24 / 26
第二章 新しい町
正義
しおりを挟む
アミノクリーンも食べ物系も服飾も順調だった。
ただ一つ、問題があるとすれば、夜の必殺処刑人だけだろう。
だが、これは悪いことなんだろうか。
俺の中では、殺人は悪いことだと感じているものの、正当化している部分も確かにあるのだ。
例えば、無差別殺人の遺族が、犯人に復讐するのを俺は肯定する。
法の裁きとか関係ない。
遺族の当然の権利だと俺は考える。
仇討ちというやつだ。
それで、俺が返り討ちにあったら、その時こそ法に後を任せる。
俺の思考はそういうものだった。
俺にも殺人衝動はあった。
通販でナイフや鉈を買った。
俺の遺品を整理したら母親が驚くに違いない。
だが、謂れのない暴力を振るわれたとき、夜中布団の中で湧き上がる殺人衝動を楽しんですらいた。
それがある程度まで高まったところで、刃を見ると気持ちがスッと収まるのだ。
アミの場合はどうなんだろう。
何かで発散できているのだろうか。
「アミ、剣術の道場に通え」
何故とは聞いてこなかった。
この日から、アミは仕事帰りに道場に通う。
そういった基礎や筋肉の皆無であったアミは夜出かけるだけの体力もなく寝入った。
一か月、二か月と平穏無事な日が続いた。
この間、王妃様に衣装と下着を届け、新作のプリンアラモードも売り出した。
最初にプリンアラモードを王室に届けたときはすごかった。
ジェシカ王女様が大声を出したものだから、大勢が集まってしまったのだ。
その結果、メイドたちの分は残らなかった。
原因となったジェシカ王女はとても冷たい目で見られ、翌日もう一度届ける約束をさせられてしまった。
道場に通って三か月になると、体力的にも余裕が出てきたようだ。
アミは鉄串を買い込んだ。
それを自分で研いで鋭利に仕上げていく。
柄の部分に布を巻き、持ちやすいようにすると、また夜の仕事が始まった。
体力のついたアミは素早かった。
影の中を疾風のように駆け、相手の首筋や心臓を後ろから貫いて帰ってくる。
そのうちに、動きやすい寝間着を考え始める。
伸縮性のある綿で、ズボンを仕上げ、上はノースリーブと長袖の2種類を作る。
ボタンではなく、頭からかぶるタイプだ。
上下ともに黒で統一してある。
さらに、綿で目出し帽を作り、黒の足袋を履いて全身黒づくめの格好で出るようになる。
完全に、必殺!処刑人である。
このパジャマも人気商品となった。
「アミ、このパジャマというのは楽でよいのう。
メイドたちも皆買ったそうじゃ」
「お買い上げありがとうございます。
今日は、同じ黒い綿で作ったブラとパンツを持ってきました。
メイドの皆さんの分もありますよ」
このブラとパンツも大ヒットとなる。
必殺!処刑人のおかげで犯罪件数も減り、街には平穏な空気が漂う。
アミの出番がほとんどなくなったころ、保安部隊の二人は核心に近づいていた。
犯行のあった場所をピックアップして、中心が隣の冒険者ギルドだと目星をつけたのだ。
アミの家には警備兵が交代でついているため、まさか影にもぐって外出してるとは思わない。
冒険者の中で、細い武器を使うモノをピックアップし、夜通し張り付くが出かける様子はない。
そのうちに、昼の仕事に支障が出るようになり、二人の詮索は終わってしまった。
第一部完結です。
第二部開始までしばらくお待ちください。
ただ一つ、問題があるとすれば、夜の必殺処刑人だけだろう。
だが、これは悪いことなんだろうか。
俺の中では、殺人は悪いことだと感じているものの、正当化している部分も確かにあるのだ。
例えば、無差別殺人の遺族が、犯人に復讐するのを俺は肯定する。
法の裁きとか関係ない。
遺族の当然の権利だと俺は考える。
仇討ちというやつだ。
それで、俺が返り討ちにあったら、その時こそ法に後を任せる。
俺の思考はそういうものだった。
俺にも殺人衝動はあった。
通販でナイフや鉈を買った。
俺の遺品を整理したら母親が驚くに違いない。
だが、謂れのない暴力を振るわれたとき、夜中布団の中で湧き上がる殺人衝動を楽しんですらいた。
それがある程度まで高まったところで、刃を見ると気持ちがスッと収まるのだ。
アミの場合はどうなんだろう。
何かで発散できているのだろうか。
「アミ、剣術の道場に通え」
何故とは聞いてこなかった。
この日から、アミは仕事帰りに道場に通う。
そういった基礎や筋肉の皆無であったアミは夜出かけるだけの体力もなく寝入った。
一か月、二か月と平穏無事な日が続いた。
この間、王妃様に衣装と下着を届け、新作のプリンアラモードも売り出した。
最初にプリンアラモードを王室に届けたときはすごかった。
ジェシカ王女様が大声を出したものだから、大勢が集まってしまったのだ。
その結果、メイドたちの分は残らなかった。
原因となったジェシカ王女はとても冷たい目で見られ、翌日もう一度届ける約束をさせられてしまった。
道場に通って三か月になると、体力的にも余裕が出てきたようだ。
アミは鉄串を買い込んだ。
それを自分で研いで鋭利に仕上げていく。
柄の部分に布を巻き、持ちやすいようにすると、また夜の仕事が始まった。
体力のついたアミは素早かった。
影の中を疾風のように駆け、相手の首筋や心臓を後ろから貫いて帰ってくる。
そのうちに、動きやすい寝間着を考え始める。
伸縮性のある綿で、ズボンを仕上げ、上はノースリーブと長袖の2種類を作る。
ボタンではなく、頭からかぶるタイプだ。
上下ともに黒で統一してある。
さらに、綿で目出し帽を作り、黒の足袋を履いて全身黒づくめの格好で出るようになる。
完全に、必殺!処刑人である。
このパジャマも人気商品となった。
「アミ、このパジャマというのは楽でよいのう。
メイドたちも皆買ったそうじゃ」
「お買い上げありがとうございます。
今日は、同じ黒い綿で作ったブラとパンツを持ってきました。
メイドの皆さんの分もありますよ」
このブラとパンツも大ヒットとなる。
必殺!処刑人のおかげで犯罪件数も減り、街には平穏な空気が漂う。
アミの出番がほとんどなくなったころ、保安部隊の二人は核心に近づいていた。
犯行のあった場所をピックアップして、中心が隣の冒険者ギルドだと目星をつけたのだ。
アミの家には警備兵が交代でついているため、まさか影にもぐって外出してるとは思わない。
冒険者の中で、細い武器を使うモノをピックアップし、夜通し張り付くが出かける様子はない。
そのうちに、昼の仕事に支障が出るようになり、二人の詮索は終わってしまった。
第一部完結です。
第二部開始までしばらくお待ちください。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる