Doragon Soul´s

竹内 晴

文字の大きさ
8 / 9
八ノ巻

炎と水の乱舞

しおりを挟む
 凪紗がティアマトを受け入れることに成功し、互いに心を通わせた2人。辰也とサラマンドラのように、精神世界での対話をしていたが、突如藍色の勾玉が光だし、辰也とサラマンドラ同様に、本来の人格であるサツキが目を覚ました。

 サツキは凪紗と違い、時の流れに逆らうことも、周りの環境の変化にも対応できる。それはまるで押しては返す波のような美少女だ。

 年齢は恐らく辰也やフレイアと同じ歳くらいだろうが・・・。凪紗と比べると少しお姉さんと言ったところだろうか。

 サツキはティアマトの性格を理解しているようで、目が覚めるなりティアマトの変化に気がついた。

 「ウチが寝てる間に落ち着いたね。」

 サツキがティアマトを見て最初に感じた印象だった。サツキの言葉に照れたようにそっぽを向くティアマトだったが、眠りについている間の出来事を何も知らないサツキに説明をする。

 「・・・とまぁ、これまでの一連の出来事な訳だが・・・。俺としたことがやり方を間違えてしまった。凪紗にはすまないと思っている。」

 ティアマトの情けない言葉にサツキがかつを入れる。

 「あんたのしたことはほんとに間違えてるしバカだとしか言えないわね。第一、この子は私よりも断然歳が下じゃない!ティアマト、今回ばかりはあなたに失望したと言いたくなるほどよ?」

 サツキが今までにないほど怒りを露わにしていた。ティアマトは何も言うことが出来ず、ただ言われるがままサツキの言葉に頷いていた。

 「けど、誰にだって間違いはあるものよ。だけど、次はないからね?ウチはこれでもあんたのこと信頼してるんだから!これ以上間違いは許さないわよ?」

 サツキがティアマトにこれでもかと念を押した。

 「で、辰也くん・・・じゃなくてフレイアくん達に手を貸せばいいのよね?」

 サツキがティアマトに再確認をした。ティアマトが「そうだ」と返事をすると、サツキがホッとしたような笑顔で言った。

 「あの人達はウチらの恩人おんじんでしょ?ここで断ったらウチらただのダメ人間じゃん?もちろん手を貸すわ。それに、この闘いを終わらせるためにはより多くの仲間が必要になることはまず間違いないんだから・・・。それはきっとフレイアもわかっているからこそ、今の辰也に委ねたんじゃないかしら?」

 そう言い終えると、サツキがティアマトを見た。ティアマトはサツキの様子を見て言った。

 「フッ・・・。やはり俺の目に狂いはなかったようだ。それに、凪紗もただの臆病者ってわけでも無さそうだしな。お前サツキの血族のことだけはあるな。冷静になった時の凪紗は強いぞ。だが、安心は出来ない・・・。この臆病な性格が治るまではサツキの力が必要だ。」

 ティアマトが申し訳なさそうに言った。その姿を見てサツキが呆れたように言った。

 「手を貸すって言ったでしょ?それはあなたにだって同じことよ?この藍色の勾玉を手にした時からウチら一心同体じゃん?この子凪紗もいつか闘えるようになるから!」

 サツキが笑顔でティアマトに言った。

 「で、早速で悪いんだが・・・。この気配は・・・。リザードマンか。結構な数だな・・・。」

 ティアマトの言葉にサツキが笑った。

 「汚名返上おめいへんじょうと行きますか!ウチらの力見せてやろうよ!」

 一方、辰也とサラマンドラは・・・。

 「辰也、ちょいとばかしまずいかもしれん。もう1度フレイアと変われるか?」

 サラマンドラの少し焦った様子にただ事じゃないことを悟った辰也が頷く。それと同時にフレイアの身体から紅い蒸気が溢れ出る。

 「それじゃ、今回は凪紗には眠っててもらうよ!」

 時を同じくして、サツキの身体からも藍色の蒸気が溢れ出る。すると、2人の体に蒸気が集約しゅうやくした。その瞬間、2人の雰囲気がかわり臨戦態勢りんせんたいせいに入った。

 「ティアマト!どの方角から来る?」

 サツキの言葉にティアマトが指示を出す。

 「真正面から複数の群れがこちらに向かっている。」

 2人の会話を聞いていたフレイアがサラマンドラに現状を尋ねた。

 「おい、サラマンドラ。これは一体どうなってんだ?話に方がついたと思ったら・・・。」

 サラマンドラがすかさず切り返す。

 「そんなことより今は集中しろ。くるぞ!」

 サラマンドラとティアマトの言葉通り、リザードマンの群れが飛びかかってきた。その群れにいち早く突っ込むサツキ。

 「ウチらの力見せるよ!水龍の爪ウォーター・クロー

 水で出来たドラゴンの爪で5体のリザードマンを一気に吹き飛ばした。

 「へ~、中々やるじゃん。俺らも行くか!炎龍の咆哮フレイム・ブロー

 攻撃を終えたサツキの真上から炎の大玉を吹き出しリザードマンの群れの半数を一掃した。その威力にサツキがニヤリと笑った。

 「あなたやるじゃない!この調子で・・・。」

 サツキが次の攻撃に移ろうとしたその時、リザードマンが森の中へと逃げ帰った。

 これで終わったかと息をついたその時、森の奥から大きなうめき声が聞こえた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...