転生したら道具袋だった……おい、責任者出てこい!

モモん

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第二章 新しい町

夜の必殺処刑人

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アミノクリーンも食べ物系も服飾も順調だった。
ただ一つ、問題があるとすれば、夜の必殺処刑人だけだろう。

だが、これは悪いことなんだろうか。
俺の中では、殺人は悪いことだと感じているものの、正当化している部分も確かにあるのだ。

例えば、無差別殺人の遺族が、犯人に復讐するのを俺は肯定する。
法の裁きとか関係ない。
遺族の当然の権利だと俺は考える。
仇討ちというやつだ。
それで、俺が返り討ちにあったら、その時こそ法に後を任せる。
俺の思考はそういうものだった。

俺にも殺人衝動はあった。
通販でナイフや鉈を買った。
俺の遺品を整理したら母親が驚くに違いない。
だが、謂れのない暴力を振るわれたとき、夜中布団の中で湧き上がる殺人衝動を楽しんですらいた。
それがある程度まで高まったところで、刃を見ると気持ちがスッと収まるのだ。

アミの場合はどうなんだろう。
何かで発散できているのだろうか。

「アミ、剣術の道場に通え」

何故とは聞いてこなかった。
この日から、アミは仕事帰りに道場に通う。

そういった基礎や筋肉の皆無であったアミは夜出かけるだけの体力もなく寝入った。
一か月、二か月と平穏無事な日が続いた。

この間、王妃様に衣装と下着を届け、新作のプリンアラモードも売り出した。
最初にプリンアラモードを王室に届けたときはすごかった。

ジェシカ王女様が大声を出したものだから、大勢が集まってしまったのだ。
その結果、メイドたちの分は残らなかった。
原因となったジェシカ王女はとても冷たい目で見られ、翌日もう一度届ける約束をさせられてしまった。

道場に通って三か月になると、体力的にも余裕が出てきたようだ。
アミは鉄串を買い込んだ。
それを自分で研いで鋭利に仕上げていく。
柄の部分に布を巻き、持ちやすいようにすると、また夜の仕事が始まった。

体力のついたアミは素早かった。
影の中を疾風のように駆け、相手の首筋や心臓を後ろから貫いて帰ってくる。

そのうちに、動きやすい寝間着を考え始める。
伸縮性のある綿で、ズボンを仕上げ、上はノースリーブと長袖の2種類を作る。
ボタンではなく、頭からかぶるタイプだ。
上下ともに黒で統一してある。

さらに、綿で目出し帽を作り、黒の足袋を履いて全身黒づくめの格好で出るようになる。
完全に、必殺!処刑人である。

このパジャマも人気商品となった。

「アミ、このパジャマというのは楽でよいのう。
メイドたちも皆買ったそうじゃ」

「お買い上げありがとうございます。
今日は、同じ黒い綿で作ったブラとパンツを持ってきました。
メイドの皆さんの分もありますよ」

このブラとパンツも大ヒットとなる。

必殺!処刑人のおかげで犯罪件数も減り、街には平穏な空気が漂う。


アミの出番がほとんどなくなったころ、保安部隊の二人は核心に近づいていた。

犯行のあった場所をピックアップして、中心が隣の冒険者ギルドだと目星をつけたのだ。
アミの家には警備兵が交代でついているため、まさか影にもぐって外出してるとは思わない。
冒険者の中で、細い武器を使うモノをピックアップし、夜通し張り付くが出かける様子はない。

そのうちに、昼の仕事に支障が出るようになり、二人の詮索は終わってしまった。

第二章完結です。
第三章開始までしばらくお待ちください。

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