、それくらい当然のことだろう……」
パンパン
「分かっているだろうが、今の話は極秘だぞ。
万一口外してみろ、俺が城から呼び出しを受ける」
「「「了解です」」」
「ああ、でも王女様って素敵……」
「ああ、金髪碧眼ってやつだな」
「生ジェシカ様……」
二日後です。
「ジェシカ様失礼いたします」
「アミ、待ちかねたぞ……手ぶらではないか、私の菓子はどうした。
まさか、総務局に横取りされたのか!」
「お人払いをお願いします」
「どうした、みな下がっておれ」
「ジェシカ様にだけ、秘密をお話しします。
この国でも3人しか知りません」
「な、なんだ」
「私は、物を収める空間を持っていて、そこに入れて持ち運ぶことができます」
「空間だと」
「はい、このように出し入れ自在でございます」
「何っ!……ああ、分かった、それの重要性は理解できる。秘密は絶対に守る」
「これが、新作のプリンでございます。
スプーンだけご用意いただけますか」
「誰かスプーンを持ってきてください。ティースプーンでいいです」
「はい、ただいま」
「どれ、………」
「ああ、心地よい冷たさです。甘く、舌の上で溶けるような触感…」
ジー
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