俺の部屋が異世界に転移したみたいだ‼

モモん

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第六章 異世界ツアー

台風

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 この日から異世界村スタッフは3班に別れた。
果実採取の2名と釣り2名。残りの6名は畑づくりだ。


「次の補給で、高枝切りの道具が必要だね」

「あれなんか、熟しているから食べごろなのにね」

「えっ、誰かいるよ……」

「うちのエリアで何してるんですか!」

「何言ってんだよ、明確な線引きなんてないだろう!
やめろ!勝手に撮るんじゃねえよ!」

「地図をよく見ろよ、あそこの大岩で区切ってある。
どう考えても、ここはうちのエリアだぞ」

「地図なんて知らねえよ。
いいよ、十分とったから行こう……」

「次の補給で連絡するからな。
局に抗議してやる」


 こんなふうに、エリアを超えるトラブルは、他の場所でも起こっていた。
サバイバル系のチームにとっては、果実と魚が生命線なのだ。
そして、それは海側で顕著になる。
海はフリースペースなので、好きな場所へ移動できるからだ。

「なんで、こんなに人が多いんだ」

「仕方ないだろ、砂浜は少ないんだから」

「だからって、ジェットスキーなんか乗り回されたら、魚がみんな逃げちまうじゃないか」

「それはあいつらに言ってくれよ。
釣りがしたいなら磯に行けばいいじゃねえか」

 磯は磯で、シュノーケリングが多かったりする。
だが、そういったマリンスポーツ系はサメらしき生物の出現で影を潜めてしまった。

「ふう、これで安心して釣りができるな」

「いや、サメがウロウロしてる中で、釣りなんてしてる場合じゃないだろ」

「水から離れてれば大丈夫だっての。
おっ、きたきた!」

バシュッ!

「……」

「なあ、サメなのに、あのカエルみたいな舌はなんだろう……」

「空中の魚を捕まえたよね……」

「ダメだ、釣りは禁止にしよう」

「うん……」



 天気の良い日ばかりではない。
そして台風も発生するが、この世界には気象衛星なんてものは存在しない。
当然、ちょっとした強風が、いつの間にか暴風域に入っていたりする。

「ダメだ、ワイヤーで補強しないと家が飛ばされるぞ」

「無理だ、こんな嵐の中出たら、それこそ飛ばされちまうぞ」

 台風は、浄水器やら畑やら井戸を軒並み破壊していった。

「ここに住むの無理じゃね……」

「鉄筋の家を建てないとダメだね」

 こうして、異世界村構想は、発足4週間目にとん挫した。
幸いなことに、死者はゼロだった。
けが人は多数発生したが……


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