【完結】桜色の思い出

竹内 晴

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春の6ページ

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 将生まさき春斗はるとに殴り掛かる。しかし、喧嘩慣れしている春斗は将生の拳を軽く交わした。

 「やればできるじゃん?最初からそうやってれば良かったんじゃねーの?」

 そう言うと、殴りかかった勢いで倒れている将生に手を差し伸べる。

 「ふっ、なんか納得したわ・・・今まで悪かったな」

 そう言うと春斗の手につかまり立ち上がる将生。意味深いみしんな言葉を残して何かスッキリしたような表情で帰って行った。

 その頃、とおるたち3人は・・・

 「ねぇ~、春斗どこ行ったのー?」

 春斗がいなくなったことに気がつくかおる。その声に便乗びんじょうするように由紀みゆきも・・・。

 「ほんとだ!玲、あんた何か知ってる?」

 誤魔化ごまかすために嘘をつくことにした。

 「それならトイレ行きたいとかで公園の方に行ったよ?」

 玲が笑顔で応えた。

 「なーんだ、公園行ったんだ」

 薫が少しつまらなそうに言った。

 「そおだ!私らも行こーよ!」

 薫の提案に乗るように由紀も言った。

 「そうね、春斗も多分こっち向かってる頃かもしれないしね」

 2人の勢いに呑まれそうになりながら玲がなだめようとしていた。

 「春斗も子供じゃないんだし大丈夫だと思うよ?そんなことより2人とも女の子なんだから、俺が2人をちゃんとエスコートするからさ」

 そう言うと2人の背中を押す玲。

 「ちょ、どうしたのよ玲?」

 いつもと少し違う様子に気がつく薫。

 「なんか私らに隠し事してない~?」

 玲がその言葉に少しドキッとしてしまうが冷静を装い何とかその場を切り抜けようとしていた。

 「え?そうかな?気のせいじゃない?」

 その反応に「怪し~」と言わんばかりの眼差まなざしを2人が向ける。その眼差しに耐えかねていた玲のメンタルはそろそろ限界を迎えようとしていた。

 (春斗・・・早く戻って来て~)

 そう思っていたその時・・・。

 「わりーわりー、おまたせ~」

 3人を追って春斗が追ってきていた。

 「も~、遅いじゃん!」

 薫が拗ねた表情で春斗に近づく。それを見た由紀が薫の襟元えりもとをつかみそれを阻止した。

 「ほんとに、何かあったのかと思って玲に事情聴取するとこだったじゃん!トイレならトイレって私たちにも言っておいてよね!」

 由紀の言葉に思わず「え?」と言ってしまう春斗。

 「あれ?違うの?」

 2人の反応の違いに違和感を覚える由紀が春斗に尋ねた。

 「いや、そうそう!てかそんなん一々異性に言わねーだろ?普通・・・」

 由紀と薫がお互いに見合って言った。

 「私らいつも言ってんじゃん?」

 さも当然のように薫が春斗に言った。

 「そこな、そういうとこだよ・・・少しは女の子らしくしろよ・・・」

 呆れてものも言えず頭を抱える春斗。

 「けど、春斗に何もなくてよかったよ~。なんか、春斗誰かにつけられてるみたいだったから。」

 由紀がホッとため息をつき玲と春斗が「え?」と思わず口に出してしまった。

 「ちょっと待て、それっていつから?」

 春斗が由紀に尋ねた。由紀は少し首をかしげて思い出しながら話した。

 「私たちが4人で一緒に歩いてて、公園行く時の交差点あたりかな?なんか後ろ見たら一瞬電柱のとこに人影あったからさ~。なんか怖くて言えなかったんだよね・・・。」

 春斗は(ちょうど俺らが別れる前じゃん・・・)と考えると同時に(気づいてなくて良かった)とホッとする気持ちが混ざった感情が込み上げて来ていた。

 「え?まじ~?全然気づかなかった・・・」

 薫が気持ち悪がりながら由紀と話していた。

 「大丈夫だった?」

 玲が小声で春斗に尋ねた。

 「わりーんだけどさ、ここじゃ言えねーから明日またいつもの場所でいいか?」

 春斗の提案に少し疑問を抱きながらも玲はうなずいた。

 「わかった、春斗がそう言う時って由紀ちゃん関係だもんね」

 玲が春斗をからかうように言った。

 「うっせー!別にそんなんじゃねーよ」

 春斗が顔を赤くして言った。玲が「ふーん」とニヤニヤしながら春斗をみた。

 「その顔気持ち悪いからやめろ」

 春斗が頭を抱えていた。

 「あ、私と玲この辺りだから~後は2人で帰りなよ!」

 薫が春斗と由紀に言った。薫が何か言い残したように由紀のそばにいき耳元でささやいた。

 「抜けがけは許さないからね!」

 薫が由紀に冗談交じりで言うと由紀が・・・。

 「そんなん出来てたらとっくに告白できてるって!」

 由紀が照れながら薫に言い返した。薫は「そっか」と納得した表情でうんうんとうなずいた。

 「何やってんだよ、行くぞ由紀~」

 春斗が由紀を呼ぶと、由紀が慌てて駆け寄る。薫が2人きりになったことを確認すると、玲に疑問を投げかける。

 「あのさ、玲も気がついてたんだね?」

 玲が2人の方を見ながら返事をする。

 「何が?」

 「私もさ・・・本当は知ってるんだー。春斗が由紀を好きだってこと・・・。ほんとわかりやすいよね。」

 薫が少し悲しげな表情で言うと続けて話し始める。

 「玲さ、由紀が好きなんじゃないの?あんたすごいよ・・・。」

 薫の言葉に込められた意味とは・・・。
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